ホワイトベアー株式会社は今年100社以上のペナルティ解除を成功させました。その経験から今年1年のGoogleペナルティの動向を振り返り、その対処法を解説したいと思います。
Googleは2014年もウェブマスターガイドラインに違反しているというWebサイトをターゲットに、アルゴリズムアップデートや手動による警告を容赦なくおこないました。
今年1年で、これまでGoogleのスパム対策チームが公式にアナウンスしたもの、米国のメディアを媒介に確認がとれたものだけでもアップデートは4つありました。これらのペナルティを受けてしまい、検索順位を大きく落としたWeb担当者の方も多いのではないでしょうか。
弊社では、2012年から「Googleペナルティ解除サービス」を展開していますが、今年1年だけでも約100社以上のお客様からのご依頼に対応してきました。その中で、多くのお客様が“なぜ検索順位が落ちたのか?”それが分からずに駆け込んで来られている現状があります。
そこで、このコラムでは2014年にGoogleがおこなったアップデートの影響の大きさを分かりやすくランキング形式にしてみました。もし、アップデートがおこなわれた時期に検索順位が落ちたという方は、その原因と理由が分かるかもしれません。
「過剰なSEOはやっていないから自分には関係無い・・・」という方も読んで頂ければ、意図せず作ったページや第三者からの被リンクなどの影響により自動アップデートに巻き込まれる可能性があるという事が分かると思います。これらのアップデートに対してどのような対応が必要なのかについても簡単に解説しましたので、参考にして頂ければ幸いです。
それでは、1つずつ解説していきます。
※震撼レベル(1~4)は、順位変動の規模や実際に問合せのあった件数を総合して掲載しています。4が最も影響が大きいアップデートになります。(当社調べ)
目次
- 【震撼レベル1】Top Heavyアルゴリズム
- 【震撼レベル2】PayDay Loanアップデート
- 【震撼レベル3】パンダアップデート
- 【震撼レベル4】ペンギンアップデート
- その他:手動による警告
- まとめ
【震撼レベル1】 Top Heavyアルゴリズム(ページレイアウトアルゴリズム)
【Top Heavyアルゴリズム (ページレイアウトアルゴリズム)】とは
ページの中に過剰な広告やアフィリエイト広告などがたくさん詰め込まれているようなサイトに対してペナルティを与えるアルゴリズムです。広告ばかりでコンテンツの質が低いサイトはユーザーにとって、有益ではないという考えから更新されるアルゴリズムです。
- 1回目の更新:2012年1月19日
- 2回目の更新:2012年10月10日
- 3回目の更新:2014年2月6日 Top Heavyアルゴリズム 3
※Top Heavyアルゴリズムはグローバルに更新をおこなったというアナウンスだけで、対象サイト数や影響範囲などは不明です。
【標的になりやすいWebサイト】
広告メディア、アフィリエイトメディアなどサイト内に広告をたくさん掲載しているようなWebサイトは「Top Heavy」のアップデートによりペナルティを受ける可能性があります。
【対処方法】
広告の掲載位置や量の見直しが必要になります。実際には、どこまでがペナルティの閾値(いきち)かは不明です。しかしながら、Googleの検索結果を参考にするとアドワーズ広告は最大で11個表示されています。つまり、11個以内なら問題無いと言われています。
【参考サイト】
SEO folks: we recently launched a refresh of this algorithm
Google Updates Its Page Layout Algorithm To Go After Sites “Top Heavy” With Ads
【震撼レベル2】 Payday Loan(ペイデイローン)アップデート
【Payday loanアップデート】とは
アメリカには、Payday Loanという給料を担保に高利で融資をおこなう金融業者がたくさんあります。Payday loanはSEOスパムをおこなうサイトが蔓延しているため、このような検索クエリを標的としたアルゴリズムとして更新されました。他にもViagra(バイアグラ)、casino(カジノ)などがターゲットとされました。
Payday loanアップデートは今年で2回実施され、3回目の更新となります。前回は1年のスパンがあったものの、今回は約1ヶ月の間隔で更新されました。過剰なスパムが多く見られる検索クエリの駆逐へのGoogleの本気度が分かります。引き続きその対象は広がっていくと考えられます。
- 1回目の更新:2013年6月12日
- 2回目の更新:2014年5月17日 PayDay Loanアップデート2
- 3回目の更新:2014年6月13日 PayDay Loanアップデート3
※アップデートは日本含むグローバルな展開と言われています。
【標的になりやすいWebサイトは】
アメリカ同様にアダルト、ギャンブル、キャッシングなどがターゲットになる可能性が高いと言えます。弊社独自の調査では、美容関連、コンタクトレンズ、キャッシングなどの検索クエリで、今回の更新があった時に一部順位の変動が見られました。いずれも過剰なSEOをおこなうアフィリエイトサイトが多いジャンルと言えます。
【対処方法】
一般的なサイトでは、まずこのアルゴリズムの標的になることは無いため、対策を迫られるサイトはありません。万が一このアルゴリズムに引っかかったと考えられる場合は、まず自演リンク等粗悪なリンクを削除するところから始めることをお勧めします。
【引用元】
・PayDay Loanアップデート2
Official: Google Payday Loan Algorithm 2.0 Launched: Targets “Very Spammy Queries”
・PayDay Loanアップデート3
Google Launching Payday Loan Algorithm 3.0 Targeting Spammy Queries This Week
【震撼レベル3】パンダアップデート
【パンダアップデート】とは
コンテンツの品質評価に関するランキングアルゴリズムの変更です。ユーザーにとって役立つ高品質なコンテンツが検索上位に表示されるように適切に評価する一方で、内容が薄く役に立たないコンテンツを検索結果から排除することを目的としたアルゴリズムです。
Googleのスパム対策チームのエンジニア Biswanath Panda(ビスワナス・パンダ)氏が中心にアルゴリズム更新をおこなっていたため、そのパンダ氏の名前をとって命名されました。
- 2014年5月21日更新 パンダアップデート4.0
- 2014年9月22日更新 パンダアップデート4.1
現在パンダアップデートは月々行われるアルゴリズムに変更されたため、過去の更新日は記載していません。
※パンダアップデートは日本含むグローバルな展開でおこなわれていたとアナウンスされています。
【標的になりやすいWebサイト】
パンダアップデートは、サイト内の重複コンテンツやサイト外の重複コンテンツがあるサイトが主にターゲットとされています。同一ジャンルで複数のサイトを運営している際には、サイト内重複コンテンツになりやすいので注意が必要です。
また、ECサイトの場合は、使用しているシステムの問題で商品説明などにおいて、同じテキストが複数のページで表示されることがあります。そのため、サイト内の重複コンテンツとなります。オリジナルECサイトと楽天ECサイトとのコンテンツ重複も要確認です。口コミサイトなどでは、ユーザーが同じ書き込みを他サイトにしているケースがあり、結果的にサイト外の重複コンテンツとなってしまいます。
尚、パンダアップデート4.1では、低品質コンテンツをより正確に識別するための2、3個のシグナルが追加されています。これまでは大規模サイトが評価される傾向がありましたが、小中規模の高品質サイトに恩恵がいくような更新となったようです。
【対処方法】
パンダアップデートの対処方法としては4つの方法があります。
- 対象となっているコンテツを独自のものにする。
- 独自なコンテツを追加し重複部分の割合を少なくする。
- 修正困難な場合は、検索結果に表示されないようにnoindexを設置する。
- ユーザーに見てもらう必要がない場合は、オリジナルコンテツが存在するページへリダイレクトする。
【引用元】
- パンダアップデート4.0
Google is rolling out our Panda 4.0 update starting today.
Google Begins Rolling Out Panda 4.0 Now
- パンダアップデート4.1
Panda 4.1 — Google’s 27th Panda Update — Is Rolling Out
【震撼レベル4】ペンギンアップデート
【ペンギンアップデート】とは
Webスパム(内部・外部要素問わず)を取り締まる為のアルゴリズムで、Googleの品質に関するガイドライン に違反しているサイトに対してその掲載順位を下げるようなアルゴリズムです。
SEOにはホワイトハット(スパムなしの正しい対策)とブラックハット(スパム的な対策)という呼び名があります。白と黒を明確に区別するという意味合いもあり、パンダ同様に白黒模様のペンギンからGoogleのエンジニアが命名しました。
<過去の更新〉
- 1回目の更新:2012年4月24日
- 2回目の更新:2012年5月26日
- 3回目の更新:2012年10月5日
- 4回目の更新:2013年5月22日
- 5回目の更新:2013年10月4日 ペンギンアップデート 3.0
- 2013年12月11日 ペンギンアップデート続報
【標的になりやすいWebサイト】
ペンギンアップデートは、被リンクスパム対策のアルゴリズムとして有名です。現在はペンギンアップデートの影響を受けていないサイトも、スパム判定されるような被リンクが残っている場合には今後ペナルティを受ける可能性は否定できません。
12月11日にペンギンアップデートは続いているという続報がありました。
詳細は現在のところ不明ですが、アメリカのSEO情報メディアSearch Engine Landによるとペンギンアップデートは、継続的に更新するアルゴリズムになっているとの事です。
【対処方法】
ペンギンアップデートは、自演リンクや粗悪なリンク(SEO目的で集めたリンク集など)を外すことが優先です。Googleウェブマスターツールで、リンクを無効化するツールがありますが、Google側で処理するまでに最長9ヶ月もかかった事例もあるようなので、まず削除することを優先して下さい。
また、ペンギンアップデートは外部リンクが対象と思われがちですが、サイト内部のスパムに対してもターゲットになります。キーワードスタッフィング(文章中に過度にキーワードを入れる行為)をされている方は、自然な文章になるように心がけましょう。
尚、ペンギンアップデートは継続的なアルゴリズムになったため、リンクの削除、リンクの否認をすることで解除されやすい(解除されるまでの期間が短い)ことが予想されます。
【引用元】
- ペンギンアップデート3.0
Google Penguin 3.0: Worldwide Rollout Still In Process, Impacting 1% Of English Queries
- ペンギンアップデート続報
Google Says Penguin To Shift To “Continuous Updates”
その他:手動による警告
【手動による警告】とは
Googleは自動のアップデートだけではスパム対策に対応できない場合にスタッフによる目視での監視をおこなっています。
そして、該当するWebサイトに対してウェブマスターツールを介して警告をおこなっています。主に以下の2つの手動による警告がありますが、いずれも必要な対応をおこないGoogleに再審査リクエストを行わなくては警告は解除されません。すなわち、解除されないと順位の回復は望めません。
手動による警告に関しては、Googleから実施時期や対象サイト数などは発表されていません。不定期におこなわれています。
- サイトへの不自然なリンク-リンクへ影響する対策を実施
https://support.google.com/webmasters/answer/2604772 - 価値のない質の低いコンテンツ
https://support.google.com/webmasters/answer/2604719
【標的になりやすいWebサイト】
被リンクへの警告は、ページランクを操作する目的で過去に有料リンクを購入したり、相互リンクをおこなったりしているサイトが対象になります。
また、質の低いコンテンツは、意味のないページを自動生成したり、コンテンツ量が少なく有用な情報が無いページがあるWebサイトが標的となります。
【対処方法】
被リンクの警告の場合は、リンク削除(削除困難な場合は否認ツール)を行い、Googleへ再審査リクエストを送ることで、ペナルティ解除が可能です。
コンテンツに関するペナルティの場合は因が多岐に渡りますが、一般的には「コンテンツが乏しい」、コピーコンテンツが多いことでペナルティを受けます。従いまして、オリジナルコンテンツで品質の高いコンテンツを掲載することで解除が可能です。
手動による警告を受けないためには、リスクがあるスパムサイトからの被リンクがあれば削除しておくにこした事はありません。また、コンテンツに関しては、「価値のない質の低いページを無くす」、どうしても無くすことが難しければ「該当するページをインデックスさせないようにnondexにする」などの対応が必要です。
まとめ
2014年にGoogleがおこなったスパム対策をチェックすることで、今のSEOでやってはいけない事がご理解頂けたかと思います。さらに詳しいGoogleのスパム対策がお知りになりたい方は、こちらのGoogleのスパム対策ページをご参照下さい。
・スパム対策
http://www.google.co.jp/intl/ja/insidesearch/howsearchworks/fighting-spam.html
来年もGoogleは引き続き多くのアップデートをおこなう事が予測されますが、より一層(自演の)外部リンクの取り締まりが強化されると予想されます。それと同時にコンテンツSEOが主流になりつつあるため、コンテンツがオリジナルなのかコピーなのか等を判断する為、Googleがコンテンツを評価するためアルゴリズムも強化してくるのではないかと予想しています。
2015年も、ペナルティやアップデートの動きなどがあれば、このブログで定期的に情報発信して行きたいと思いますので、よろしくお願いします。