- 闇金は弱みにつけ込んだ違法取り立てをおこなう
- 支払わないと鬼電・鬼メールが1ヶ月以上続くことがある
- 闇金との交渉は自分でおこなわないこと
- すぐに取り立てを止めるには弁護士・司法書士に相談すること
闇金はお金を借りた利用者の支払いが滞ると、様々な悪質な取り立てをおこないます。しかも、その取り立て方法は違法行為をともなう手口ばかりです。
取り立てを受けたときは「怖い」「まずい」「どうなるか心配」などの気持ちが先立つものですが、冷静に対処することが重要です。
この記事では、闇金の違法取り立ての手口や対処方法についてご紹介します。「取り立てに苦しんでいる方」「今すぐ闇金と手を切りたい方」は参考になさってください。
闇金の取り立ては違法行為
闇金は貸金業の登録をおこなわず、法外な金利で貸付けをする存在自体が違法な業者です。
取り立て行為の規制についても、貸金業法第21条では、以下のように定められています。
- 人を圧迫したり、業務妨害となるような言動はしてはならない
- 不適当な時間に取り立てをしてはいけない
- 正当な理由なく債務者の勤務先や居宅以外の場所に連絡してはいけない
- 債務者以外に人に弁済請求してはいけない
しかしながら、闇金の取り立ては以下のように違法行為をともなったものです。
- 脅し・恫喝による取り立てをする
- 深夜・早朝に関係なく何度もしつこく電話・メールをする
- 勤務先や家族・親戚・知人に連絡をする
- 家族や債務者の関係者に代わりの返済を求める
闇金は取り立てにおいても法律違反を繰り返しています。このような違法業者が貸し付けたお金は借金に該当しませんので、返済する必要が無いということを覚えておきましょう。
闇金の違法取り立ての現在
かつての闇金の取り立てと言えば、今よりも苛烈で「脅す」「殴る」「物を壊す」などの直接的な暴力行為が当たり前におこなわれていました。
しかし、現在では取り立ての際に暴力行為をおこなうと即逮捕されます。
そのため、現在の闇金の取り立ては電話・メール・LINEを使っての言葉による暴力や脅し・恫喝が中心になりました。利用者の個人情報を使って巧妙に追い込んでいきます。
闇金は融資をする際に、「身分証明書」「職場の連絡先」「家族の連絡先」「家族の職場の連絡先」「友人の電話番号」などを提出させますが、これらの個人情報をフルに活用して違法取り立てをおこないます。
闇金の違法取り立ての手口
闇金はおとなしく支払いを続けていれば、利用者を攻撃したり危害を加えることはありません。しかし、支払いが遅れると態度を豹変させて厳しい取り立てをおこないます。
以下のような違法取立ての手口を用いて、何としてでも支払わせようとします。
朝晩関係なく鬼電・鬼メールをしてくる
闇金は、支払いが遅れた利用者に対して、まずは本人を追い込んでいきます。返済するようにプレッシャーをかけるため、朝から晩まで頻繁に電話・メールをします。
電話やメールで「返さないと殺すぞ」「人間のクズ」「他から借りてでも返せ」など、様々な脅し文句を使って返済を強要します。「いつまでに返済します」という回答をしない限り、この脅しはいつまでも続きます。
また電話に出ない場合、早朝から深夜まで1日100回以上もの電話取り立て、俗に言う「鬼電」をします。しかも、この鬼電は1ヶ月以上も続くことがあります。
このような鬼電による取り立てによって、精神的に追い詰められて、ストレスも尋常じゃなくかかります。闇金は返済するまでしつこく、電話による取り立てを繰り返しますので、我慢比べのような状態が続きます。
「これから家に取り立てに行くぞ!」と脅してくる
闇金は取り立ての際に様々な恫喝・暴言を吐きます。「殺すぞ」「夜道に気をつけろ」などは、怖がらせるための脅し文句としてよく使いますが、もっとも恐怖を植え付ける暴力的な言葉が「これから家に行くぞ」です。
「闇金が家に来たらどうしよう…」「何をされるかわからない…」ということから、利用者は何としてでも返済しようと、他の闇金から借りるなど金策をすることになります。
闇金は、その脅し文句の効果が分かっていますので、ここぞというときに、「家に取り立てに行くぞ」と言って、利用者を言いなりにしようとします。
※ネットで全国の利用者に貸付する闇金が多い現在では、実際に取り立てに来ることは稀です。しかし、近場の闇金に借りた場合は取り立てに来ることもあるので要注意です。
職場に電話をかけてくる
闇金に対して返済できないと言い訳したり、連絡を無視すると、職場に必ず電話をしてきます。「○○さんを電話口に出せ」「○○さんがお金を返さない」「会社が立て替えろ」など、しつこく電話をかけてきます。
職場に電話をされるのは、誰もが苦痛に感じます。「会社に迷惑をかけられない」「解雇されたくない」という心理をついて、闇金は返済するまで職場に電話をかけ続けます。
家族・親戚に電話をかけてくる
したたかな闇金は融資の際に緊急連絡先・保証人が必要などと言って、親や親戚の携帯番号や職場情報まで提出させます。
そして、返済が遅れた利用者に対して、家族・親戚への電話取り立てが効果的と見るや、一日に何度も電話をします。「息子に今すぐ払わせろ」「借金を肩代りしろ」など、暴言を浴びせます。
そこで親や兄弟が支払いの意思を示すと、勝手に保証人に仕立て上げて返済を強要します。
近所の人に辺り構わず電話してくる
闇金は返済させるためには手段を選ばず、近所の住民にまで電話をかけてくることがあります。利用者の住所をもとに、近所の住人や町会などの電話番号を調べて、辺り構わず電話します。
「○○が貸したお金を返さない」「○○が返済しないと毎日電話するぞ」などと脅すことで、近所の住民が利用者に対して、「闇金から連絡が来たよ」と伝えるように仕向けます。
近所づきあいがある人ならば、取り立てが近隣住民にまで及ぶと、何とか返済しないとまずいと考えるものです。それが闇金の手口です。
子どもの学校に電話してくる
利用者に子供がいる場合、「学校に連絡するぞ」「教師・担任に返済を迫るぞ」という脅し文句もよく使われます。そして、実際に電話して「校長が責任を取れ」「担任が肩代りしろ」など、理不尽な要求を突きつけます。
利用者にとっては子供の生活の場にまで影響が及ぶのは何としても避けたいものです。その心理につけ込んだ、最低な取り立て行為と言えるでしょう。
出前を届けたり・着払いで商品を送り付けてくる
頼んでもいない宅配ピザや寿司の出前が届いたり、買ってもいない商品が着払いで大量に送られてくるなど、闇金による「送り付け」の嫌がらせもよくある手口です。
また、「カミソリ」や「動物の死骸」を入れた郵便物を送り付けてくるという脅しもあります。
このように宅配物が相次いで送りつけられると、恐怖心とともに、精神的にまいってしまい、闇金の言うことに従ってしまうことになります。
救急車・消防車を呼ばれる
闇金は、返済させるために救急車や消防車を利用者の自宅に呼ぶことがあります。大音量のサイレンで救急車や消防車が自宅に来るようなことが相次ぐと、利用者にとっては大きな驚きでしょう。
しかし、しばらく経ったらそれがプレッシャーになります。闇金は返済させるためなら、このように救急車まで呼ぶことを平気でやるということに恐怖を感じるでしょう。
家に張り紙を貼られる
近場の闇金にお金を借りた場合、返済が遅れると家のドアや塀、隣近所の家に張り紙を貼ることがあります。闇金は、すぐに返済しないと「職場にも張り紙を貼るぞ」「実家に張り紙を貼るぞ」と脅してきます。
隣近所や職場にも迷惑をかけてしまい、そこには居づらくなるでしょう。
闇金と取引がある限り、返済が少しでも遅れると悪質な取り立てや嫌がらせは延々と続きます。支払いが厳しい場合、早期に弁護士・司法書士に相談して解決を図ることが大切です。
個人情報を晒される
闇金は「個人情報をネットにバラまくぞ」などと脅してくることもあります。実際に5chのような掲示板やTwitter(X)に名前や闇金にお金を借りていることを書かれたりするケースもあります。
このように実名や会社名を書いて、個人の信用を貶めるようなことを書き込むこともあります。
【闇金が個人情報を晒す例】
「○○市に住む○○は借りたお金を返さない男」
「○○は返すと言ったのに約束を守らない最低なヤツ」
「○○株式会社の○○課の○○は闇金に借り入れする多重債務者」
「○○は風俗で働いて闇金に多額の借金を抱えている女」
闇金はこれらの書き込みを本人に見せて、返済しなければ「もっと書き込むぞ!」と強要します。
一度ネット上に書かれた個人情報は、サイト管理者に削除を依頼しても簡単に消してくれません。実名や住所が書かれてしまうと、闇金にお金を借りていることが友人や職場にバレて立場を悪くしてしまうリスクがあります。
「個人情報を晒すぞ!」と闇金が脅してきたら、それはまんざら嘘ではなく、実際に書き込む可能性があります。脅されたら、できるだけ早く弁護士に相談して対処してもらうのが得策です。
闇金から取り立てされた時にやってはいけないこと
闇金は利用者にお金を支払わせるために、あの手この手を使って全力で取り立てようとします。相手も必死なので、取り立て時の応対の仕方を誤ると被害がさらに拡大します。
取り立て時に以下のようなことはやってはいけません。
電話・メールを無視すること
闇金は利用者が「支払いを拒まないか」「借り逃げをしないか」注意深く観察しています。
そのため、電話・メールを頻繁に送ってきますが、そこで電話に出なかったり、メールに返信しないと、お金を支払わない可能性があると思って、猛烈な取り立てを開始します。
鬼電・鬼メール、さらには職場や家族にまで取り立てが及びます。適当な受け答えをして、できるだけ闇金を刺激しないようにしましょう。
闇金の言うままに支払うこと
闇金は支払いが遅れている利用者に対して、「遅延損害金が発生した」「利息を上げるぞ」など、取り立て時に理不尽な要求をしてくることがあります。
その言い分に応じてお金を支払ってしまうと、相手の思うツボです。ますます要求は厳しくなってくるでしょう。闇金の金利は言い値ですが、不当な要求に対して、おとなしく支払ってはいけません。
自分で交渉して解決すること
闇金への返済が苦しくなって、自分で減額交渉、金利を下げる交渉をしても上手くいかないケースがほとんどです。闇金が個人の言い分を聞くことは稀であり、さらに逆上して無理難題を言いつけてくるのがおちです。
また、闇金に完済して取引を終了したいと思って、それを伝えても相手が受け入れないこともあります。逆に押し貸しをしてきたり、嫌がらせに遭うこともあります。
警察・弁護士・司法書士などの名前を出すこと
警察や弁護士・司法書士に相談しようと考えている人はついついそれらの専門家の名前を出してしましいますが、闇金にそれを伝えるのは逆効果です。
それらの専門家への相談を取りやめさせるために、あの手この手を使ってくることが予想されます。
闇金にとって天敵とも言える名前をだしたばかりに、怒って取り立てや嫌がらせをエスカレートさせてきます。また、取りっぱぐれにならないように回収を急いでくるので、何をしてくるかわかりません。
弁護士・司法書士への相談は内密におこなうことが必須です。
闇金の取り立てを今すぐ止めるための対処法
闇金の取り立てに悩まされている人は、自分で問題を抱え込まず、できるだけ早く専門家に相談して解決をすることが最善策です。
違法な取り立てを受けたら、以下のように対処しましょう。
身の危険を感じたら警察に行く
警察は市民の安全・治安を守るのが仕事です。そのため、闇金案件の場合、「被害者に身の危険がある」「闇金が組織的に違法行為をおこなっている」といった、明らかな証拠があれば、すぐに捜査に入ってくれます。
しかし、民事不介入の原則で、相手が闇金であっても、金銭トラブル事案と判断したら、とたんに腰が重くなります。
もしも、闇金の取り立てが厳しくなって、「本当に家に来るかもしれない…」「暴力を振るわれるかもしれない」といったケースなら警察も動く可能性がありますので、その場合は急いで相談してみましょう。
取り立てを今すぐ止めるなら弁護士・司法書士に依頼する
取り立てをすぐに止めたいならば、弁護士・司法書士という法律の専門家に相談するのが最短で解決できる方法です。
闇金に強い弁護士・司法書士ならば、依頼したその日に交渉に入ってくれます。依頼者の代理人なったことを告げて、一切の取立禁止・請求禁止を突きつけます。
闇金も刑事訴訟を起こされることを恐れて、やむなく従うケースがほとんどです。闇金問題で解決を急ぐならば、まずは弁護士・司法書士に相談することをおすすめします。
まとめ
闇金の取り立てで苦しんでいる方の多くは、相手の言うままに従って、金銭的にも精神的にもますます追い詰められることになります。
そうならないためには適切な対処により闇金被害を回避することが必要です。また、根本的に闇金との関係を断ち切るためには弁護士・司法書士に依頼をして、交渉に入ってもらうと良いでしょう。