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闇金の元金和解に応じてはいけない!ゼロ和解で解決する方法について解説

今井 亨

監修今井 亨
/グリフィン法務事務所 代表

監修日:2022/03/17
グリフィン法務事務所は闇金や違法金融に注力する司法書士事務所です。闇金の解決実績は国内ではトップクラスです。

この記事でわかること
  • 闇金との和解はゼロ和解を目指すべきである
  • 元金和解での解決が得策なケースもある
  • 闇金との和解は専門の弁護士・司法書士に依頼するべきである

闇金から法外な利息を要求され返済できずに困っていると、相手が元金和解を提案してくることがあります。

元金和解とは、利息分は支払わず、借りた元金のみを返済して和解することをいいます。

しかし、元金を全額払ったとしても闇金問題は解決しない可能性が非常に高いので、安易に元金和解に応じるべきではありません。

この記事では、元金和解のリスク、ゼロ和解で解決する方法、また元金和解が得策なケースについても解説します。

闇金の元金和解とは

元金和解とは、文字通り、元金のみの返済で完済扱いとする和解のことをいいます。通常は元金に加えて利息の支払いが必要ですが、元金和解が成立すれば利息を支払う必要がなくなります。

闇金からお金を借りると、トサンやトゴといった法外な利息を要求されます。その利息を支払えずに困っていると、闇金業者から「元金を一括ですぐに支払えば終わりにしてやる」という和解案を提案してくることがあります。

借主にとっては、「これで最後なら払おう」と元金和解に応じたくなるでしょう。しかし、闇金業者の真の狙いは、元金和解を持ちかけておいて、さらに多くのお金を支払わせることにあります。

元金を全額支払っても、さまざまな請求を受け続ける可能性が非常に高いので、闇金との元金和解に応じてはいけません。

闇金の元金和解に応じてはいけない理由

闇金業者が元金和解を提案してくるときには、裏の目論見があるものです。

もしも闇金の言う通りに元金を返済すると、さらに以下のような被害を受けるケースがあります。

元金を払っても追加請求をされる

闇金業者は、元金和解を持ちかけて、元金を支払わせた後に、違約金や慰謝料などの名目を請求してくることがあります。

また、お金を振り込んだ後に「お金は届いていない」などと、嘘をつかれて、再び元金の支払いを要求してくることがあります。

闇金業者からの提案に乗って元金を返済すると「この客は脅したり、騙してもお金を支払う」と判断され、「カモ」と認定されてしまいます。

闇金業者は、カモに対して次々に理由をつけて請求してきますので、いつまで経っても関係を断つことができません。

和解しても押し貸しをされることがある

仮に完済して和解が成立したとしても、闇金はそう簡単に見込み客を逃しません。しつこく借り入れを迫ってきます。

借入を断った場合には、勝手にお金を振り込んで、元金・利息の返済を要求する「押し貸し」をしてくることがあります。

そのような押し貸しを受け入れてしまうと、関係解消することができず、闇金の罠から抜け出せなくなります。

他の闇金業者からの勧誘が来る

元金和解の後、その闇金からの支払い要求がなくなったとしても、他の闇金からの勧誘や押し貸しを受けることがあります。

闇金の顧客リストは、違法業者の間で売買されています。一度でも闇金を利用すると、さまざまな違法業者に個人情報が知れ渡ってしまいます。

また、闇金の中にはたくさんの系列店舗を持っている業者もいます。カモを逃さないために系列の闇金を使って勧誘・押し貸しをすることもよくあります。

そもそも闇金には元金を返済する必要はない

そもそも闇金のような違法金融に対しては、法律上、利息だけでなく元金も返済する必要はありません。

なぜなら、出資法で定められている上限金利(年109.5%)を超える金利で貸付を行うことは民法上の不法行為に当たるからです。

不法行為の加害者(貸主)が被害者(借主)に対して返済を請求することは、社会の倫理や道徳に反するため認められないとした最高裁判所の判例もあります(最高裁平成20年6月10日判決)。

そして、民法では「不法な原因でお金を貸した者はその返済を請求できない」と定められています。自ら不法な状態を作り出した者は、法律上の返還請求権を主張できないのです。

結論として、法律上、闇金業者の返済請求は認められず、借主は自主的に元金を返済する必要は一切ないということになります。

闇金とはゼロ和解をすべきである

ゼロ和解とは、元金も利息も一切払わずにゼロ円で和解することです。前述したように、闇金から借りたお金は法律上、支払う必要がないお金です。

そのため、闇金がいろいろな理由で請求を求めてきても、ゼロ和解を基本に交渉をおこなうべきです。

特に闇金との取引が長い場合は、すでにたくさんの利息を支払っており、元金以上の金額を支払っているでしょう。ですから、キャンセル料・慰謝料・示談金などの名目を請求されても、毅然として断る必要があります。

ゼロ和解するためには闇金に詳しい弁護士・司法書士に依頼すること

ゼロ和解を目指すためには、闇金に詳しい弁護士・司法書士に依頼することが重要です。

闇金との交渉に慣れていない事務所の場合、最初から闇金の言い分を受け入れてしまうケースがあります。さらには恫喝や嫌がらせに怯んでしまい、元金和解を受け入れてしまうこともあります。

一方で闇金に強い弁護士・司法書士ならば、日頃からそのような相手には慣れており、交渉のツボも知っていますので、一歩も引かずに対応してくれます。

それによって、ゼロ和解はもちろん、依頼者に有利な解決を勝ち取ってくれることを期待できます。

ただし闇金専門弁護士・司法書士も元金和解を提案するケースがある

闇金対応はゼロ和解が基本ですが、ただし、元金和解での解決を進めるほうが得策なケースもあります。

闇金専門弁護士・司法書士が元金和解を提案するケースがあることを理解しておきましょう。

厳しい取り立て・嫌がらせを防ぐため

悪質な闇金の場合、弁護士・司法書士が入って「ゼロ和解」を通達しても、職場や実家などへの嫌がらせを止めないことがあります。依頼人の被害の拡大を最小限にするための防衛策として、元金和解に応じることがあります。

元金・利息を返済していない

闇金に借りて、1回も元金・利息を払わずに弁護士・司法書士に依頼した場合、闇金側も「詐欺行為だ」と態度を硬化して一切交渉に応じないことがあります。

トラブルの長期化を避けるために元金和解を提案することがあります。

闇金との解決を急ぐ場合

依頼人が早期解決を希望する場合、弁護士・司法書士も元金和解を勧めるケースがあります。闇金も元金だけでも戻れば、すぐに和解に応じることが多いためです。

そのため早期解決の手段として元金和解が選択されることもあります。

まとめ

闇金問題の解決はゼロ和解が基本です。違法金融に借りたお金は法的に返済不要だからです。

しかしながら、取引期間、返済額、闇金の悪質度、さらには依頼人の事情などを加味して元金和解を選択するほうが得策なケースもあります。

個々のケースによって適切な解決方法は異なりますが、最適解を目指すためには、闇金に強い弁護士・司法書士に相談することが必要不可欠です。

そして、それら専門家に解決方針についてしっかり話しを聞いて、納得したうえで依頼することが必要です。

そのため、1社に決め打ちせず、いくつかの事務所に相談して自分に最も合う専門家を選ぶようにしましょう。