大きな注目を集めているオウンドメディア。コンテンツマーケティングの重要性が改めて認識され、その潮流に乗り「よし!オウンドメディアやろうじゃないの」とサイトを作り上げた方や企業も多いのではないでしょうか。
そして現在、オウンドメディアを作り上げてからある程度の時間が経過した今、どのような思いを感じておられますか?
- メディアの成功が見えないんだけど…
- 当初想定したとおりに更新できていない
- これって成功?失敗?どっち?
- どうすれば成功に転じることができる?
実際のところは大成功を収めているサイトは少なく、上記のような複雑な感情をお持ちの方も多いはずです。
今回はオウンドメディアでありがちな失敗事例にフォーカスします。失敗事例を知れば、そこから解決方法の糸口をたどることができます。
オウンドメディアの失敗事例といってもまたイチから作り直す必要はなく、ほんの少し軌道修正を加えれば大丈夫。ぜひ参考にしてください。
事前準備① オウンドメディアを作った理由は?
では失敗事例をご紹介する前に、まずは事前準備をしておきましょう。
事前準備1つ目は、オウンドメディアを作った理由を思い出しておくこと。
流行りに乗って作成したというのも立派な理由ですが、よりユーザーに近い理由を思い出します。
(例)
- 自社のブランディングや認知度アップ
- 実購入ユーザー獲得を目指したコンテンツ配信
- 検索結果ページからの見込み顧客流入を目指す
- ユーザーにとって魅力的なコンテンツを配信し、リピーターを増加させる
作成したコンテンツはユーザーにアクセスしてもらい成り立つものですが、どのようなユーザーにアクセスしてもらい、何をしてもらうことがゴールなのかを改めて考えてみましょう。
とはいえ、多くの場合は「ユーザーリピート訪問 → 見込み客 → 自社売上へつなげる」というのが王道の流れです。
自社売上へつなげるというのは、自社で設定したサイトの出口のこと。自社で展開しているECサイトの注文や、メルマガ登録、問い合わせや無料相談の送信などさまざまです。
要は、この出口へいかにユーザーを誘い込めるかがオウンドメディアの存在意義ですね。
コンテンツでユーザーアクセスを獲得し、コンテンツの魅力で見込み客を囲い込み、最終的にユーザーへ何をしてもらうかということです。
本来はオウンドメディアを作り上げる前に設定しておくべきものですが、後付けでも良いので今一度再確認しておきましょう。
事前準備② 目標設定は正しくできていたか
事前準備2つ目は、サイトの目標設定を確認しておくこと。
事前準備1で確認した「ユーザーに最終的に何をしてもらうことがゴールなのか」について、実際に数値化したものが目標設定です。
KPI設定や最終目標と呼ばれることもあり、新規ビジネスに着手する際は必ず必要な数値ですね。
(例)
- 半年後に月間アクセスユーザー数 ○万人
- 1年後に月間アクセスユーザー数 ○万人
- 月間売上 ○万円
- 月間売上のうち粗利 ○万円
- 無料相談申込数 月間○件
- メルマガ登録数 月間○件
何かをやる前から数値目標を立てるのは難しいものですが、やったことが成功かどうかを把握するために目標設定は必要不可欠です。
しっかり設定しておけば、経営報告会などで突っ込まれたときにちゃんと答えられますね。
目標設定にはいくつかのポイントがあります。ポイントに沿って詳しく見ていきます。
ポイント1. 明確な数字を打ち立てていたか
目標設定はパッと見てわかる明確な数字でなければ意味がありません。
「ただし、~の場合は省く」「~を考慮して数値は前後する」といったエクスキューズや前置きなどは一切不要です。
ポイント2. 時間がかかることを考慮できていたか
オウンドメディアの最大の特徴は、効果が出るまで時間がかかること。
目安として半年~1年は見ておきたいところです。目標設定においても、結果が出るまで長期であることを見越した内容になっていたかどうかも重要です。
オウンドメディアのよくある失敗事例
それでは、オウンドメディアのよくある失敗事例を挙げてまいります。自社で陥っている状況と似ている事例がないかどうか、ぜひ参考にしてください。
※こちらは実際にいただいたご相談を元に作成しております。
失敗事例1. 運用負荷を深く考慮できておらず、サイトの更新が止まってしまった
サイトの更新が止まってしまうことは実はよくあること。
リリース当初は毎日更新していたのが週に2.3日になり、最終的には1ヶ月に1.2回程度の更新になってしまうことも。
更新ストップの大きな原因は、運用負荷が大きいことが大半です。
オウンドメディアを更新するには、コンテンツのターゲットや目的、キーワード設定などのプランニング、そして実際のコンテンツ制作にかなり時間がかかります。実際やってみたら毎回すごい労力がかかって・・・というのが実感ではないでしょうか。
→解決の糸口:
- 更新責任者を設け、責任者からチームメンバーへ適切な指示を行い運用する。
- 更新責任者には、ユーザーや検索ページからの流入を意識したコンテンツを作成でき、コンテンツSEOの知識や経験が豊富な人をアサインする。
失敗事例2. 記事に一貫性がなく、記事ごとの内容やレベルがバラバラ
ある日の記事はユーザーの興味にしっかり応える詳しいコンテンツ、次の日の記事は身内を話題にした中身も文字数も少ない内容というふうに、記事に一貫性がなく内容やレベル感がバラバラということも決して珍しくありません。
この理由は、メディアの目的、目標、コンセプトなどがしっかりしていないから。
メディアとしての存在意義があいまいで流動的なのです。こうなると更新する担当者によって内容やレベルに大きな差が出てもどうしようもありませんね。
せっかくアクセスしてくれるユーザーに対し、最適なコンテンツを提供できていないことになります。
→解決の糸口:
- メディアの目的、ターゲット、コンセプトを明確にして運用メンバーに周知徹底する
- ターゲットが興味を持つコンテンツに絞って記事を作成する
失敗事例3. 運用にお金がかかり、やればやるほど赤字になっている
1記事更新するのに外部リソースと社内リソースを考えるとおよそ○万円。
サーバやドメイン、CMSなどのシステム利用料を含めると、毎月やればやるほど赤字になっているという状況に陥っていませんか?
やればやるほど売上が上がるのが本来の姿にも関わらず、赤字幅がどんどん大きくなるなんてやめた方が得策ですよね。
この大きな原因は、そもそもの目標設定を高く見積もりすぎていることや、更新・運用にお金をかけすぎているから。赤字額との我慢比べにならないよう早急に対策が必要です。
→解決の糸口:
- 費用がかかっているものを徹底的に外す。無料で使える仕組みを活用する。
- デザインや見た目よりも、文章やコンテンツが最重要であることを認識する。
失敗事例4. 一生懸命やっているのにアクセスが集まらない
アクセスが集まらない理由は主に2つあります。
1つ目の理由は、サイトがリリースして間もないから。オウンドメディアが大きなアクセスを生み出し始めるには時間がかかり、半年から1年程度は見ておきたいところ。リリース当初は礎を築く我慢の時です。
2つ目の理由は、コンテンツの品質が低いから。アクセスを集めるにはコンテンツの品質を高め、検索からの流入を意識した内容である必要があります。
最近では、ユーザーを意識して作成したページであれば自然と検索結果ページで上位表示されると言われますが、それでも最低限のSEO知識は必要です。
→解決の糸口:
- リリース間もないのであればしばらくは我慢する
- 徹底的にキーワードやSEOを重視したコンテンツを作る
まとめ
コンテンツマーケティングやコンテンツSEOの大きなブームに乗ってオウンドメディアを立ち上げたものの、途中で更新が止まってしまうことが実はよくあることです。続けることが一番難しいというのが世の常識ですね。
オウンドメディアの失敗事例やその原因はサイトによってさまざまですが、記事作成コスト、そして運用を行うリソースが原因という場合が大半です。
何かを成し遂げるにはコストとリソースがかかるのはいわば当然のこと。大きな利益を生み出すために、今何をすべきかを冷静に判断しましょう。そのためにはオウンドメディアを運営する理由と目標を今一度確認することです。当初作成したものが必ず正しいわけではなく、今一度仕切り直すのも大いにありです。
今回ご紹介した失敗事例とその解決の糸口を参考に、今何をすべきか、明日以降何をすべきかを検討し、自社のオウンドメディアを成功に導きましょう!