X（旧：Twitter）の個人間融資は闇金？利用するリスクと被害に遭ったときの対処法

X（旧：Twitter）上で個人間融資を持ちかけるアカウントは数多くありますが、そのほとんどは闇金なので絶対に手を出してはいけません。

近年の闇金は、X（旧：Twitter）などのSNSで個人間融資を装い、お金に困っている人をターゲットとして貸付を行っています。そんなX（旧：Twitter）闇金を利用してしまうと、深刻な被害を受けるおそれがあるので、くれぐれも注意が必用です。

この記事では、X（旧：Twitter）闇金の勧誘の手口や利用した場合に生じるリスク、被害を受けたときの対処法などについて、わかりやすく解説します。

そもそも個人間融資とは？

個人間融資とは、その名のとおり、金融機関や貸金業者の貸付けではなく、個人と個人との間でお金の貸し借りを行うことです。

家族や親戚、知人などからの借金も個人間融資の一種ですが、インターネットが発達した現在では、SNSや掲示板サイトを通じた個人間融資による金銭トラブルが社会問題化しています。

例えば、X（旧：Twitter）にはお金を貸してもよいという人とお金を借りたいという人の両方が存在していて、「#お金貸します」「#お金貸してください」などのハッシュタグを通じてマッチングします。

そしてDM(ダイレクトメール)やLINEで連絡を取り合って個人間融資を行いますが、貸付・返済の条件や取り立て方法をめぐってさまざまなトラブルが発生しています。

X（旧：Twitter）の個人間融資は闇金？

X（旧：Twitter）には「お金を貸します」というアカウントが数多くありますが、そのほとんどは闇金です。闇金ではないものもありますが、別の危険性が潜んでいることに注意しましょう。

お金に困っているとしても、見ず知らずの人と個人間融資を行うべきではありません。

闇金がほとんど

X（旧：Twitter）でお金を貸すというアカウントのほとんどは、個人を装った闇金であるのが実態です。

従来の闇金は「090金融」といわれるものが主流で、携帯電話やメールで勧誘を行っていました。しかし、インターネットが普及して手軽に見知らぬ人と交流できるようになった近年では、闇金もSNSや掲示板サイトなどを使うようになっています。

SNSの中でもX（旧：Twitter）はアカウントの作成や投稿が比較的容易で、投稿したメッセージが拡散されやすいという特徴を有しています。このようなX（旧：Twitter）の特徴は、闇金にとってはターゲットの借り手を探すためには好都合なのです。

また、警察に通報されたとしても、闇金はアカウントを削除すれば逮捕や摘発を免れることができます。

ユーザーにとっても、慣れ親しんだX（旧：Twitter）上で「お金貸します」という人とやりとりをすることに抵抗感が薄く、気軽にお金を借りてしまうという実情があります。

このような理由で、近年はX（旧：Twitter）で個人間融資を装った闇金が激増しています。

闇金以外の詐欺業者もいる

X（旧：Twitter）には闇金以外にも、個人を装って詐欺をはたらく悪質業者がいます。

個人間融資を持ちかけ、手数料や保証料などの名目で先にお金を支払わせて、融資をせず連絡を絶つケースが典型例です。借入希望者から個人情報を聞き出しておいて融資をせず、個人情報を悪用する業者もいます。

その他にも、お金を貸してほしいという人に対して投資や副業を勧め、高額のツールや情報商材などを売りつけたりする詐欺業者もいるので注意が必要です。

一般の個人もいるが危険性は高い

X（旧：Twitter）はさまざまな人が利用しているので、中には一般の個人がお金を貸しているケースもあります。

しかし、見ず知らずの人に厚意でお金を貸す人はいません。一般の個人でお金を貸す人は利息で儲けることが目的なので、必ず超高額な利息を請求してきます。

しかも、貸金業法という法律を詳しく知らずに融資をおこなうため、利息制限法に違反する高金利を請求するケースがほとんどです。

女性のユーザーに対しては、融資の見返りとして肉体関係を要求するひととき融資も横行しているので、注意しなければなりません。

X（旧：Twitter）闇金の勧誘の手口

X（旧：Twitter）の個人間融資はほとんどすべて、闇金または違法な業者や個人であると判断して差し支えありません。

ただ、お金に困っているときに親切なメッセージを見ると「この人なら信用できそう」と思ってしまうこともあるでしょう。しかし、それこそが闇金の仕掛けた罠です。

ここでは、闇金の被害を回避していただくために、X（旧：Twitter）闇金の勧誘の手口をご紹介します。しっかりと確認しておきましょう。

「#個人間融資」などで利用者を募る

基本的には、闇金がX（旧：Twitter）で開設したアカウントで「お金を貸します」「お困りの方はご相談ください」などといった内容のツイートをして、利用者を募ります。

ツイートには次のようなハッシュタグが登録されていて、お金を借りたい人がX（旧：Twitter）で検索したときにヒットしやすいようになっているのが特徴的です。

• 「#個人間融資」
• 「#お金貸します」
• 「#即日融資」
• 「#ブラックOK」
• 「#スピード審査」
• 「#○○（地名）融資」などなど

DMで直接勧誘することもある

X（旧：Twitter）には、お金を借りたい人が個人間融資を希望して次のような内容のツイートをしていることも多々あります。

• 「お金借りたい」
• 「お金貸してください」
• 「お金に困っています」
• 「至急○○万円必要です」 などなど

闇金は、このようなツイートをしている人をターゲットと判断し、DMを送信して直接勧誘します。

お金に困っていることがわかるような話題をツイートすると、たくさんの闇金業者から勧誘のDMが届くことがあるので注意が必要です。

LINEへ誘導することもある

X（旧：Twitter）上で闇金と借入希望者がマッチングすると、貸付金額や返済条件などのやりとりをして、個人間融資の実行に進みます。

そのやりとりはX（旧：Twitter）のDMで引き続き行われることもあれば、闇金からLINEに誘導されてLINE上で行われることもあります。

多くの場合、直接会ったり電話で話したりすることなく、X（旧：Twitter）またはLINEのやりとりのみで融資が完了するので、借り手にとっては手軽に借りられるというメリットがあるように感じるものです。

しかし、これは闇金が身元を明かすことなく営業するために工夫している手口です。

融資するまでは優しく紳士的に振る舞う

X（旧：Twitter）闇金は、融資するまでは優しく紳士的に振る舞うことが特徴的です。そのため、どこからも借りられない、緊急にお金が必要、といった状況にある方は、相手のことを信用してお金を借りてしまいます。

しかし、闇金はターゲットにお金を借りてもらい、後で利息という名目でお金をむしり取ることを最初から目論んでいます。そのため、いったん返済が遅れると態度を豹変させて違法な取り立てを行ってきます。

対面や電話でお金を借りる場合には、借り手もどこかで相手のことを「怖い」「普通の人ではない」などと感じることでしょう。

しかし、X（旧：Twitter）闇金の場合はネット上のメッセージのみでやりとりするため、借り手は「良い人だ」「神のような人だ」と勘違いして闇金からお金を借りてしまうのです。

融資の条件として個人情報を聞き出す

X（旧：Twitter）闇金も闇金なので、融資の際には借り手の個人情報を徹底的に聞き出します。

• 本人の氏名、住所、携帯電話の番号
• 銀行口座
• X（旧：Twitter）やLINEのIDやパスワード
• 家族や親戚、友人、知人の連絡先
• 勤務先の社名、住所、電話番号

闇金は個人情報を聞き出す際に「審査のため」と言うこともありますが、実際には審査など行っていません。個人情報を聞き出す目的は、取り立ての際に利用するためです。

X（旧：Twitter）やLINEでつながっているだけでは借り手を怖がらせるような取り立てはできないため、融資前にあらゆる個人情報を聞き出しておくのです。

X（旧：Twitter）闇金に手を出すと生じるリスク

X（旧：Twitter）闇金に手を出すと、次のような被害を受けてしまいます。

• 法外な利息を要求される
• 違法な取り立てや嫌がらせ行為を受ける
• 個人情報を流出・悪用される
• アカウントを乗っ取られる
• 性被害に遭うことも

法外な利息を要求される

個人間融資でも利息の契約は有効ですが、上限利率は借入額に応じて年15～20％と利息制限法で定められています。

しかし、闇金はこの利率を大幅に超えて、トイチ、トサン、トゴといった法外な金利で利息を要求してくることがほとんどです。

金利	意味	年利
トイチ	10日ごとに1割	365%
トサン	10日ごとに3割	1095%
トゴ	10日ごとに5割	1825%

個人間融資では、年109.5%を超える利息の契約は出資法違反という犯罪に該当し、貸し手に刑事罰が科せられます。

闇金の貸付は、それ自体が犯罪行為であり、民事上も公序良俗に反するため契約無効です。したがって、そもそも返済義務はありません。真面目に返済すると、莫大な金銭的損害をこうむることに注意しましょう。

違法な取り立てや嫌がらせ行為を受ける

闇金への返済が遅れたり、返済を拒否したりすると、次のように違法な取り立てや嫌がらせ行為を受けてしまいます。

• 昼夜を問わず頻繁に電話やメール、LINEで返済を請求する
• 暴言や恫喝で威圧して返済を迫る
• 暴力を用いて無理やりに返済を迫る
• 自宅の前で大声で「金を返せ」などと叫ばれる
• 自宅の壁や玄関に貼り紙や落書きをされる
• 勝手に出前やデリバリーを注文される
• 救急車や消防車を自宅に呼ばれる

それだけでなく、闇金は借りての家族や親戚、友人、知人、勤務先にまで頻繁に電話をかけて、肩代わり返済を要求したりもします。もちろん、このような行為も違法です。

闇金が違法行為をする理由は、借り手を困らせて精神的に追い込み、何をしてでもお金を用意して支払わせることにあります。

個人情報を流出・悪用される

闇金に知られてしまった個人情報は、流出・悪用される可能性が極めて高いのが実情です。

返済が遅れた場合には、SNSなどで個人情報を晒された上で、「○○は借りたお金を返さないドロボー」などと誹謗中傷されることがあります。そして、「削除してほしければ今すぐ金を返せ」と脅してきます。

返済が遅れなくても、利用者の個人情報は他の闇金や詐欺業者に横流しされたり、名簿業者に売却されるなどして、悪質業者の間に流通してしまうことがほとんどです。

アカウントを乗っ取られる

闇金に返済ができないと、X（旧：Twitter）のアカウントを乗っ取られることもあります。

乗っ取られたアカウントは、闇金がさらにX（旧：Twitter）で個人間融資（X（旧：Twitter）闇金の営業）をするために使います。こうすることで闇金は、警察に通報されても足がつかないようにして営業しているのです。

それだけでなく、闇金は乗っ取ったアカウントを使って本人になりすまし、X（旧：Twitter）上で友人や知人に嫌がらせメッセージを送信したり、詐欺などの違法行為を行うこともあります。

性被害に遭うことも

女性の利用者が闇金に返済できなくなると、「性交渉をすれば利息を負けてやる」「拒否するなら今すぐ全額を支払え」などと脅され、性行為を強要されることがあります。

また、融資の際に担保と称して裸の写真を送信させられた場合には、返済が遅れると裸の写真をネットで公開され、「削除してほしければすぐにお金を返せ」と脅されることもあります。

このようにして、闇金はあらゆる手段を用いて利用者からお金をむしり取ろうとします。

利用者は莫大な金銭的損害を被る上に、闇金の違法行為によって精神的損害も受け、通常の社会生活が難しくなってしまうことも珍しくありません。

X（旧：Twitter）で闇金をブロックするのが危険な理由

X（旧：Twitter）闇金に手を出してしまった場合には早急に闇金との関係を絶つことが重要ですが、X（旧：Twitter）で闇金をブロックすることは非常に危険です。

ブロックすると闇金が怒りだして、前項でご紹介した違法行為を仕掛けてくることが目に見えています。闇金が逆上している分、違法行為の内容と程度もエスカレートし、甚大な被害を受けることにもなりかねません。

既に闇金に個人情報を知られているのですから、X（旧：Twitter）でブロックしたところで闇金との関係を絶つことはできず、逆効果にしかならないのです。

闇金のアカウントをブロックする前に、警察や弁護士・司法書士に相談して根本的な解決を図ることが先決です。

X（旧：Twitter）闇金の被害に遭ったときの対処法

X（旧：Twitter）闇金の被害に遭ってしまったときは、一人で対処すべきではありません。違法な取り立てや嫌がらせ行為によって追い込まれてしまい、闇金の思うつぼとなってしまうからです。

闇金問題を解決するためには、専門家の力を借りて退所することが重要です。

身の危険があるときは警察に相談

闇金の違法行為によって身の危険を感じるときは、躊躇せず警察に相談してください。

闇金は無登録で貸金業を営んでいるため存在自体が犯罪ですし、法外な金利を伴う貸付も犯罪です。本記事でご紹介した取り立てや嫌がらせ行為も程度によっては犯罪に該当します。

そのため、警察に相談して違法行為の証拠を示せば、闇金の摘発に向けて動いてくれる可能性があります。

ただし、実害が生じていない場合には「民事不介入の原則」により、警察が動いてくれないことも多いので注意しましょう。

闇金と手を切るためには弁護士・司法書士に相談

闇金と手を切るために最も有効な対処法は、弁護士または司法書士という法律の専門家に依頼することです。

依頼を受けた弁護士・司法書士は、ただちに闇金に連絡をとり、違法行為を止めるように警告した上で交渉してくれます。

闇金も弁護士・司法書士に依頼した利用者からお金を回収できないことはわかっています。

アカウント停止や銀行口座の凍結、刑事告訴などの法的措置も恐れているので、弁護士・司法書士が介入すると取り立てや嫌がらせ行為を止めることがほとんどです。

X（旧：Twitter）闇金に手を出さずに金銭問題を解決する方法

X（旧：Twitter）闇金は絶対に利用してはいけません。とはいえ、どこからも借りられない、正規の貸金業者の審査を待てないほど緊急にお金が必要、などの事情で闇金や個人間融資を利用したいと考える方もいることでしょう。

そんな方は、次のような方法で金銭問題の解決を図るべきです。

• 親族から借りる
• 公的支援制度を利用する
• 債務整理をする

親族からお金を借りる

正規の貸金業者や金融機関から借金できない状態であるのなら、家族や親戚など身内の方に事情を話してお金を借りたほうがよいでしょう。

親族からの借入であれば、通常は法外な利息を取られることはありませんし、すぐに返済できない場合でも違法行為や嫌がらせを伴うような取り立てを受けることもありません。

ただし、安易に借金をして踏み倒すようなことがあると身内でもトラブルに発展することがありますので、誠実に対応することは必要です。

公的支援制度を利用する

生活が苦しい場合には、公的支援制度の利用を検討しましょう。

一定の条件を満たせば、「生活福祉資金貸付制度」により、無利子または低金利で借入ができます。貸付金の種類は生活費以外にもさまざまなものがあるので、困ったときはお住まいの地域の社会福祉協議会に相談してみることです。

その他にも、次のような公的支援制度を利用できる可能性があります。

• 児童扶養手当
• 住宅手当
• 医療費助成
• 保育料の減免
• 公共交通機関の割引
• 国民健康保険税の免除
• 国民年金保険料の免除

各自治体が独自に運営している支援制度もありますので、お住まいの地域の役所に相談してみましょう。

どうしても生活費が足りない場合には、生活保護を受給することも可能です。

借金がある場合は債務整理をする

貸金業者や金融機関からの借金の返済に追われていて生活が苦しい場合には、債務整理が有効です。

債務整理とは、法律に則った正当な手段で借金を減免することが可能な救済制度のことで、主に次の3種類の手続きがあります。

債務整理の種類と概要

任意整理	債権者との直接交渉により利息のカットや返済期限の延長を図り、毎月の返済額を減らす
個人再生	裁判所の手続きを利用して借金総額を5分の1～10分の1程度に減額する
自己破産	裁判所の手続きを利用して借金の返済義務を全額免除してもらう

借入額や収入・資産の状況などに応じて適切な手続きを選択して行えば、借金問題は必ず解決できます。

闇金に手を出す前に、債務整理で借金問題を解決してしまいましょう。

まとめ

X（旧：Twitter）の個人間融資は、お金に困っている方にとってはありがたい存在に見えるかもしれませんが、実態は闇金であることがほとんどです。絶対に利用してはいけません。

もし、X（旧：Twitter）闇金と関わってしまった場合には、一人で闇金に立ち向かおうとせず、早めに弁護士・司法書士の力を借りて解決しましょう。