- Instagramの個人間融資は闇金がほとんどである
- 闇金からの借金を返せなければ個人情報の流出など深刻な被害に遭う
- InstagramのDMで融資の話をされたらブロックすべきである
- 闇金問題の解決は実績が豊富な弁護士・司法書士へ相談するとよい
Instagram(インスタグラム)は写真や動画を共有できるSNSとして人気があり、近年、20~30代の若年層を中心として利用者が急増しています。
そんなInstagram上で個人間融資を持ちかけるアカウントが数多くありますが、そのほとんどは闇金です。
闇金はInstagramの利用者が急増していることに目をつけて個人間融資を装い、若い女性ユーザーを中心にお金に困っている人をターゲットとしています。
優良な個人貸主を装って融資を持ちかけてきますが、あくまでも闇金なので、手を出すと深刻な被害を受けるおそれがあります。
この記事では、Instagram闇金の勧誘の手口や利用した場合に生じるリスク、被害を受けたときの対処法などについて、わかりやすく解説します。
個人間融資とは
Instagram闇金は、個人間融資を装ってお金を貸そうとしてきます。そこで、まずは個人間融資に関する基本的なことを確認しておきましょう。
個人間融資とは、貸金業者ではない個人と個人の間でお金の貸し借りをすることです。家族や友人、知人からお金を借りることも個人間融資の一種です。
ただ、最近、社会問題化している「個人間融資」とは、面識のない人とSNSやインターネット上の掲示板を通じて知り合い、お金の貸し借りをすることを指しています。
個人間融資そのものは違法ではありませんが、借金に関する法律の知識が乏しい個人間で融資が行われることから、さまざまな違法行為が発生しているという実態があります。
Instagram闇金との取引は、個人間融資において行われる違法行為の典型例であるといえます。
Instagramの個人間融資が闇金である理由
Instagramで個人間融資を持ちかけるアカウントのほとんどは、闇金が運営しているものです。
そういえる理由は、Instagramで個人間融資が行われているケースのほとんどで、次のような闇金の特徴が見受けられるからです。
- 無登録で貸金業を営んでいるから
- 違法な金利を要求するから
- 無審査で融資をするから
- 厳しい取り立てをするから
無登録で貸金業を営んでいるから
Instagramにおける個人間融資の貸し手のほとんどは、不特定多数の人に対して、反復継続してお金を貸しています。このように反復継続してお金を貸す行為は、事業としての「貸金業」に該当します。
貸金業を営むためには、国または都道府県に対して貸金業者としての登録をしなければなりません。無登録で貸金業を営む行為はれっきとした犯罪であり、刑事罰も用意されています。
闇金は、まさに無登録で貸金業を営む業者です。Instagramで個人間融資を持ちかければ、お金に困った若い女性客が容易に見つかることから、闇金が個人間融資を装って営業しているのです。
違法な金利を要求するから
Instagramの個人間融資で、無利息や低金利で借りられることはまずありません。ほとんどの場合、法外な金利を要求されてしまいます。
個人間融資でも金利の上限は法律で規制されていて、利息制限法では年20%、出資法では年109.5%までと定められています。しかし、闇金は年利に換算すると数百%から千%を超える暴利を要求してきます。
違法な金利を要求することのみをもって闇金であると断定はできませんが、少なくとも違法なことを平気で行う相手であるということはいえます。
無審査で融資をするから
Instagramの個人間融資では、無審査で融資が行われることも闇金の特徴と一致しています。そもそも、個人間融資で貸金業者と同様の審査が行われることはありません。
それでもInstagramで顧客を募っているアカウントのプロフィール欄には「審査不要」「ブラックOK」「誰でも借りられます」などと記載されていることがよくあります。
これは、他ではお金を借りられないほど困っている人をおびき寄せるための勧誘文句なのです。
このように、わざわざ「無審査」を強調した上で、「#個人間融資」「#個人融資」などで顧客を募っているアカウントは、闇金のものと判断して間違いありません。
厳しい取り立てをするから
Instagramの個人間融資でお金を借りて返せない場合、ほぼ間違いなく、厳しい取り立てが始まります。
詳しくは後でご説明しますが、脅迫的な電話で返済を強要されたり、家族や職場などへの執拗な電話で嫌がらせをされたりすることがほとんどです。
家族や友人、知人から借りて返せない場合は、「遅くなってもいいから返してほしい」「分割で少しずつでもいいから返してほしい」などと言われることが多いでしょう。場合によっては、相手が諦めることもあります。
しかし、Instagramの個人間融資では、このような常識的な対応は期待できません。厳しい取り立てによって顧客を精神的に追い込み、お金をむしり取ろうとしてきます。
そもそも、Instagramに限りませんが、SNSで知り合った面識のない人に対して、善意や好意でお金を貸す人はまずいません。
会社員など一般の人が個人間融資をしているケースもありますが、闇金と同じように暴利を得ようと考えていたり、あるいは女性客と肉体関係をもつことを目論んだりしているケースがほとんどです。
危険性は闇金と同程度か、相手によっては闇金より危険なこともあります。
結論として、Instagramの個人間融資は闇金、または闇金と同じように危険な個人と考えておくべきです。
Instagramにおける闇金の手口
Instagramの個人間融資は、ほとんどが闇金なので手を出してはいけません。
それでも、お金に困っているときに「すぐ貸します」といったメッセージを見ると、飛びつきたくなるかもしれません。
親身に対応してくれる相手なら、「この人なら大丈夫」と思ってしまうかもしれません。しかし、騙されてはいけません。
ここでは、深刻な被害を回避していただくために、Instagram闇金の勧誘の手口をご紹介します。以下のような手口を使う相手とは、関わらないようにしましょう。
- 「個人間融資」などのキーワードで集客する
- 若い女性を狙う
- DMやLINEでやりとりをする
- 免許証や学生証などを送信させる
- 融資するまでは親身に対応する
- 一般の個人を装ってDMを送ってくることも
「個人間融資」などのキーワードで集客する
Instagramにおける闇金は、アカウント名に「個人間融資」や「個人融資」などのキーワードを用いていることが多いです。これは、個人間融資を利用しようと考えて検索する人に、見つけてもらいやすくするためです。
また、InstagramにはX(旧:Twitter)と同じように「#」(ハッシュタグ)という機能があります。
闇金のアカウント中には、プロフィール欄などに次のようなハッシュタグを登録して、お金を借りたい人が検索したときにヒットしやすいように工夫しているものもあります。
「#個人間融資」
「#個人融資」
「#お金貸します」
「#即日融資」
「#ブラックOK」
「#借金」
「#お金借りたい」などなど
若い女性を狙う
インスタユーザーは約6割が女性と言われています。年齢層も若い女性が多く、悪質な個人間融資や闇金の手口についての知識を持たない人が多いです。
そのため、個人間融資の闇金はお金に困っていそうな情報弱者の若い女性を狙ってアプローチします。最初は丁寧な対応をしますし、親切を装いますので、うっかり相手を信じてしまいお金を借りてしまう女性が跡を絶ちません。
その結果、法外な利息、悪質な取り立てに悩まされることになります。ネットの個人間融資は、悪質な貸主か闇金のいずれかです。手を出すのはリスクが大き過ぎます。
DMやLINEでやりとりをする
Instagram闇金からの借入の申し込み方法としては、DM(ダイレクトメッセージ)やLINEで連絡するように指定されていることがほとんどです。
そこで借入額や返済条件などのやりとりをして、合意ができたら融資が実行されます。その間、お互いに顔を合わせたり、電話で話したりすることはなく、やりとりを他の人に見られることもありません。
このようにして手軽に、かつ、誰にも知られることなく借入ができるので、お金に困っている若い女性などはInstagram闇金を利用してしまうのでしょう。
しかし、これは闇金が身元を隠したまま、警察にバレないように営業するための手口です。
免許証や学生証などを送信させる
Instagram闇金は融資の際に、本人確認などと称して、必ず免許証や学生証などの身分証明書の画像を送信させます。
身分証明書の提示は正規の貸金業者から借入をするときにも必須ですが、正規の貸金業者は会社情報を公表して法律を守るので、顧客も不安になることはないでしょう。
しかし、Instagram闇金は自分の身元を開示することは一切なく、顧客の個人情報だけを詳細に開示させるのです。
そのため、顧客は約束を果たせなければ何をされるか分からない、といった不安におそわれます。実際、返済できなければ闇金によって個人情報の流出や悪用が行われるケースが多々あります。
融資するまでは親身に対応する
Instagram闇金は、融資するまでは優しく、親身に対応します。これは、顧客を安心させるための手口です。
闇金がInstagramで主にターゲットとしている若い女性は、怖い人には関わろうとしない反面で、良い人だと思えば条件が厳しくても借入を申し込んでしまう傾向にあります。
このような顧客の心理を熟知しているので、闇金はソフトな対応で安心させて、お金を借りさせようとするのです。
しかし、実際には法外な金利を要求しますし、返済が遅れると態度を豹変させて厳しい取り立てを行い、お金をむしり取ろうとします。
一般の個人を装ってDMを送ってくることも
Instagram闇金の中には、顧客からDMやLINEのメッセージが来るのを待つだけではなく、一般の個人を装って他のユーザーにDMを送ることもあります。
例えば、ある人が投稿した写真に対して、「いいね!」を付けた上で、DMで「素敵な写真ですね」などと送信してきます。投稿者から返信があると、闇金は一般のユーザーを装ったまま、DMで世間話などのやりとりをしばらく続けます。
ある程度親しくなり、投稿者からの好感を得たら、闇金は「お金に困っていませんか?」「少しなら貸せますよ」などのメッセージを送信し、個人間融資を持ちかけてきます。
その段階では投稿者の警戒心も薄れているので、誘導に乗って借りてしまうケースが跡を絶ちません。借りてしまうと闇金は本性を出し、法外な金利を要求します。
Instagramに投稿している若い女性の中には、インスタ映えする写真や動画を撮るために外食や買い物、旅行などにお金をかけすぎてしまい、困っている人も多いものです。
DMを利用した闇金の勧誘は、そんな女性ユーザー心理を逆手に取った悪質な手口といえます。
Instagramの闇金を利用すると生じるリスク
Instagramの闇金を利用すると、お金を借りられたとしても、以下のようなリスクが生じてしまいます。
- 法外な利息を要求される
- 保証金を騙し取られる
- 違法な取り立てや嫌がらせを受ける
- 個人情報を流出・悪用される
- 性行為を強要される
- 特殊詐欺などの犯罪を手伝わされる
法外な利息を要求される
闇金が要求する利息は、金利にするとトイチ(10日で1割)、トサン(10日で3割)、トゴ(10日で5割)といった法外なものです。
例えば、トイチで10万円を借りると、10日後には1割の利息を加えた11万円を返済しなければなりません。年利に換算すると単利計算でも365%に上りますが、実際には利息にも金利がかかるという複利で計算されるため、3000%を超えます。(法律の上限は20%)
もともとお金に困っている人がこのような暴利でお金を借りてしまうと、返済は不可能に近いといえるでしょう。
保証金を騙し取られる
Instagram闇金の中には、実際には融資をせず、保証金を騙し取るという手口を使う者もいます。
例えば、5万円の借入の申し込みをすると、「初回は信用を作っていただくために1万円の保証金が必要」などと言われます。
申込者が1万円を振り込んでも融資は実行されず、問い合わせると「追加で3万円が必要」などと、さらに保証金を要求されます。ある程度の金額を支払わせると連絡を絶ち、保証金を持ち去ってしまうのです。
お金を借りるために保証金が必要とはおかしな話ですが、お金に困っていると相手の言うことを信じ込んでしまい、保証金を騙し取られるケースが多発しています。
違法な取り立てや嫌がらせを受ける
闇金への返済が遅れると、すぐに催促の電話がかかってきます。電話に出ると、次のような脅し文句で威迫されることがほとんどです。
「借りた金を返さないのはドロボー」
「何をしてでも払え」
「家族に請求するぞ」
電話に出なければ、昼夜を問わず頻繁に電話がかかってきます。1日に100件を超える着信があるケースも珍しくありません。
また、闇金は融資の際に顧客のありとあらゆる個人情報を聞き出しているため、家族や友人、職場にも取り立ての電話をかけてきます。
その目的は、第三者からお金を回収しようとしているケースも中にはありますが、顧客本人が嫌がることをして精神的に追い詰め、お金を支払わせようとしていることがほとんどです。
個人情報を流出・悪用される
Instagramの闇金は、取り立てをしても顧客がお金を支払わなければ、個人情報を流出させます。
Instagram、あるいはX(旧:Twitter)など他のSNSも使って、顧客の身分証明書などの画像と一緒に、「この人は借りた金を返さないドロボー」などと誹謗中傷するコメントを投稿します。
そして、「削除してほしければ、すぐに金を返せ」などと迫ってきます。
また、顧客の個人情報を他の闇金や詐欺業者などの悪質業者に横流しすることも、広く行われています。そのため、いったん闇金を利用すると、他の闇金やさまざまな悪質業者から狙われるようになります。
性行為を強要される
Instagramの闇金の利用者は若い女性が多いため、返済できなければ性行為を強要されるケースが跡を絶ちません。「肉体関係に応じれば利息を負けてやる」などと持ちかけて、拒否しにくい状況で性行為を迫ってくるのです。
返済できない女性に風俗店での勤務や売春行為などを強要し、稼いだお金の中から返済させるケースもよくあります。
また、融資の際に担保などと称して裸の写真を送信させ、その女性が返済できなければ写真をインターネットでばらまくケースも多発しています。
特殊詐欺などの犯罪を手伝わされる
最近の闇金の傾向として、返済できなければ特殊詐欺などの犯罪を手伝わせるというケースが激増しています。
闇金業者は、金融以外にもオレオレ詐欺や振り込め詐欺をはじめとして、様々な違法行為をして利益を上げていることが多いです。しかし、自分で直接的に詐欺行為をすると、警察に逮捕されるリスクがあります。
そこで、掛け子や受け子、出し子など実行犯としての役割を返済できない顧客に担わせ、見返りとして借金をチャラにしたりするのです。
Instagramの闇金から借りてしまったときの対処法
Instagramの闇金から借りてしまったときは、適切に対処しなければ多額の金銭を失うだけでなく、闇金の嫌がらせによって周囲の人たちにも多大な迷惑がかかってしまいます。
闇金への正しい対処法は、以下のとおりです。
- 返済はしない
- 警察に相談
- 弁護士・司法書士に相談
返済はしない
まず、闇金に対して返済をする必要はないということを知っておきましょう。
闇金による貸し付けは出資法の上限金利を著しく上回る金利を伴う犯罪行為であるため、民事上も公序良俗違反として無効です。そして、闇金から振り込まれたお金は不法原因給付に該当するため、返済義務はないのです。
少しでも返済すると、闇金にカモだと判断され、次々にお金を要求されてしまいます。闇金問題を解決するためには、返済はしないと決意することが必要です。
警察に相談
闇金への返済を拒否すると、当然のことながら、厳しい取り立てや悪質な嫌がらせが始まります。このような闇金の追い込みに一人で対処するのは危険です。身の危険を感じるときは、警察に相談しましょう。
既に多額の金銭を脅し取られたなどの実害が生じている場合は、警察に被害届を提出すれば、その闇金を検挙してもらえる可能性があります。
ただし、実害が生じていない場合は民事の問題だと判断されて、警察は動いてくれないことも多いです。
根本的に解決するには弁護士・司法書士に相談
闇金問題を根本的に解決するには、弁護士や司法書士という法律の専門家の力を借りることが最も有効です。闇金から被害者を守るために動いてくれるのは、弁護士・司法書士だけです。
闇金問題で困ったら、すぐ弁護士または司法書士に相談しましょう。
闇金問題を弁護士・司法書士に依頼するメリット
闇金問題を弁護士・司法書士に依頼することで得られるメリットは、以下のとおりです。
- すぐに動いてもらえる
- 取り立てや嫌がらせが止まる
- 闇金に支払ったお金を取り戻せることもある
- アフターフォローも万全
すぐに動いてもらえる
弁護士・司法書士は警察とは異なり、依頼を受けたら被害者の味方としてすぐに動いてくれます。そのため、早期の解決が期待できます。
取り立てや嫌がらせが止まる
弁護士・司法書士は、闇金に連絡をとり、取り立てや嫌がらせを止めるように交渉します。止めなければ法的措置をとる旨の警告もしてくれます。
闇金も弁護士や司法書士の警告を無視して取り立てなどを続けると営業できなくなることが分かっています。そのため、弁護士・司法書士が介入すると取り立てや嫌がらせが止まることが多いです。
闇金に支払ったお金を取り戻せることもある
闇金との契約が公序良俗違反として無効である以上、既に闇金に対してお金を支払っている場合は、過払い金と同じように返還請求ができます。
弁護士・司法書士は、依頼者が支払ったお金を返還するように、闇金と交渉してくれます。実際にお金を取り戻せたケースもあります。
ただし、最近の闇金は身元が割れないように工夫を凝らしていることもあり、実際にお金を取り戻せるケースは多くありません。
アフターフォローも万全
闇金は、弁護士・司法書士からの警告を受けて取り立てや嫌がらせをいったん止めても、ほとぼりが冷めたころに再び、顧客に対して返済を迫ることもあります。
しかし、闇金被害者の救済に力を入れている弁護士・司法書士は、このようなケースでもアフターフォローとして闇金に対処してくれます。そのため、闇金も諦めて手を引くケースがほとんどです。
闇金問題で相談すべき弁護士・司法書士の選び方
闇金問題は、どのような弁護士・司法書士に相談してもよいわけではありません。闇金問題の解決に力を入れている弁護士・司法書士は比較的少ないです。
経験や知識が浅い弁護士・司法書士に相談しても闇金に適切に対処できず、取り立てや嫌がらせが止まらない可能性があります。
したがって、闇金問題の解決実績が豊富な弁護士・司法書士の事務所に相談することが重要です。弁護士・司法書士の実績や注力している分野は、事務所のホームページなどに掲載されています。
当サイトでご紹介している弁護士・司法書士の事務所は、闇金問題の解決実績が豊富な事務所ばかりですので、安心してご相談いただけます。
まとめ
Instagramの個人間融資はほとんどが闇金なので、絶対に手を出してはいけません。
もし、手を出してしまった場合は一人で抱え込まず、すぐ弁護士または司法書士に相談することをおすすめします。
弁護士・司法書士の力を借りて、闇金問題を適切に解決しましょう。