変化が激しい昨今のSEOトレンドですが2015年も様々な動きがありました。
Googleのアルゴリズムにもいくつかの大きな変化が見られると共にこれから大波が来そうなシグナルもありました。
そこで、今回は2015年に起きたSEOトレンド動向とこれからの変化についてまとめました。
コンテンツマーケティングの隆盛
2015年のSEOの大きな潮流として忘れてならないのがコンテンツマーケティングの隆盛です。メディアも盛んに取り上げ大きな注目を集めるキーワードとなりました。いよいよコンテンツマーケティングが普及期に入った年が2015年だったと言えるのではないでしょうか。
また、SEOはコンテンツが重要であるという文脈からいろんなプレイヤーのSEOビジネスへの参入が目立った年でもありました。(コンテンツマーケティング会社、ソーシャル・マーケティング会社、プロブロガー、クラウドコンテンツサービス会社など)
しかし、SEOの本質的な技術・サービスが提供できているのか疑問な会社も多く、また粗悪なテキスト記事をSEOに利くとして販売している会社もありますので注意して欲しいものです。
まぁ、いずれにしてもコンテンツマーケティングを本格的に導入している企業は、まだまだ大企業や先進企業が中心ですが、2016年以降はさらに広く浸透していくものと考えられます。
SEO視点のコンテンツマーケティング注意点
コンテンツマーケティングとは、読んで字のごとしで“コンテンツによりマーケティング”行為をおこなうことです。ですので、安易に考えた運用では上手く行きません。大袈裟に言うと、その会社(個人)が持つ哲学、技術、知識、経験、価値などをどこまでWebコンテンツに昇華できるかが肝になります。
そして、どこで差別化を図るか、どこでオリジナリティを出せるかが成功するコンテンツマーケティングの第一歩であり、先行者の二番煎じとならないようなユーザーライクなコンテンツ(サイト)創りが望まれます。
また、コンテンツSEOの観点で言うなら、コンテンツ品質が重要な要素なのは間違いありませんが、良質なコンテンツ(記事)だけを量産すれば良いかと言うとそれは違います。
SEOはあくまで検索集客における技術・マーケティングの集積です。キーワード設計、Title・meta設計、サイト内部最適化、コンテンツ解析、アクセス解析、さらにUIの改善などを繰り返す(PDCA)ことにより高い効果が出てくるものなのです。
ただコンテンツを増やせばいいという考え方は、ただ被リンクを増やせばいいという昔のSEO的な考えと同じだということを忘れてはいけません。
モバイルフレンドリー
今年のSEOに関連するニュースで大きな話題となったものの一つに4月21日に更新された「モバイルフレンドリー」があげられます。
モバイルフレンドリーとは、Googleがスマホ用にモバイル最適化できているサイトのランキング評価を上げるというアルゴリズムです。(最適化できていなければ当然順位が落ちる)
このアルゴリズムの導入をGoogleが発表したのが2月27日でした。読者の方の中には、モバイル(スマホ)の検索順位が落ちたら一大事ということで急いでスマホサイトを作られた方も多かったのではないでしょうか。
しかし、このモバイルフレンドリーが更新された後も大きな変動はあまり見られず肩透かしを食った感がありました。(スマホ非対応でも順位が落ちていないサイトがたくさんある…)
そのため、このモバイルフレンドリーで潤ったのはWeb制作会社だけだった?というようなオチになりました。。
モバイルフレンドリーは2016年から本格化する
しかし、2015年のモバイルフレンドリーはあくまで序章です。2016年はこのモバイルフレンドリーの動きが加速しそうです。
検索ユーザーはPCよりも携帯端末からが多い今日において、Googleはモバイル体験を向上させると明言しています。
これからは、スマホ用にレスポンシブ対応してモバイルフレンドリーテストをクリアしたらからと言って安心できません。今後はよりモバイルユーザーライクなコンテンツ、デザイン、表示スピード、SEOが求められるようになるでしょう。
モバイルフレンドリーは2016年のSEOで最も注視していかなくてはいけないポイントと言えるかもしれません。
Googleスパム対策
Googleのスパム対策についても言及しておきます。
2015年のGoogleスパム対策は比較的平穏なものだったと言えます。ペナルティ解除サービスを提供している私たちのもとにも、手動ペナルティなどの相談はそれなりにあったものの、昨年と比べてペナルティに関する相談件数は大きく減りました。
そんな中で今年のスパム対策で大きなトピックと言えば、7月のパンダアップデート4.2の更新でしたが、こちらの影響は限定的だった印象です。また、年内に更新すると発表されていたペンギンアップデート4.0も結局は年明けの更新に延長されました。
しかし、ペンギンアップデート4.0からはリアルタイム更新になるということです。これまでと違って頻繁にアップデートがおこなわれる可能性が高くなります。
今も自演の被リンク対策をおこなっていたり、過去におこなっていたけどペナルティを受けてないサイトは要注意です。ご自身のサイトの被リンク調査をお勧めします。
また、Googleはページランクを操作する自演の被リンクスパムを厳しく取り締まると言ってる割には、まだまだブラックハットなSEOが蔓延っています。
2016年の初頭?に更新予定のペンギンアップデート含め、来年はGoogleがどこまでスパム対策を本気で取り締まるか興味は尽きません。
その他のGoogleの動き
その他の大きなトピックとしてはモバイル関連が目立ちました。それほどGoogleはモバイル検索の向上を図っていることが分かります。
スマホが普及し始めた後もGoogle検索はPCとスマホが同じ検索結果という状況が長らく続きましたが、その遅れを取り戻すかのようにモバイル検索のユーザー体験の向上を目指しています。
その中で大きな課題であった「アプリサイトの取り込み」、「モバイルサイトの高速化」などが動き出しています。また、セキュリティ対策としてhttps化を推奨する動きもあります。
App indexing(アップインデキシング)
App indexcingとは、アプリ事業者がApp Indexing設定することで、もしユーザーがアプリに関連した検索をした際に、Googleの検索結果にアプリが表示されるというものです。
その結果、ユーザーにアプリへの再訪を促すことができます。また、App Indexingの設定によりGoogleのウェブ検索にもインデックスされますので、検索結果にアプリサイトが表示されることになります。
Googleとしては、増え続けるアプリサイトをどんどんGoogleインデックスに登録させて取り込んでいきたいという考えがあるようですので、2016年以降もアプリ事業者への普及活動は続くと考えられます。
モバイル高速化(AMP)
Googleは、モバイルの高速化と見やすさを向上させるという「AMP(Accelerated Mobile Pages)」というプロジェクトをスタートしています。
これは、大手のネット企業などを巻き込みモバイルコンテンツの制作・配信などの基準をGoogle主導で作っていこうというものです。
このAMPの仕様でモバイルサイトを構築することが今後のモバイルフレンドリーなサイトとしての一つの評価基準になるかもしれません。こちらも要チェックです。
https化の推奨
昨今、サイトに侵入してスパムSEO行為を繰り返すハッキング行為が増えています。このようなハッキング対策(セキュリティ)を意識したURLのhttps化の推奨なども新しい動きとしてありました。
https化されたサイトを優先的にインデックスするとGoogleは発表していますが、検索ランキングへの影響は現時点では無いようです。しかし、こちらもチェックすべきポイントです。
まとめ
2015年のSEOトレンドを振り返ると、コンテンツマーケティングやモバイルSEOの新たな動きが始まった年と言えるような感があります。
いずれにしても、様々な変化が予測される2016年のSEOです。
私たちSEOサービスに携わるものは変化する検索エンジンと企業とのより良き仲介者となるように、2016年も引き続き技術の研鑽をしていかなくてはと肝に銘じる次第です。