- 2回目の闇金被害に遭ったときも、早期に弁護士へ相談することが重要である
- 弁護士に2回目の依頼を断られた場合には、その原因を解消する必要がある
- 闇金問題は弁護士・司法書士の力を借りて根本的に解決することが重要である
- 闇金と手を切るためには借金問題を全面的に解決することが有効である
闇金問題で弁護士・司法書士に依頼し、いったん取り立てがおさまっても、再び闇金に手を出して被害に遭ってしまうケースは珍しくありません。
このような状況に陥ると、「2回目の闇金被害でも弁護士・司法書士に依頼できるのだろうか」と不安になることでしょう。
結論として、2回目の闇金被害も弁護士・司法書士の力を借りて解決することは可能です。しかし根本的に解決するためには、いくつかの注意点もあります。
この記事では、繰り返し闇金被害に遭ってしまう原因や、2回目の闇金被害で根本的に解決するためにやるべきことなどについて解説します。
2回目の闇金被害でも弁護士・司法書士に依頼して解決できる
2回目の闇金被害でも、弁護士・司法書士に依頼することができます。
弁護士・司法書士へ依頼することに回数制限はありません。3回目でも4回目でも、依頼することを躊躇する必要はありません。
闇金問題を自力で解決することは困難ですので、困ったときは早めに弁護士・司法書士のような法律家のサポートを受けて、解決を目指した方がよいでしょう。
ただし、ときには法律の専門家に2回目の依頼を断られるケースもあるので、注意は必要です。
弁護士・司法書士に2回目の依頼を断られるケース
闇金問題で弁護士・司法書士に2回目の依頼を断られるのは、主に次のようなケースです。
前回の依頼費用が未払いとなっている
前回の依頼時に取り決めた費用を支払っていない場合、同じ弁護士・司法書士に相談しても、再度の依頼は断られる可能性が高いです。
弁護士・司法書士は依頼者から受け取る報酬によって事務所を運営しているのですから、未払いがあったお客は当然ながら利用不可になります。
闇金とのトラブルは緊急性が高い問題であるため、依頼費用の分割払いや後払いに応じている事務所も多いですが、これを逆手に取って解決後に費用を踏み倒す利用者もいるようです。
解決したからといって費用を不払いすることは厳に慎みましょう。
2回目の依頼を受け付けない方針の弁護士・司法書士に相談した
弁護士・司法書士の中には、次のような方針を打ち立てている人もいます。
- 同じ人からの闇金問題に関する依頼は1回限り
- 初回相談者でも闇金とのトラブルを繰り返している人からの依頼は受けない
これは、依頼を受ける以上は再発を防ぎ、根本的な解決を目指すというポリシーに基づくものです。
闇金とのトラブルを繰り返す人は、根本解決が難しく再発の恐れが強いと判断されてしまい、「依頼を受けても責任を持てない」という理由から依頼を断られてしまいます。
事務所の方針やアドバイスを聞かない
弁護士・司法書士に依頼する前には、まず法律相談で状況を説明し、解決方針に関する説明を受けることになります。
また、事務所が依頼を受ける(受任)する条件として、次のようなことアドバイスをされるのが一般的です。
- 闇金には1円たりとも返済しないこと
- 依頼後は円滑に連絡が取れるようにすること
- 新たな借金はしないこと
- 闇金との取引内容を正直に申告すること
有益なアドバイスを受けても、例えば、相談者が「元金だけは返済して解決したい」という意思を曲げず、弁護士・司法書士からのアドバイスを聞き入れないことがあります。
また、複数の闇金から借り入れしていることをひた隠しにするなど虚偽の申告をする相談者もいます。
そのような事務所の意向に反する言動が見られた場合、相談者とは信頼関係を築くことが困難であると判断して、弁護士・司法書士は依頼を断ります。
繰り返し闇金被害に遭ってしまう原因
2回目の闇金問題で弁護士・司法書士に依頼する以上は、根本的な解決を目指すべきです。そのためには、まず、繰り返し闇金被害に遭ってしまう原因を把握することが必要です。
1回目に闇金に強くない弁護士・司法書士に依頼してしまった
闇金は利用者が弁護士・司法書士に依頼した場合、交渉の際にその事務所がどれぐらい闇金への対処法に経験があるかを慎重に見極めようとします。
また、闇金は弁護士・司法書士と交渉する機会が多いため、どの事務所が手強いかを経験として把握しています。聞いたことが無い事務所相手なら当然ながら強気に出ます。
その際、よくあるトラブルが闇金との元金和解です。経験が乏しい弁護士・司法書士の中には、「元金を全額返済すれば取り立てがおさまるだろう」と考え、依頼者に元金和解を勧める事務所がありますが、これは悪手です。
闇金にとってみれば例え一部であってもお金を返済する相手は「カモ」です。弁護士・司法書士に依頼したことで、一旦は取立てが収まって解決したかに見えますが、ほとぼりが冷めた頃に必ず利息の取立てが再開されます。結局、困るのはそのような事務所に依頼した利用者です。
しかし闇金に強い弁護士・司法書士なら0円和解による解決を目指して妥協せず交渉をします。そして、ほとんどのケースで闇金は諦めて連絡してこなくなります。闇金問題で弁護士・司法書士選びは極めて重要なのです。
闇金からの勧誘に応じてしまう
一度、闇金に手を出すと、個人情報が流用されるため、さまざまな闇金からメール、SMS(ショートメッセージサービス)、LINEなどダイレクトメールにより勧誘されます。
1回目の闇金問題を解決した人でも、他の借金の返済に追われていたり、生活費に窮していたりすると、つい誘惑に負けてしまうケースがよくあります。
勧誘に応じてお金を借りてしまうと法外な利息を要求され、返せなければ執拗な取り立てを受けてしまい、2回目の闇金被害に巻き込まれてしまいます。
完済すれば解決できると甘く考えている
闇金からの借り入れは少額であることが多いため、すぐに返済すれば問題ないと考える人も多いです。
この考え方を断ち切れない人は、1度目の闇金被害を解決した後も懲りずに、「今度はすぐに返す」と考え、再び闇金に手を出すことになりかねません。
しかし、闇金は法外な利息を要求してくるため、そもそも完済することは困難です。返済金を用意したとしても、「完済手数料が別途かかる」など、さまざまな口実を付けられ、完済させてもらえないことも多々あります。
闇金に対しては、いくら返済しても解決にはつながらないと考えておきましょう。
借金癖を解消できていない
以前の闇金問題を適切に解決できていたとしても、そもそも本人の借金癖が改善されていなければ、再び借金をしてしまう可能性が高いでしょう。
ブラックリストに登録されていて、消費者金融や銀行カードローンなどを利用できないからといって、安易に闇金に手を出すことを繰り返しては、いつまで経っても借金地獄は終わりません。
根本的な闇金被害を解決するためには、借金癖を断ち切るという本人の努力が求められます。
闇金被害が2回目で根本解決するためにやるべきこと
2回目の闇金被害を受けたのなら、この機会に闇金問題を根本的に解決しましょう。そのためには、以下の3つのことに取り組む必要があります。
闇金への返済は拒否する
まず、闇金に対しては一切、返済しないことを決意してください。
出資法の上限金利を著しく上回る闇金の貸付は犯罪であり、民事上も不法原因給付に該当するため、元金・利息とも返済する義務はありません。このことは、最高裁判所に判例でも認められています。
闇金は、それを承知の上で、脅迫的な取り立てや悪質な嫌がらせなどで借主を追い込み、お金をむしり取ろうとします。真面目に返済しようとすると闇金から「カモ」と認定され、次に次にお金を要求されるため、金銭的な被害が悪化してしまいます。
ただし、闇金に対して返済を拒否すると、当然ながら厳しい取り立てを受けてしまいます。そのため、返済を拒否することと併せて、速やかに弁護士または司法書士によるサポートを受けることが重要です。
生活設計を見直して借金を止める
今後の闇金被害を防止するためには、借金することを止めなければなりません。
まずは家計の収支を見直し、使えるお金を増やすことを検討しましょう。家計簿を付けたり、レシートをチェックするなどして支出を管理すれば、多くの場合は出費を削減できることに気づくはずです。
可能であれば増収も図るなどして、生活設計全体を見直すことをおすすめします。
ギャンブル依存症や買い物依存症などで根深い借金癖がある場合は、依存症外来などを受診し、医学的な治療を受けた方がよいでしょう。
生活保護を受給することもひとつの選択肢となります。
闇金以外の借金は債務整理で全面的に解決する
闇金問題で悩む人の多くは、既に多重債務に陥っています。その場合は、闇金以外の借金問題を解決することが、根本解決に大きく役立ちます。
多重債務を自力で解消することが難しい場合には、債務整理が有効です。債務整理とは、法律に則った正当な手段で借金を減免し、経済的に生活を立て直すことが可能な救済制度です。
主な債務整理手続きとして、以下の3種類が挙げられます。状況に合った手続きを利用することで、闇金以外の借金は解決できます。
- 任意整理…債権者との直接交渉により、返済額を減らしたり、返済期限を延期したりする手続き
- 個人再生…裁判所に申し立てることにより、借金総額を5分の1~10分の1程度にまで減額する手続き
- 自己破産…裁判所に申し立てることにより、一定の条件の下に借金が全額免除される手続き
闇金からの借り入れは債務整理の対象にならないため、別途、対処が必要です。しかし、今後の闇金被害を防止するためにも、闇金以外の借金問題を解決しておくことは必須といえるでしょう。
闇金問題の根本解決は闇金に強い弁護士・司法書士へ相談を
闇金問題を根本的に解決するためには、闇金に強い弁護士・司法書士のサポートを受けることが大切です。
そこで、ここでは闇金に強い弁護士・司法書士の特徴と探し方をご紹介します。
闇金に強い弁護士・司法書士の特徴
闇金に強い弁護士・司法書士の主な特徴は、以下のとおりです。
- 闇金問題への対応実績が豊富にある
- 無料相談を受け付けている
- 相談日時は柔軟に対応してくれる
- 依頼を受ければ、すぐに動いてくれる
- 料金体系が明確で、適正な水準である
- 費用の分割払いや後払いに応じてくれる
以上のことに加えて、説明が分かりやすく話しやすいこと、ご自身と相性が合うという点も重要です。説明が分かりにくかったり、高圧的に対応したりする弁護士・司法書士に依頼するとストレスもたまりますので、避けた方が無難といえます。
闇金に強い弁護士・司法書士の探し方
闇金に強い弁護士・司法書士を探す際は、インターネットで調べるのがおすすめです。「闇金に強い弁護士・司法書士」といったキーワードで検索したり、闇金ランキングサイトをチェックしてみれば専門の事務所が紹介されています。
さまざまな事務所のホームページを閲覧し、闇金問題に関する実績や解説記事が豊富に掲載されている事務所の中から、気になる事務所をいくつかピックアップしてみましょう。
時間に多少余裕があれば、複数の事務所で無料相談を利用し、最も相性の合う弁護士・司法書士に依頼することが望ましいです。
闇金問題の解決は早めに弁護士・司法書士に依頼すること
闇金に強い弁護士を吟味して探したいところですが、闇金問題の解決は時間との勝負でもあります。先延ばしにしていると家族・知人・職場へ取立ての連絡が行き、経済面だけでなく生活面でも大きなダメージを受けることになります。
ですので、信頼できる弁護士、司法書士に巡り会ったら早めに依頼することが大切です。
1回目の闇金被害で依頼した弁護士・司法書士に再度、相談するのもよいですが、2回目の依頼を断られることもあるでしょう。その場合には、押し問答をしたりして時間を空費せず、速やかに別の事務所を探す方が得策となります。
まとめ
2回目の闇金被害でも、弁護士・司法書士に依頼して解決することは可能です。一人で抱え込んでいると闇金に追い込まれてしまい、深刻なダメージを受けるおそれがあるので、早めのご相談をおすすめします。
何度も闇金被害を繰り返さないためには、闇金以外の借金問題の解決も含めて、根本的な解決を図ることが重要です。
闇金に強い弁護士・司法書士は借金問題について全面的に対応してくれますので、早めに相談の上、根本解決を目指しましょう。