- 勝手に闇金の緊急連絡先にされ、闇金から突然電話がかかってくることは多い
- 闇金は家族や職場にまで連絡することがあるため放置することは危険である
- 闇金から肩代わり返済を要求されてもお金を支払ってはいけない
- 闇金から連絡が来たらすぐ弁護士・司法書士に相談した方がよい
自分はお金を借りてもいないのに、闇金から突然連絡が来て「○○さんが借金を返済しないので、なんとかしてほしい」などと迫られ、対応に困っている方もいるのではないでしょうか。
闇金は融資の際に必ず、借主に対して、緊急連絡先として家族や友人などの個人情報を要求します。そのため、あなたの知人が闇金を利用した場合、勝手にあなたの氏名や電話番号などの個人情報を提供することがあるのです。
緊急連絡先にされたからといって借金を肩代わりする必要はありませんが、「自分には関係ない」と考えて放置すると、場合によっては深刻なトラブルに巻き込まれるおそれもあります。
この記事では、勝手に闇金の緊急連絡先にされたことを放置するリスクをご紹介し、トラブルを回避するための対処法についても解説します。
緊急連絡先とは
一般的に「緊急連絡先」とは、本人と連絡がとれない場合や、ただちに対応が必要な場合などに、連絡をとるべき相手の連絡先のことです。
正規の金融機関でも、融資の際に自宅や職場の連絡先を聞き出すことはあります。しかし、その目的はあくまでも事務的な連絡や安否確認に限定されます。
しかし、闇金は単に連絡をとるためだけではなく、別の狙いで、借主から緊急連絡先を聞き出しています。家族や職場だけでなく、親戚や友人、知人に至るまで、幅広く第三者の連絡先を聞き出そうとするのも、闇金の特徴です。
闇金が緊急連絡先を聞き出す理由
闇金が緊急連絡先として第三者の連絡先を聞き出す理由は、金銭を回収する手段として悪用するためです。具体的には、次の2点が挙げられます。
借主本人に心理的圧力をかけるため
借主の返済が遅れたときや、返済できそうにないとき、闇金は緊急連絡先である第三者に連絡し、「○○さんが借りたお金を返さない」などと言いふらします。
借主としては第三者に迷惑がかかることは避けたいと考えるため、「何としてでもお金を用意しないといけない」という精神状態に追い込まれます。このように心理的圧力をかけることにより、お金を巻き上げるのが闇金の狙いです。
第三者から金銭を回収するため
闇金は、お金が手に入るのであれば、誰に支払ってもらってもよいと考えています。
そのため、緊急連絡先である第三者に対して、「代わりに支払え」と迫ることもあります。
勝手に闇金の緊急連絡先にされたことを放置するリスク
闇金が緊急連絡先に対してどのような態度をとるかは、業者ごとに異なります。無視しても問題ないケースもありますが、業者によっては、放置すると以下のようなトラブルに発展する可能性があることを知っておきましょう。
執拗に電話がかかってくることがある
闇金が緊急連絡先に対して要求することは、一般的に次のようなものです。
「○○さんと連絡をとってください」
「○○さんからこちらに連絡するように伝えてください」
「○○さんにすぐ金を返すように伝えてください」
それでも借主が返済せず、連絡もつかない場合には、闇金は緊急連絡先であるあなたに対して、連日、昼夜を問わず何度も電話やメッセージを送ってくることがあります。
肩代わり返済を要求されることがある
闇金によっては、緊急連絡先に対して、「あなたが代わりに払ってくれませんか」と、肩代わり返済を要求してくることもあります。
特に、借主の家族に対しては、「子どもが借金を返さないなら親が返すのが当然だ」というように、強い態度で肩代わり返済を迫ることも少なくありません。
家族や職場に連絡されることがある
借主が緊急連絡先として、あなたの家族や職場の連絡先も闇金に教えている場合、闇金はあなたの家族や職場にも連絡する可能性が高いです。
このように、幅広く第三者に嫌がらせの連絡をして、借主やその関係者に心理的圧力をかけ、お金をむしり取ろうとするのが闇金の常套手段です。
勝手に闇金の緊急連絡先にされたときに知っておくべき法的問題
勝手に闇金の緊急連絡先にされたときにトラブルを回避するため、またトラブルに巻き込まれた場合に解決を図るためには、以下のような法律知識を持っておくことが大切です。
返済義務はない
あなたがお金を借りておらず、保証人にもなっていない以上、貸主に対して返済義務を負うことはありません。
そもそも、法外な金利を伴う闇金の貸付は、出資法違反という犯罪行為です。契約は公序良俗違反のため無効であり、借主が闇金から受け取ったお金は不法原因給付に当たります。そのため、借主本人にも返済義務はないということも知っておいた方がよいでしょう。
したがって、闇金からどのような言葉で脅されたとしても、お金を支払う必要は一切ありません。
闇金を刑事告訴できる可能性がある
闇金が緊急連絡先に連絡する行為に関して、以下の犯罪が成立する可能性があります。
- 脅迫罪…大声で怒鳴られた場合や、身の危険を感じるような発言をされた場合など
- 強要罪…暴行・脅迫を用いて、借主への伝言を迫られるなど、義務のないことをさせられた場合
- 恐喝罪…暴行・脅迫を用いて、肩代わり返済をさせられた場合
- 威力業務妨害罪…職場に何度も連絡され、仕事に支障が生じた場合
これらの犯罪が成立した場合には、刑事告訴をして警察に動いてもらえる可能性もあります。
借主本人の損害賠償を請求できる可能性がある
借主が闇金に対して、緊急連絡先として他人の個人情報を勝手に教える行為は、犯罪には該当しません。しかし、民事上のプライバシー侵害に該当する可能性があります。
まずは闇金との問題を解決することが先決ですが、その後、借主に対して、慰謝料や肩代わり返済してしまった金額などについて、損害賠償請求をすることも考えられます。
勝手に闇金の緊急連絡先にされた場合に絶対にしてはいけないこと
以下の行為は、ついやってしまいがちですが、トラブルを深刻化させる可能性が非常に高いため、絶対にしてはいけません。
お金を支払う
闇金から頻繁に連絡が来たり、「代わりに払え」と脅されたりしたときは、お金を支払うことで解決しようと考えてしまうかもしれません。
しかし、少しでもお金を支払うと、闇金に「カモ」と認定されてしまいます。その後は、さまざまな口実で次々にお金を要求され、闇金との関係を断ち切ることが難しくなってしまいます。
闇金には、1円たりともお金を支払ってはいけません。
立替払いを約束する
闇金に対しては、お金を支払う約束をするだけでも危険です。
「私が代わりに支払うので、もう連絡しないでください」などと発言すると、「あなたが約束した以上は、あなたに支払い義務がある」と難癖をつけられ、支払いを迫られます。
そして、お金を借りてもいないのに、借主本人と同じように、闇金から執拗かつ脅迫的な取り立てを受けることになってしまうでしょう。
個人情報を追加で提供する
闇金は、「どうしても借主と連絡をとる必要があるので、他にも関係者の連絡先を教えてください」と要求してくることも多いです。
しかし、闇金に個人情報を追加で提供すると、あなたと同じような被害に遭う人が増えるだけです。問題は何も解決しません。
勝手に闇金の緊急連絡先にされたときの正しい対処法
勝手に闇金の緊急連絡先にされたときの正しい対処法は、以下のとおりです。
無視する
基本的には、連絡を無視するのがベストです。電話に出てしまった場合は、「私には関係ありません」と告げて、電話を切ってしまいましょう。
あなたの家族や職場、友人などの連絡先を闇金に知られていない場合は、これだけで解決することも少なくありません。
頻繁に闇金から電話がかかってくる場合には、着信拒否の設定をするとよいでしょう。
警察に相談する
闇金からの執拗な連絡や脅迫的な電話で困ったときは、警察に相談することもひとつの解決方法となります。何らかの犯罪が成立している場合には、警察が闇金に警告してくれたり、場合によっては逮捕してくれたりすることが期待できます。
警察に動いてもらうためには、次のような証拠を持参することが重要です。
- 闇金との通話履歴
- 通話を録音したデータ
- SMSやメールなどのスクリーンショット
- 振り込み明細書や通帳の履歴(お金を支払ってしまった場合)
ただし、実害が生じていない場合は、警察が動いてくれないことも多いです。
弁護士・司法書士に相談する
闇金問題を解決するためには、弁護士・司法書士という法律の専門家によるサポートを受けることがベストです。
多くの場合、弁護士・司法書士が介入すると闇金は手を引きます。
特に、闇金から肩代わり返済を執拗に要求されている場合や、家族や職場などにも連絡されている場合などは、すぐに弁護士・司法書士へ相談することをおすすめします。
借主本人に弁護士・司法書士への相談を勧める
勝手に闇金の緊急連絡先にされたことによるトラブルを根本的に解決するためには、借主本人にも闇金との関係を断ち切ってもらうことが望ましいです。
借主本人に対して、弁護士・司法書士の力を借りることで闇金問題の解決が可能であることと、相談することのメリットを伝えて、早期の相談を勧めてみましょう。
闇金から連絡が来たら弁護士・司法書士に相談を
闇金から連絡が来たときは、弁護士・司法書士のサポートを受けることで以下のメリットが得られます。
- お金を支払ってはいけないことなど、闇金への正しい対処法についてアドバイスが受けられる
- 依頼すれば迅速に動いてもらえる
- 闇金に対して連絡を止めるように警告・交渉してもらえる
- 刑事告訴など警察での手続きもサポートしてもらえる
- 携帯電話の利用停止や口座凍結などの手続きにより、闇金が営業できないように追い込んでもらえる
- 必要に応じて、借主に対する損害賠償請求を代行してもらうことも可能
弁護士・司法書士の力を借りることで、闇金からの連絡が止まり、平穏な生活を取り戻すとともに、借主との問題も含めて、闇金に関するトラブルを一挙に解決することが期待できます。
まとめ
勝手に闇金の緊急連絡先にされても、借金を肩代わりする義務がないのはもちろんのこと、借主本人と連絡をとる必要もありません。闇金の要求に応じると、次々にさまざまなことを要求され、精神的にも金銭的にも被害が拡大するおそれがあることに注意が必要です。
正しい対処法は無視することですが、闇金からの連絡や肩代わり返済の要求が続くときは、早めに弁護士・司法書士に相談した方がよいでしょう。
闇金問題に巻き込まれたら、弁護士・司法書士の力を借りて、早期に解決を図ることが大切です。



