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レイクとの任意整理の注意点!和解傾向や条件についても併せて解説

レイクとの任意整理の注意点!和解傾向や条件についても併せて解説
監修田島 聡泰 (たじま あきひろ) / シン・イストワール法律事務所

シン・イストワール法律事務所は借金問題に注力する法律事務所です。事務所を開設してから、これまで任意整理、個人再生、自己破産、過払い金請求など様々なケースの借金事案に対応してきました。

シン・イストワール法律事務所は借金問題に注力する法律事務所です。事務所を開設してから、これまで任意整理、個人再生、自己破産、過払い金請求など様々なケースの借金事案に対応してきました。

この記事でわかること
  • レイクは任意整理に協力的な貸金業者である
  • 交渉が長引くと訴訟を起こされることもある
  • レイクと有利な和解をすることで任意整理全体が成功しやすくなる
  • より有利な和解をするには弁護士・司法書士への依頼がおすすめ

レイクは大手消費者金融のひとつで知名度も高く、数多くの方が利用しています。以前は「ほのぼのレイク」の名称で親しまれていましたが、現在は「レイクALSA」というブランド名でサービスが提供されています。

そんなレイクですが、消費者金融であるため金利が高く、返済が苦しくなる方も少なくありません。そんなときには、任意整理で解決できる可能性があります。

ただ、任意整理は裁判所を通さずに債権者と直接交渉する手続きなので、返済の負担をどれだけ軽減できるかは債権者の意向次第となります。そこで気になるのが、レイクが任意整理にどのように対応してくるかということでしょう。

この記事では、レイクとの任意整理における最近の和解傾向を踏まえて、任意整理で借金問題を解決するためのポイントを分かりやすく解説します。

レイクとは

「レイク」というブランド名は古くからありますが、運営会社が何度か変更されていることから、利用者によって借入先が異なる可能性があります。

しかし、「レイク」と名のつく借金をしている方が任意整理をする場合はすべて、「新生フィナンシャル株式会社」が交渉相手となります。

はじめに、現在のレイクの基本情報と、新生フィナンシャル株式会社との関係を確認しておきましょう。

レイクの基本情報

現在の「レイク」の基本情報は以下のとおりです。

ブランド名 レイクALSA
社名 新生フィナンシャル株式会社
創業時期 1994年
本店の所在地 〒101-8603 東京都千代田区外神田三丁目12番8号
契約方法 Webで完結
在籍確認 原則として職場への電話連絡
融資限度額 500万円
返済方式 残高スライドリボルビング方式
元利定額リボルビング方式
金利 4.5%~18.0%(実質年率)
遅延損害金 20.0%(実質年率)
担保・連帯保証人 不要
関連会社 株式会社新生銀行(親会社)
新生パーソナルローン株式会社 等

交渉相手は新生フィナンシャル

レイクから借金をした方には、以下の3パターンがあります。

  • 「ほのぼのレイク」から借りた
  • 「新生銀行カードローン レイク」から借りた
  • 「レイクALSA」から借りた

「ほのぼのレイク」は、新生フィナンシャルが以前に「GEコンシューマー・ファイナンス株式会社」という社名だったときに運営していた消費者金融のブランド名です。その後、現在に至るまでにレイクは以下の変遷を辿っています。

  • 2008年9月:GEコンシューマー・ファイナンスが新生銀行の子会社となる
  • 2009年4月:「新生フィナンシャル株式会社」へ社名変更をする
  • 2011年10月以降:「ほのぼのレイク」は「新生銀行カードローン レイク」に引き継がれる
  • 2018年4月から:新生フィナンシャルが新たに「レイクALSA」の運用を始める
  • 2019年11月:「新生銀行カードローン レイク」の名称を「新生銀行カードローン エル」に変更する

「ほのぼのレイク」または「新生銀行カードローン レイク」から借りた方は、新生銀行が取引相手です。しかし、新生フィナンシャルが新生銀行のカードローンの保証をしているため、任意整理をするときの交渉相手は新生フィナンシャルとなります。

「レイクALSA」から借りた方は、当然に新生フィナンシャルが任意整理の交渉相手となります。

そこで、これ以降は任意整理の相手方としての「新生フィナンシャル」のことを「レイク」と称して解説を続けます。

レイクの任意整理への対応~最近の和解傾向

貸金業者の中には任意整理に応じない業者や和解条件が厳しい業者もいますが、レイクとは基本的に問題なく任意整理ができます。

レイクの任意整理への対応には、以下のような特徴があります。

交渉には協力的

レイクは任意整理の交渉には協力的で、無理な要求をしてくることはほとんどありません。最近の具体的な和解傾向は、以下のとおりです。

将来利息は原則カット

将来利息については、ほぼ問題なく全部カットに応じてもらえます。

将来利息とは、今後発生する利息のことです。任意整理で将来利息をカットしてもらうことによって、和解成立後は無利息で返済していくことが可能となります。

経過利息・遅延損害金は原則カット不可

一方で、経過利息と遅延損害金については、ほぼカットに応じてもらえることはありません。経過利息とは延滞が発生するまでにかかる利息のことで、遅延損害金とは延滞が発生してから和解成立までにかかる違約金のようなもののことです。

最近はレイクだけでなく、ほとんどの貸金業者が経過利息・遅延損害金のカットには応じなくなっているので、この点はやむを得ないと考えるべきでしょう。

返済期間は5年以上が認められることも

返済期間については、原則として5年(60回払い)以内での和解を求められます。ただし、借入額が大きい場合、取引期間が長い、延滞歴がない、などの事情によっては、7年(84回払い)程度まで応じてくれることもあります。

最近は3年(36回払い)~4年(48回払い)程度までしか交渉に応じてくれない貸金業者が増えてきていることを考えると、レイクは柔軟に返済条件の交渉に応じてくれるといえます。

レイクとの任意整理における注意点

レイクとの任意整理では、他社の場合と比べて交渉しやすいといえますが、以下の3点には注意が必要です。

早期の和解を要求されることもある

レイクは、返済条件の交渉には柔軟に応じてくれる代わりに、早期の和解を求めてくる傾向にあります。任意整理に着手してから3ヶ月以内に和解しないと、訴訟予告の通知を送ってくることが多いです。

そのため、複数社を相手に任意整理をする場合には、一番先にレイクと和解しなければならないケースが多くなっています。その代わり、レイクは返済開始時期については和解成立から3ヶ月~5ヶ月ほど猶予するなどの配慮をしてくれます。

訴訟を起こされることもある

交渉期間が長引くと訴訟予告の通知を送ってくる貸金業者は少なくありませんが、実際に訴訟を起こす貸金業者はそれほど多くありません。

しかし、レイクは実際に訴訟を起こすことが比較的多い印象です。おおよそですが、任意整理に着手してから6ヶ月以内に和解できなければ、訴訟を起こされる可能性があると考えた方がよいでしょう。

そのため、レイクとの任意整理では早期に和解することが重要となります。できる限り3ヶ月以内、遅くとも6ヶ月以内の和解成立を目指しましょう。

過払い金が発生している可能性もある

「ほのぼのレイク」から借り入れをしていた場合は、過払い金が発生している可能性があります。より具体的にいうと、2007年12月1日以前から「ほのぼのレイク」と取引をしていた場合には、過払い金を取り戻せる可能性があるのです。

以前は、レイクも他の消費者金融の多くと同じように、利息制限法で定めている上限金利(借入残高に応じて15%~20%)を超えるグレーゾーン金利で貸付を行っていました。

ただ、レイクは2007年12月2日に上限金利を法定金利内に変更したため、それ以降の取引からは過払い金が発生しなくなっています。過払い金が発生している場合、借り手側から返還請求をしなければ取り戻すことはできないので、忘れずに請求しましょう。

なお、「新生銀行カードローン レイク」または「レイクALSA」から借りた場合は、最初から法定金利内の取引しか行われていないので、過払い金は発生していません。

レイクの過払い金返還請求への対応

レイクとの任意整理に着手して、過払い金が発生していることが判明した場合は、返済の交渉ではなく過払い金返還の交渉をすることになります。

レイクの過払い金返還請求への対応には、以下の特徴があります。

交渉には協力的

レイクは返済条件の交渉に協力的なことと同様に、過払い金返還の交渉にも協力的です。ただし、交渉するだけで過払い金の全額をすぐに支払ってくれるわけではありません。他の貸金業者に比べて協力的であるという程度です。

任意交渉での返還率は5割~7割程度

訴訟をせず任意の交渉のみでレイクから過払い金を取り戻す場合には、過払い金発生額の5割~7割程度の金額で和解するケースが多くなっています。

他の貸金業者では、2割~3割しか応じないところや、任意の返還にはほとんど応じないところも増えてきていることを考えると、レイクは過払い金返還に対しても協力的といえます。

早期にレイクから過払い金を取り戻したい場合には、任意交渉での和解を検討するのもよいでしょう。

訴訟をすれば全額の取り戻しが可能

レイクが協力的とはいっても、過払い金を全額取り戻すためには訴訟を起こすしかありません。

時間と費用はかかりますが、強制的に過払い金を取り戻すことが可能となるので、過払い金の発生額によっては訴訟の提起を検討してみましょう。

レイクとの任意整理を成功させるポイント

以上の解説を踏まえて、レイクとの任意整理を成功させるポイントをご紹介します。

通常、任意整理をする場合には1社だけでなく複数社を相手とすることが多いので、ここでは任意整理全体を成功に導くことを念頭に置いてご説明していきます。

早期の和解を目指す

レイクが相手の場合だけに限りませんが、任意整理では可能な限り早期に和解することが望ましいといえます。交渉期間が長引くと、その間に遅延損害金がかかり続けるからです。

消費者金融の遅延損害金は20%前後のことが多いです。交渉期間によっては将来利息をカットしてもらってもそれ以上に遅延損害金がかかり、かえって返済額が増えてしまうこともあります。

できる限り早期の和解を目指し、遅延損害金の負担を抑えましょう。

可能な限り長期の返済期間で和解する

次にレイクとの和解条件についてですが、可能な限り長期の返済緒期間で和解する方がよいでしょう。

レイクは早期の和解を求めてくるため、ときには他社の状況が分からないうちに和解しなければならないこともあります。真っ先にレイクと和解する場合、返済期間を短期に設定すると毎月の返済額が大きくなり、他社への返済を圧迫するおそれがあります。

それよりも、レイクは返済条件については柔軟に交渉に応じてくれるので、できる限り返済期間を長期に設定することで、他社への返済に備えましょう。任意整理後、余裕ができた場合には貯蓄して一括返済するという形で、早期の完済を目指すこともできます。

過払い金が発生していたら忘れず請求する

過払い金を忘れずに取り戻すということも、任意整理を成功させるために重要です。

仮に100万円の過払い金を取り戻せた場合、それを他社の借金の返済に充てれば借金総額が100万円以上減ることになります。ケースによっては、全ての借金を完済して、なお過払い金が手元に残ることもあります。

ただ、最近は過払い金が発生しなくなっているため、このようなケースは少なくなっています。とはいえ、少しでも過払い金が発生している場合には、取り戻さなければもったいない限りなので、忘れず請求するようにしましょう。

レイクとの任意整理が難しいときの対処法

レイクとの任意整理ができないというケースは多くありませんが、他社の和解条件が厳しいために全体として任意整理が難しいというケースは少なくありません。そんなときには、以下の対処法が考えられます。

  • 個人再生をする
  • 自己破産をする

個人再生では、借金を元金も含めて大幅に減額することができます。任意整理では返済が難しい借金額でも、個人再生をすれば返済できる可能性が十分にあります。

自己破産では、全ての借金の返済義務を免除してもらうことが可能です。どちらも裁判所を介する手続きなので、一定の要件を満たせば強制的に借金が免除されます。

個人再生と自己破産のどちらを選ぶべきかは、借金総額や収入、財産状況、職業などに応じて判断することになります。

レイクとの任意整理で弁護士・司法書士ができること

レイクは任意整理に協力的とはいえ、個人で手続きを進めると、知らないうちに不利な和解条件を押しつけられることにもなりかねません。そのため、任意整理を成功させるためには弁護士・司法書士に依頼することが得策です。

レイクとの任意整理を弁護士・司法書士に依頼することで、以下のメリットが得られます。

  • 受任通知を送付してもらうことで取り立てがすぐに止まる
  • 利息引き直し計算によって正確な借金額が分かる
  • 返済条件の交渉を任せることができる
  • 専門家に交渉してもらうことで、より有利な和解が期待できる
  • 過払い金返還請求の手続きも任せることができる

まとめ

この記事をお読みになって、レイクとの任意整理は「簡単」「やさしい」という印象を持たれたかもしれません。しかし、実際には専門的な法律知識と高度な交渉力がなければ、対等に交渉するのは難しいものです。

多くの場合はレイク以外にも借入先があるでしょうし、その中には和解条件が厳しい貸金業者がいることもあります。したがって、任意整理は弁護士・司法書士に依頼し、返済条件の交渉や過払い金返還請求の手続きなどでサポートしてもらうことをおすすめします。

専門家の力を借りて、レイクとの任意整理を成功させましょう。

メインの執筆者かつ9312

元弁護士。関西大学法学部卒。15年にわたり、債務整理、交通事故、相続をはじめとして、オールジャンルの法律問題を取り扱う。
債務整理では、任意整理、個人再生、自己破産の代行から過払い金返還請求、闇金への対応、個人再生委員、破産管財人、法人の破産まで数多くの事案を担当経験する。

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