SEO施策とコンテンツマーケティングで企業が取り組むべき課題【2018年版】

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2016年末に起きた例のキュレーションメディアの問題によりSEOは良くも悪くも大きな注目を浴びました。その手法やモラルはさておき、SEO施策とコンテンツマーケティングを正しく導入すれば大きな成果が得られることは広く知られることになりました。

そうです。SEOは今もWEB集客において王道のマーケティング手法なのです。

そのSEOですが、近年では技術要素よりもコンテンツの重要性が増しており、どんな企業も本気で取り組めばWEB集客を拡大できるチャンスは広がっています。

今回は2017年のSEOの振り返りとともに2018年の展望を踏まえて、企業が本格的に取り組む際に「やってはいけないSEO施策」、「取り組むべきSEO施策」について解説していきます。初心者の方も理解できるように、テーマによっては過去のできごとをふまえ時系列な説明も加えました。

この記事は、2017年の増補版として2018年のSEO情報についても大きなトピックが入れば随時追加更新していきたいと思います。これから本格的にSEO施策、コンテンツマーケティングに取り組みたいとお考えのWEBマスターの方は参考にしていただければ幸いです。

Googleの品質ガイドラインを読み解く

Googleは国内の検索エンジンでは圧倒的なシェアを持ち今や敵なしです。高い検索精度と豊富な機能は他の検索エンジンにはないもので、Googleに変わる検索システムは当面出てこないでしょう。そのためYahooジャパンも独自のエンジン実装やBingの実装はあきらめ、2018年以降もしばらくはGoogleと契約延長すると思われます。

さて、SEO対策(検索エンジン最適化)イコールGoogle対策となっている今、あらためてGoogleの考え方というものを理解する必要があります。ウェブマスター向けガイドラインの重要なポイントをピックアップしました。

■基本方針
・検索エンジンではなく、ユーザーの利便性を最優先に考慮してページを作成する。
・ユーザーをだますようなことをしない。
・検索エンジンでの掲載位置を上げるための不正行為をしない。ランクを競っているサイトや Google 社員に対して自分が行った対策を説明するときに、やましい点がないかどうかが判断の目安です。その他にも、ユーザーにとって役立つかどうか、検索エンジンがなくても同じことをするかどうか、などのポイントを確認してみてください。
・どうすれば自分のウェブサイトが独自性や、価値、魅力のあるサイトといえるようになるかを考えてみる。同分野の他のサイトとの差別化を図ります。
ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)

この基本方針を整理すると「スパムSEO対策をしない」、「ユーザーの利便性を考えよう」、「他サイトと違う差別化したコンテンツをつくろう」という3点がポイントになります。

かつてスパムSEOが通用していた5年以上前には、この基本方針を読んでも「ピンとこない…」、「被リンク対策しないと検索で上がらない…」という声がよく聞かれました。

しかし、Googleの技術進歩は目ざましく、スパム対策のアルゴリズム(プログラム)は高度化されました。そして、この基本方針に書かれているように「魅力あるサイト」を評価できるアルゴリズムに改善されつつあります。

また、この基本方針とともに熟読すべきがGoogle検索エンジン最適化スターターガイドです。こちらは追って読んで頂くとして引き続き解説していきます。

SEO技術要素のチェックポイント

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SEO内部施策 – 内部最適化よりもコンテンツが重要?

SEOは技術要素よりもコンテンツが重視されるようになったことは冒頭でお話しましたが、実際にサイト内部の最適化に多少の不備があってもコンテンツの品質が良ければ検索で上がりやすくなっているのも事実です。

特にシンプルな構成でつくられたオウンドメディアやブログなどは、細かな内部施策はさほど気にせずとも良質なコンテンツ制作に注力することでSEOの成果は得られるでしょう。

しかし、企業サイトや商用サイトの中には複雑なサイト構造、カテゴリ構成のサイトもあります。大規模サイト特にページ数が1000ページを超えているようなサイトは、適切なナビゲーション、内部リンクの設置など、適切な内部施策をおこなうことでアクセスが大きく増えるケースも珍しくありません。ご自身のサイトで内部最適化が必要かあらためて見直してみるとよいでしょう。

【内部施策の参考ページ】:HTMLの文書構造の基本を守る(SEO内部対策1) – 第11回ヘビーメタルSEO

また、コンテンツ時代のSEO内部施策で注力すべきなのが記事のタイトル(Title)の付け方です。たとえ良質な記事であってもタイトルにキーワードが含まれていない、タイトルと本文の内容にミスマッチがあるなど誤った付け方をすると検索上位化できません。

また、タイトルはクリック率にも影響してきますので「難しい用語や表現は使わず」、ユーザーが直感的に「タイトルを見て何が得られるか」が分かるようなものが良いでしょう。

  1. 検索ユーザーの問題が解決するようなタイトルにする
  2. 記事に書かれた内容を訴求するタイトルにする
  3. タイトルに難しいワード・表現は使わない
  4. 狙うキーワードは1タイトルの中に一つを目安にする
【ポイント】

  • シンプルな構成のオウンドメディアなどは内部施策をさほど気にしなくても良い
  • 大規模サイト、複雑な構成のサイトには内部最適化は有効
  • 記事のタイトルの付け方に注力する

SEO外部施策 – 被リンクへの評価基準

SEOはコンテンツの重要性が増す中にあっても、従来と変わらず被リンクが重要な指標であることは変わりません。そのGoogleが評価する被リンクもこれまでと変わらず「同業サイトからのリンク」、「権威性が高いサイトからのリンク」が有効です。

また、このようにアンカーリンクの中に入っているワードが検索で上がりやすくなるのも変わりません。 例:SEO対策はホワイトベアー

このような解説をすると「じゃぁ、サテライトサイトを作って自演の被リンク対策をやろうか…」という声が聞こえてきそうです。ペナルティについては後ほど解説しますが、今のSEOでは自演の被リンク対策はリスクが高過ぎます。

同業サイトからの被リンクを得るためには、その人たちにとっても役立つような、「ツール」、「データベース」、「参考になるような1次情報」などのコンテンツをつくり、自然にリンクを増やしていくという考え方をもとにSEO施策を進めていくべきでしょう。

【ポイント】

  • 同業サイトからの被リンクは有効
  • オーソリティー(権威性)が高いサイトからの被リンクが有効
  • 自演の被リンク対策はしない
  • 同業サイトにとっても役立つコンテンツをつくり紹介してもらう

機械学習、RankBrainについて

Googleは、2015年頃より検索アルゴリズムに機械学習、RankBrain(ランクブレイン)を取り入れていることを公表しています。機械学習とは、AI(人工知能)がコンテンツ、被リンク、タイトル、クリック率、直帰率、エンゲージメントなどの学習を繰り返し、それをもとにサイトを評価するランキングアルゴリズムです。今後はその機械学習の結果がランキングの大きな要因になると予想されています。

機械学習と聞くと難解なアルゴリズムをイメージします。実際にさまざまなシグナルがありますが、サイトのユーザビリティ(導線、内部リンク、表示スピードなど)を高めて、コンテンツの品質を上げることは今までどおりです。また、被リンク(自然リンク)が重要指標であることも変わりません。

これまでと変わらずな対応と言えばそうなのですが、ただし今まで以上にサイト構成、コンテンツ設計、文章構成などRankBrainへの最適化が必用です。また、モバイルファーストというモバイルユーザーを意識した設計が同時に求められるようになります。

【ポイント】

  • ユーザー体験を高めるサイトにする(UI/UX)
  • 直帰率を減らすコンテンツを用意する
  • クリック率を上げるタイトルにする
  • ページの表示スピードを上げる(特にモバイル)
  • ブランディング(会社名、商品名)、エンゲージメント(愛着)を高める


https化の必要性

ここからはGoogleの新しい動きや取り組みとそれらへの対応方法について説明します。

相次ぐハッキングのトラブルに苦慮した、Google、YahooはともにWEBマスターに対してhttps化したセキュア(安全な)なサイトへの移行を推奨しています。

httpsとは、一般的にSSL通信と呼ばれますが、SSLやTLSというプロトコルでブラウザとWEBサーバーの間を暗号化して通信するというものです。サイトをhttps化することで通信内容を第三者(ハッカーなど)に傍受されることがなく安全な通信が可能になります。

Google Chromeでは、2017年に入ってhttps化済みのサイトは、ブラウザのアドレスバー(一番上のURLが表示される箇所)の左側に「保護された通信」という表示をするようになりました。

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*画像は上から「Google Chrome」、「Firefox」、「Internet Explorer」

このように検索エンジンまわりでサイトのhttps化の話題が増えていますが、現時点でのSEOへの影響はまだ少ないと考えられます。2018年に入ってからもGoogleは強くSSL化を推奨しています。

これから「https化していないサイトを利用するのは危険である」という考えが一般にも徐々に浸透してくることが予想されます。「ユーザビリティ」、「サイトの信頼性」という観点から対応を検討する必要がでてきます。

【ポイント】

  • https化が未対応でもSEOへの影響はまだ少ない
  • https化はサイトの信頼性のため必用になる
  • https化をGoogleは強く推奨している

気をつけたいのがSSL化の失敗です。SEOに詳しくないWEB制作会社にSSL化の作業を丸投げしたばかりに検索順位が落ちたという相談がよくあります。検索エンジンからは、httpsとhttpは別ドメインとして見られますので、全てのページに適切な切り替え作業がなされなかった場合には順位に影響することがあります。

SSL化で不安に思われたら当社にご相談下さい。

サイトの高速化、AMP化への対応について

表示スピードが遅いサイトにぶつかるとストレスがたまるものですが、Googleもユーザビリティの観点からサイトの表示スピードを検索ランキングの一つの指標にしています。しかし、明らかにページの読み込みが遅いサイトは別として、ごく普通の表示スピードが維持できていれば、現時点では検索順位への影響はさほど大きくありません。

しかし、Googleはモバイルサイトに関するあらたな方針を次々と打ち出しており、モバイルはPC以上に表示スピードがユーザビリティに影響します。そのため、読み込みが遅いと直帰率も増えますので必用な最適化はおこなうべきです。

もし自社サイトのスピードが気になるようであればPageSpeed Insightsでテストをおこない、結果に応じてファイルを圧縮するなど最適化することで問題解決するでしょう。

また、今後は表示スピードが検索ランキングを決める重要指標になる可能性があります。その一つのシグナルとして話題になっているのが「AMP(アクセラレーテッド・モバイル・ページ)」というモバイルサイトの爆速化への取り組みです。

AMPはGoogleや大手メディアが参加し研究をおこなっているオープンソースのプロジェクトで、HTMLをAMP化すれば誰もがWEBサイトを爆速にすることができます。現時点で対応するメリットとしては、検索結果にAMPマーク(稲妻マーク)が表示され他の結果と差別化されます。また、Google検索のトップニュースのカルーセル(ヘッダーに表示)に表示される可能性があります。

最近はワードプレスなどもAMPに対応しているテーマが増えてきています。静かに盛り上がってきている感はありますが、現時点ではAMPサイトがSEOに有利ということはありません。WEBサイトのAMP化はそれなりに工数もコストもかかります。また、このプロジェクト自体が停止することもあり得ますので導入するかはもう少し動きを見てからでも遅くはないでしょう。

【ポイント】

  • 表示スピードはSEOの一つの指標であるが普通の表示スピードなら問題ない
  • 表示スピードはモバイルに特に配慮すべきである
  • AMP化は今すぐ対応しなくても問題ない

モバイルファーストインデックスについて

2016年10月に遂にというか大きな発表がありました。それがGoogleが2017年内に導入するモバイルファーストインデックスという、モバイルアルゴリズムを標準にする取り組みです。

そして、ようやく2018年3月27日にモバイルファーストインデックスは開始されました。

この流れにいたるまでを順を追って説明すると、Googleはモバイル検索数がPC検索数を上回ったことを受けて、2015年4月にモバイルフレンドリーアップデートというサイトのスマホ化の有無をモバイル検索のランキング要因にするアルゴリズムをリリースしました。このときはPCサイトもそのままモバイル検索で上位表示されるなど大きな変動は見られず肩透かしを食った感がありました。それから2016年5月にはモバイルフレンドリーを強化するアルゴリズムを導入し、その結果、現在ではモバイル検索の約85%ほどがモバイルフレンドリー化されたサイトになっています。

Googleの検索アルゴリズムは、今もデスクトップ版(PC版)のアルゴリズムがモバイル検索にも使われていますが、モバイルファーストインデックスでは、新たにリリースされるモバイル版のアルゴリズムが標準となりPC版にもそれが採用されるようになります。いわゆる逆転現象になるのです。

ここで気になるのはそのアルゴリズムがどのようなもので、PCサイトの評価はどうなるのかという問題です。詳細はまだ分かっていませんが、現時点ではレスポンシブデザイン(PCとモバイルが同一コンテンツ)であれば特に今の段階で対応することは無いと言われています。PCサイトの評価もそのまま引き継がれるということですので、モバイルファーストのリリース後もPCの検索結果は大きな変動は無いと考えられます。

しかし「モバイルサイトを独自に運用している」、「モバイルユーザビリティを考慮しテキスト量を減らしている」など、モバイル向けに独自のカスタマイズをしているサイトは検索順位が落ちる可能性もあるので要注意です。

また、できるだけ早期に改善すべきはスマホサイトのユーザビリティです。文字サイズ、画像サイズなどのデザイン面はもとより、検索ユーザーが目的のコンテンツに素早くアクセスできるようなカテゴリ設計や導線、直帰率を減らすコンテンツ設計が必用です。今後、検索ランキングに影響してくるポイントですので、このタイミングでモバイルサイトのユーザビリティをチェックしてみましょう。

【ポイント】

  • スマホサイトがなければ作る
  • レスポンシブなサイトがベター(PC、モバイル同一コンテンツ)
  • PCの被リンクなどはそのまま評価が受け継がれる
  • モバイルサイトのユーザビリティの向上

Googleペナルティの現在地

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手動ペナルティ(被リンクスパム、実質のないコンテンツ)について

Googleペナルティについては、当ブログでもこれまでたくさん書いてきました。ここであらためて書くか迷いましたが、最近またペナルティを受けるサイトが増えており、有料リンク業者も減っていません。Googleペナルティのリスクを知らない人もいますので、最近の事例含めその危険性について解説します。

Googleは2012年から自演の被リンク対策をしているサイトに対して「手動ペナルティ」による取り締りの強化を始めました。手動ペナルティとは、Googleの担当者がスパム行為をおこなっているサイトを目視で確認し、WEBマスターに対して(サーチコンソールを介して)違反を通知するメールを送るものです。このペナルティが解除されなければいくらSEO施策をおこなっても検索順位は回復しません。

ここ2年ほどは手動ペナルティはやや落ち着いている感がありますが、かと言ってそれが無くなったわけではなく、2017年に入っても当サイトには定期的に相談がよせられます。ケースとしては、過去に購入した有料リンクでペナルティを受けたり、1週間前に自演の被リンク対策をおこなって2,3日に後に手動ペナルティを受けたという事例もあります。

手動ペナルティを解除するためには、スパムリンクを削除する、どうしても削除できなければ否認するという方法が必用で、対応後はGoogleに再審査を申請してその結果を待つことになります。ペナルティ解除は専門家でなければ対応できないケースもあります。

また、手動ペナルティは被リンクだけではなく、コンテンツに関するものもあります。自動生成によるページ増加、広告への誘導ページ、実質のないコンテンツ(中身が薄い)も検索ユーザーの利便性を妨げるとして手動ペナルティを受ける可能性があります。

【ポイント】

  • 自演の被リンク対策はおこなわない、被リンク業者から購入しない
  • 自演の被リンクが残っていたら精査をおこない削除していく
  • 広告リンクには「no follow」タグを設置してもらう。それができなければリンクを否認する
  • 他サイトのコンテンツを無闇に引用しない。引用する際には引用タグを入れる
  • 類似したページを作らない
  • 検索ユーザーに役立たない(情報がない)ページを作らない

ペンギンアップデート

手動ペナルティとは別に被リンクスパムを取り締まるアルゴリズムに「ペンギンアップデート」というものがあります。ペンギンアップデートは、手動ペナルティと違ってWEBマスターには何も通知せずに順位を落とすアルゴリズムのため、原因が分かりにくいのが特徴です。ペンギンは2016年から自動化され、今でも多いときには月に約1~3回ほどリリースされています。

そのためペンギンアップデートにひっかかり検索順位を大きく落とすサイトは今も頻繁に見られます。もしペンギンにより順位が落ちたら、手動ペナルティ同様に、スパムリンクの削除あるいは否認が必用になりますが、その後はGoogleに報告する必用はありません。

自動のアップデートですので対策をおこなった後にはGoogleから合否の判定などの通知は来ませんので、自身で順位変動を確認して解除できたかを確認しなくてはなりません。

また、解除できたとしても順位が戻る保証はありません。むしろ、リンクを削除したことでサイトがフラットな状態に戻るため、新たにコンテンツ施策などをおこないSEOを再度強化していく必用があります。

【ポイント】

  • 急な順位下落はペンギンアップデートの可能性あり(手動ペナルティでなければ)
  • Googleからのメールはなし、リンク削除後に報告の必用もなし
  • 被リンク削除、否認後はリンクパワーが無くなるため、あらたなSEO施策が必用

パンダアップデート

パンダアップデートはコンテンツの重複を取り締まるGoogleのペナルティアルゴリズムです。いわゆる「他サイトのコピペ」、「記事内容の類似」、「自サイト内に同じ内容のページがある」などが取り締まりの対象となります。パンダアップデートも2014年にアルゴリズムは自動化されましたが今もアップデートは定期的におこなわれています。

パンダアップデートの取り締まりはある程度一巡したせいもあり、パンダが原因で順位が大幅に下落したという企業サイトの事案は少なくなりました。それでもページの自動生成システムがあるサイトが複製ページの増加によりペナルティを受けたり、アフィリエイターの中には参考サイトを参考にし過ぎて重複判定を受けるケースなどが見られます。

重複、無断転用をしてパンダにより順位が落ちたサイトは、これを改善しない限り検索上位化できません。被リンクスパム対策はやってないのに順位が落ちたままで検索で上がらないサイトは重複コンテンツがないか調べる必要があります。

【ポイント】

  • 他サイトからコンテンツの無断転用はしない
  • 重複とみなされるコンテンツは作らない
  • 自動生成される類似ページをインデックスしない

医療アップデート

2016年末に起きた”キューレーションメディア”の問題は「不適切な医療情報を検索上位化させている検索エンジンにも問題がある…」との意見がネット上で噴出し、その批判の矛先はGoogleに向けられました。

そのためGoogleは2017年に入って、通称「医療アップデート」と言われる医療関連向けのアップデートをリリースしました。これは、人の生死に関わるような「健康」「医療」「医薬品」に関する不確かな情報を上位表示させないという主旨のアップデートです。

具体的なアップデートの標的は中小規模の「医療関連メディア(アフィリエイトサイト)」「海外医薬品の輸入代行サイト」などです。不確かな医療情報サイトや違法な医薬品ECサイトが検索結果で上位表示されなくなることに関しては異論ありません。

しかし、困ったことに、この医療アップデートは上記のようなサイトだけでなく「中小・零細のクリニック」のサイトにも影響を与えてしまっていることです。つまり医師のサイトであるのに順位を落とされるケースが見られることです。

代わりに検索上位化されたのは「学会」「大手病院」「大手の医療メディア」などです。つまりGoogleは「不確かな情報」の反動から、今度は「権威性の高さ」を重視するようになったのです。医療従事者の中には自身のブログなどで熱心に情報発信している方もいますので、これはこれで公平性という観点から問題があると思われます。

当社では中小規模のクリニック様の検索順位のリカバリーにも取り組んでおります。お困りの医療機関の方はお気軽にご相談下さい。

コンテンツ設計の考え方

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コンテンツマーケティングの目的を明確化する

コンテンツマーケティングは、WEBコンテンツを介して潜在顧客とのコミュニケーションに有効な手段であるとして、ここ2,3年ほどの間に多くの企業が導入を始めています。コンテンツマーケティングの導入目的は、「ブランディング」、「潜在顧客のメールアドレスを集める」、「成約・販売の向上」などさまざまですが、SEO目的という企業も多くみられます。

コンテンツマーケティングやオウンドメディアを運営している企業の中には「目的の明確化」、「コンセプトの明確化」、「手段の明確化」がなされてないばかりに成果が出ていないケースが見られます。コンテンツマーケティングで求める成果は「ブランディング」なのか「SEO」なのかをでは取るべき戦略は変わりますし、成果地点もまったく別物です。一石二鳥を狙おうという考え方もありますが、最初に目的をどこに設定するかが重要です。

また、コンテンツマーケティングは始めたからと言ってすぐに成果が出るものではありません。そのため、目的、成果地点、コスト(人、予算)、期間などKPIを明確にした上でスタートすることが必要で、これがブレずに続けることができるかのポイントです。

また、この方法で間違ってないと判断したらやり続ける意志、覚悟、情熱というものが何より求められます。

【ポイント】

  • コンテンツマーケティングの目的を明確にする
  • 予算、コストの計画をはっきりする
  • やり続ける覚悟と情熱が必用

コンテンツづくりの考え方

冒頭のGoogleの基本方針には、コンテンツづくりにおける「ユーザーの利便性」、「差別化」という2つの重要性について語られていますが、この利便性が高く、差別化されたコンテンツをつくることこそ悩みどころだというWEBマスターも少なくないと思います。

利便性と差別化のためには、他サイトからの寄せ集め(切り貼り)となるようなコンテンツはNGで、独自のデータ、経験、取材、オピニオンなどによるコンテンツづくりが必要です。このように徹底した「利便性」、「差別化」されたコンテンツがつくれればベストですが、そればかりを追求すると「アイデアレベル」、「予算の問題」で行き詰まることも多いため、現実的な考え方を採用するのも一つの方法です。

例えば、「差別化」に関しては検索で10位以内にランクインしているライバルページをそれぞれ検証し「そこにはない情報」のコンテンツを企画する。「そこに書かれていない要素」を入れる。

また「利便性」に関してはランクインしているページよりも、「さらに深い情報」、「より良い問題解決」そして「丁寧で分かりやすい説明」を意識することで、検索に強いページができて競争力をアップすることができます。

【ポイント】

  • ユーザーの利便性を追求する
  • 差別化、独自性を追求する
  • 10位以内にランクインしているコンテンツを検証する

キーワード設計 – 検索ユーザーを分析する

コンテンツマーケティング戦略においてキーワード設計はもっとも重要な施策の一つです。

キーワード設計はその目的が「ブランディング」か「SEO」なのかで選択はすべきキーワードは異なります。ブランディングであれば、広くビッグキーワードを狙っていき認知度アップ、ファン化の促進などに重点が置かれるでしょう。しかし、SEOであればリアルに成約につながるキーワード群を中心に抽出していくことになります。

まずはGoogleキーワードプランナーからターゲットキーワードを抽出していきますが、それぞれのキーワードの「月間検索数」さらに「ペルソナ(ユーザー像)」、「ユーザーの検索目的」、「ユーザーの欲求深度」、「検索行動」を記した一覧表をつくりランク付けをおこなっていくと分かりやすいでしょう。

注意したいのが検索ボリュームです。せっかく検索で上位化できてもアクセスが少なければ成約率が上がりません。一般的に月間検索数が1000を超えるキーワードなら10位以内にランクインすれば毎日それなりなアクセス数が見込めます。しかし、月間検索数が100未満であれば、月に数アクセスしかこないケースもあります。

月間検索数が多く成約が見込めるキーワードは当然ライバルも多くなりますが、ミドルキーワード以上でのランクインを狙っていかなければSEOでの目覚ましい成果は期待出せませんので、覚悟を決めてコンテンツ施策に落とし込んでいく必用があります。

【ポイント】

  • まずは成約につながるキーワードを中心に抽出する
  • キーワードとそれを検索するユーザーを分析しコンテンツ設計に落とし込む
  • SEOで成果を出すためにはミドルキーワード以上を狙う
  • 月間検索数が100以下ならアクセスがほとんどないケースがある

コンテンツSEOの考え方

検索ユーザーは入力する検索キーワードを通して必用な情報を探しています。その検索キーワードに対して最適な情報を提供するコンテンツが検索ライクなコンテンツです。「ユーザーは誰か」、「検索目的は何か」、「どのような状況で検索するのか」、「検索後にどのような行動を取るかなど」を考えてコンテンツ設計するとよいでしょう。

「検索エンジンを意識しすぎずユーザーに向けた良質なコンテンツを提供しよう」とはよく言われます。確かにその通りではありますが、一方で「検索エンジンが評価する記事」、「検索ランキングで10位内に入るためのコンテンツ設計」という現実的なコンテンツ施策もSEOで成果を出すためには必用なポイントと言えます。

また、SEOでその分野のトップを目指すなら、WEBサイトに情報の網羅性というものが求められます。そのサイトにアクセスすれば問題がワンストップで解決できるという情報量を多くするという考え方です。情報の質、量に優れたサイトはユーザービリティが高いということでGoogleも評価します。ですので、用語集など成約に結びつきにくい「捨てコンテンツ」と言えるようなものもSEOを考えた時には用意する必要があります。

例えば、超レッドオーシャンな「不動産」、「求人」などの分野では、WEBマスターはSEOで有利な状況をつくるために毎日さまざまなコンテンツを企画していることでも分かります。

【ポイント】

  • 検索ユーザーのことを考えたコンテンツ設計
  • ランキングで10位以内を目指すコンテンツ設計
  • 情報の網羅性を考えたコンテンツ設計

SEOコンテンツのトレンド – 記事の長文化は有効か?

2,3年ほど前からWEBサイト、オウンドメディアで長文記事をよく見かけるようになりました。長文記事はSEOに有効であると考えるWEBマスターが増えたせいか長文記事はコンテンツマーケティングのトレンドと言えるかもしれません。

しかし、記事が長ければ必ずしもSEOに有効かというとそうとも言えません。1万文字以上のコンテンツでも「内容に乏しい」、「他サイトの類似」、「適切な解答がない」などにより、検索上位化できていないページはたくさん存在します。これではまさに「骨折り損のくたびれ儲け」です。

長文記事を構成する場合には、「そのテーマに対して文章構成が長くなる必然性(必用な情報、解決法など)」があるかどうかを考えなくてはなりません。必然性がないの長文化するとただの情報の詰め込みページになります。無理に文章を書き足したばかりに、サイト内に重複コンテンツが生まれるリスクもあります。記事の長さという手段だけにとらわれると「ピンぼけ」した無駄に長い記事になる可能性がありますので要注意です。

あくまで「検索ユーザーが探している情報」に対して「適切な解答を用意する」。他サイトにない独自性を加味するということを意識する必用があります。もちろん、テーマに沿ってユーザーが必用な情報を整理して書いていくうちに結果的に長文になったという記事なら問題ありません。

【ポイント】

  • SEOを考えたときに必ずしも長文である必要はない
  • 長文化はする際には重複コンテンツにならないように注意する
  • 無理に長文化するとピンぼけした記事になるケースがある

ちなみにこのブログ記事は1万文字を超えていますが、2017年に必用なSEO情報の考え方を伝えるために書いていたら結果的に長くなってしまいました。それでも、まだ書き足りませんが…。

自然リンクの獲得 – ソーシャル、PRを活用する

前述しましたが、Googleは今もランキングを決める要因として被リンクを重視しています。しかし、自演の被リンク対策が難しくなった今、別な方法でリンクを獲得する必用があります。そのために意識すべきが自然リンク(ナチュラルリンク)の獲得です。

自然リンクとは、さまざまなWEBサイトにリンクが貼られることですが、それがGoogleに被リンクとしてカウントされることでSEOに有効となります。(そのリンクに「no followタグ」が付いていれば無効)

【自然リンク調査に便利なページ】:「コンテンツマーケティング」ブームだからこそ重要な1つの指標、被リンク(外部リンク)を調べる方法

例えば「個性的で役立つコンテンツ」、「驚きや発見があるコンテンツ」は大手のWEBメディア、ニュースサイトなどが注目し紹介してくれます。それを見たユーザーがソーシャルでシェアしたり、ブログで紹介したりすれば、ネット上で拡散が広がりさまざまなWEBサイトにリンクが貼られます。人気コンテンツのSNSのシェア数を見て驚くことがありますが、それだけ注目を浴びるとネット上で拡散されるということです。

ただし良いコンテンツをつくっても自然に拡散されないケースがあります。その場合には「自らの力でアテンションを集めてリンクを釣る(リンクベイト)」という考え方が求められます。具体的には、キャンペーン広告をおこなう、ソーシャルメディアに広告を出す、プレスリリースを配信するなどが有効です。

特にオススメしたいのがプレスリリースです。当社では多くの実績がありますが、大手メディアに配信されるのはもちろん、有益な情報であれば専門メディアも紹介してくれますし、テレビから取材を受けるケースもあります。自然リンク効果、PR効果を考えると非常に費用対効果が高い施策と言えるでしょう。

米国に「アテンションマーケティング」という考え方があります。情報過多の現代では、関心、注目を集めるマーケティング戦略をおこなうべきというPR的な考え方ですが、コンテンツマーケティング・SEO施策においても関心を集めるためのコンテンツ施策は重要です。

【ポイント】

  • 有益なコンテンツは自然に拡散される
  • 利便、驚き、発見のあるコンテンツをつくる
  • 自力の拡散にはソーシャル広告、プレスリリースが有効

記事の更新頻度 – 中・長期的な計画と情熱

コンテンツは量より質なのは間違いありませんが、記事の更新頻度をあげるという考え方も同時に重要です。新しい情報をつねに更新しているとGoogleのクローラーはそのサイトに頻繁に訪問しページインデックスしてくれます。重要なサイトとみなされてGoogleからの評価も高まります。

もしライバルサイトが有益な記事を毎日配信しているようなら半年後には大きく水を空けられる可能性があります。あなたのWEBサイトも競合にSEOで負けたくなければライバル以上のコンテンツ施策をおこなうべきでしょう。

例のキュレーションメディアは7000文字もの記事を1日に100本アップするということをKPI(重要業績評価指標)にしていました。常識では考えられないコンテンツ施策ですが、結果として多くのページが検索上位化を実現していました。

Googleも言ってますが、リアルな場でも繁盛店はよい商品、鮮度のいい商品で溢れています。これをWEBサイトに置き換えると、情報が古いままのWEBサイトよりも、最新の情報をつねにユーザーに提供しているサイトのほうがユーザビリティに溢れているサイトだと評価されるのは間違いありません。

コンテンツ時代のSEOでは、WEBサイト運営者が本気でコンテンツ施策に取り組まなければ目覚ましい成果は出せません。

【ポイント】

  • 検索ユーザーの悩みに応える良質な記事を作成する
  • 更新頻度を増やす
  • 情報の鮮度にこだわる
  • 情熱を持って取り組む

サイトリニューアル – SEOで大きな成果を出すために有効な施策

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当社には良質なコンテンツを適宜投入しているにも関わらずSEOで成果が出ないという相談があります。原因としてサイト内部、被リンクに問題があるケースもありますが、そもそもサイト構造、サイト構成の問題により「検索で上げたいキーワードが上がらない…」、「違うキーワードが上がるなど…」検索エンジンに正しく認識されていないケースがあります。

このような場合には、サイト内部施策、コンテンツ設計の見直しという対処療法ではなく、サイト全体を検索エンジン最適化させるためにWEBサイトをリニューアルしたほうが有効なケースがあります。

リニューアルする際には、ユーザービリティ(UI/UX)の改善を最も重視すべきですが、そこにSEO設計、コンテンツ設計含めて最新の情報にアップデートすることでユーザエクスペリエンス(体験)の向上につながります。つまりサイト全体がSEOに強いサイトに生まれ変わるということです。

米国で生まれたWEBマーケティングに「グロースドリブンデザイン」という考え方ありますが、これはWEBサイトの問題点を検証・解析しROIを高めるために約2年ごとにリニューアルをおこない成長させようというものです。この考え方はSEOにも通じます。「デザインの刷新」、「コンテンツ設計の改善」、「導線の改善」などユーザー体験の向上はSEOの成功にもつながります。

【ポイント】

  • SEOで成果が出ない原因は「サイト構造」「サイト構成」に問題があるかも
  • リニューアルによりユーザー体験を向上させる
  • リニューアルはSEOに有効な手段である

まとめ

2017年にリリース予定だった「モバイルファーストインデックス(MFI)」という今後のSEOの動向を左右する重要なアルゴリズムのリリースは2018年に持ち越されました。今年は正式にMFIがリリースされると思われますが、これまでのPCをベースにしたアルゴリズムから何がどのように変わるのか?Googleからの情報を待ちたいと思います。

いずれにしてもGoogleはこのような大きなアルゴリズム変更の際には、拙速な変化はWEBマスターを混乱させるとして、緩やかに変化を進めていくことは間違いありません。ですので、いまSEOで取り組むべきことは「コンテンツの品質向上」「自然リンクの獲得」などやるべきことはこれまでどおりです。

Googleの検索技術の進化は止まりませんので、これからもさまざまな変化への対応を求められることでしょう。変化への対応は苦しみを伴いますが、その「変化を楽しむ」「より良いWEBサービスをつくっていく」というポジティブな考え方がこれからのSEOの取り組みでは求められます。

ホワイトベアーは、SEO、コンテンツマーケティングに「本気で取り組みたい」「大きな成果を出したい」という企業様に対して情熱を持って支援します。お気軽にご相談ください。