- 闇金に個人情報を教えてしまうとお金を借りなくてもリスクがある
- 闇金に個人情報を教えてお金を借りると危険なリスクを負う
- 闇金に個人情報を教えてしまった場合、無視するだけでは解決できないことが多い
- 闇金に個人情報を教えてしまった場合は弁護士・司法書士への相談がおすすめ
闇金からお金を借りようとして連絡をすると、個人情報を必ず聞き出されます。
自分の住所や電話番号はもちろんのこと、勤務先の名称や連絡先、さらには家族や親戚、友人・知人の電話番号まで聞き出されることがほとんどです。
闇金に個人情報を教えてしまった場合、いざ返済できなくなると自分だけでなく周囲の人にまで取り立ての電話をかけられてしまい、迷惑をかけることになります。
たとえお金を借りなかった場合でも、いったん闇金に個人情報を知られてしまうと、さまざまなリスクを負ってしまうことに注意が必要です。
この記事では、闇金に個人情報を教えてしまった場合に注意すべきリスクと、そのリスクを回避するための対処方法について解説します。
闇金が個人情報を提出させる理由
そもそも、なぜ闇金は申込者に個人情報を提出させるのでしょうか。
その理由をひとことで言えば、申込者を精神的に追い込むことにより、多額のお金を巻き上げるためです。
借金をする際に申込者自身の氏名や住所、電話番号、口座番号などを貸主に教えるのは当然のことですが、闇金は職場や家族、親戚、友人・知人など身近な第三者の連絡先まで聞き出します。
そして、借主が返済できなくなった場合には、借主本人に対してだけでなく第三者に対してまでも、取り立てや嫌がらせの電話を頻繁にかけます。
自分が厳しい取り立てを受けるだけなら我慢ができても、周囲の人たちにまで迷惑がかかるのは耐えられないことでしょう。
このようにして精神的に追い詰められて、その苦しみから逃れるために、闇金に対して不当に高額のお金を支払ってしまいます。
闇金は、初めから借主を追い込むことを目論んで、個人情報という弱みを握ろうとするのです。
たとえお金を借りなかったとしても、闇金に弱みを握られてしまうと、次にご紹介するようなリスクを負うことに注意しましょう。
闇金に個人情報を教えてしまった場合のリスク
闇金に個人情報を教えてしまった場合に注意すべきリスクは、以下のとおりです。
- しつこく勧誘される
- 押し貸しされる
- 他の業者に個人情報を流される
- 激しい取り立てを受ける
- SNSなどで個人情報を晒される
- 貼り紙などの嫌がらせをされる
- 犯罪行為を手伝わされる
しつこく勧誘される
お金を借りなかった場合でも、闇金の方から頻繁に電話がかかってきて、しつこく借入を勧誘されます。
勧誘の電話では、ソフトな口調で、「今ならキャンペーン中なので特別に低金利でご利用いただけます」などと甘い言葉をささやいてきます。
脅し文句などはありませんが、断っても繰り返し継続的に電話をかけてくることが少なくありません。「しつこい電話が止まるなら借りたほうがましだ…」と考え、実際に借りてしまう人もいます。
押し貸しされる
借入を断っても、押し貸しをされてしまうケースもあります。押し貸しとは、借入の申し込みをしていないにもかかわらず闇金が勝手にお金を振り込んで、返済を迫る手口のことです。
この場合、闇金に教えた銀行口座に突然、数万円のお金が振り込まれます。併せて闇金から電話がかかってきて、利息や返済日、返済方法などを指示されます。
こちらが「借りてない」と言っても闇金は「既に契約は成立している」などと言い張り、返済しなければ激しい取り立てをしてきます。
他の業者に個人情報を流される
闇金に教えた個人情報は、ほぼ確実に、他の業者に流されています。名簿業者に売り渡されるだけでなく、関連する業者に横流しされることも多いです。
そのため、いったん闇金と関わってしまうと、他の闇金業者からも勧誘の電話がかかってくるケースが多発しています。
身に覚えのない闇金業者から押し貸しをされたり、さらには闇金以外の詐欺業者などから勧誘の電話がかかってくるケースも少なくありません。
激しい取り立てを受ける
闇金からお金を借りた場合、返済が1日でも遅れると、電話で激しい取り立てを受けてしまいます。
闇金は「これから家に行くぞ」などと脅しますが、他の客対応で忙しいこともあり、小口の貸付であれば自宅や職場などに直接取り立てに来るケースは少ないです。
その代わり電話で「払わなければ、どうなっても知らないぞ」「強盗してでも返済しろ」「売春すれば金を用意できるだろ」などの脅し文句を使って恫喝します。
このような電話が連日100件以上かかってくるケースも珍しくありません。借主は何とかしてお金を用意するしかない、という精神状態に追い込まれてしまうでしょう。
家族や職場、友人・知人にまで取り立てが及ぶ
闇金による取り立ては借主本人に対してだけでなく、家族や職場、友人・知人にまで及ぶことがほとんどです。
これらの第三者に連絡して「○○さんがお金を借りて返してくれないので、返すように伝えてください…」と言うだけのこともあれば、「保証人のあなたが代わりに支払ってください…」などと、第三者に返済を迫るケースもあります。
誰かが返済するまで、闇金は第三者への連絡も頻繁かつ執拗に行うので、周囲の人たちに多大な迷惑をかけてしまうことになります。
このように家族や会社にまで連絡が行くため、借主は「もう逃げられない」という精神状態に追い込まれてしまいます。
SNSなどで個人情報を晒される
近年の闇金に多い手口として、滞納した借主の個人情報をSNSなどで晒すというものがあります。
借主の実名や住所、携帯番号、勤務先の社名などを公開し、「この人は借りたお金を返さないドロボーです」などと誹謗中傷する内容の投稿をするケースが典型例です。
その上で、闇金は「投稿を削除して欲しければ金を払え」などと返済を要求してきます。これも、個人情報を悪用して多額のお金を巻き上げるための手口の一つです。
貼り紙などの嫌がらせをされる
闇金に住所や電話番号などの個人情報を教えると、返済が遅れた場合に自宅に貼り紙をされたり、大量の出前を勝手に注文されたり、消防車や救急車、葬儀屋などを呼ばれたりなどの嫌がらせをされることもあります。
これらの嫌がらせは、以前から闇金が用いている常套手段であり、近年でも行われています。
その目的は、やはり「返済しなければに大変なことになる」という恐怖心を借主に植え付けて、多額のお金を巻き上げることです。
犯罪行為を手伝わされる
闇金に返済できない場合には、犯罪行為を手伝わされるケースも増えてきています。
以前からよくあるケースとして、借金を免除または減額するのと引き換えに、携帯電話や銀行口座を闇金に譲渡させられるというものがあります。
闇金の言うとおりに譲渡してしまうと、借主が罪に問われます。
その他にも、近年では特殊詐欺の掛け子、受け子、出し子や、違法薬物の運び屋などの闇バイトをさせられ、特流に巻き込まれるケースが急増しています。
これらの犯罪行為には、末端の実行犯だけが逮捕され、指図をした悪質業者はなかなか検挙されないという特徴があります。闇金は、検挙されるリスクを借主に押し付けて、莫大な利益を得ようとしているのです。
やりたくないと思っても、闇金に個人情報を握られていると逃げられない状況に追い込まれてしまいます。
闇バイトなどに手を出してしまうと、「違法だとは知らなかった」という言い訳は通用しないことに注意が必要です。
闇金に個人情報を教えてしまい、被害を受けた事例
ここでは、闇金に個人情報を教えてしまい、被害を受けた具体的な事例をご紹介します。
お金を借りた場合はもちろんのこと、借りていないのに被害を受けた事例も実際にあるので、しっかりと確認していきましょう。
借りてないのに取り立ての電話がかかってきた
闇金からお金は借りなかったものの、個人情報を教えてしまったために、会社や自宅に嫌がらせの電話がかかってきたという事例があります。
先日、ヤミ金とは知らずに融資の申し込みをしてしまいました。途中で様子が変なことがわかり、キャンセルしましたが、そのあと嫌がらせの電話が会社や自宅にかかってきて大変でした、会社には事情を説明しましたが、弁護士などに、相談したほうがいいのでしょうか?嫌がらせの電話などは、その日以降はありません。
引用元:YAHOO!知恵袋
一時的に嫌がらせの電話がかかってくるだけなら被害は比較的軽いですが、今後も注意する必要があります。闇金に教えた個人情報は流出する可能性が極めて高いので、いずれ、他の闇金や詐欺業者などからも勧誘の電話がかかってくる可能性が十分にあります。
このように、闇金に個人情報を教えるだけでも危険なリスクを負ってしまうことを知っておきましょう。
押し貸しをされた
次に、闇金に個人情報を教えてしまったために、押し貸しをされた事例をご紹介します。
闇金に個人情報を渡してしまい 勝手にお金を振り込まれてしまいました。
どうしてもお金が必要だったとは言え バカな事をしたと反省してます。
振り込まれたお金は使ってません。元金分は返したいので、明日2度目の振り込みをします。それで完済になるのですが、電話の様子だと、完済させないつもりのようです。引用元:YAHOO!知恵袋
勝手に振り込まれたお金は返せばよいと思っても、振り込みをするためには闇金と連絡を取らなければなりません。連絡を取れば、闇金から多額のお金を要求されてしまいます。
この事例のように、完済させないという対応をとられることも多いです。
このような場合には、完済するまでの間、法外な金利による利息を要求される可能性が非常に高いです。
自宅だけでなく子どもの職場や近所の人にまで電話をかけられた
次は、お金を借りたケースだと思われますが、闇金からの取り立ての電話が自宅だけでなく、子どもの職場や近所の人にまで及んだというケースです。
ヤミ金の取り立て被害にあってます。電話が自宅以外に近所までにかかっています。子供の職場にも電話がありました。
引用元:YAHOO!知恵袋
このように、闇金は借主から聞き出した個人情報をフルに活用して、取り立てをしてきます。
自分以外の第三者の個人情報を闇金に教えてしまったら、そのすべての人たちに迷惑がかかると考えておかなければなりません。
個人情報を横流しされた
次は、闇金から借りたお金は返済できたものの、個人情報を横流しされるという被害に遭った事例です。
闇金利用して何が1番大変かって、個人情報を売られてしまうので、融資の案内(もちろん闇金)や悪徳業者からの営業電話、SMSなどが頻繁に来る😔
引用元:X
売られた個人情報を買った業者は、おそらく、闇金を利用したことがある人の個人情報であることを知っていると考えられます。
そのため、「この人はお金に困っているはずだ」と考えて、借入などの勧誘を積極的に仕掛けてくるのでしょう。
何社もの闇金に手を出すと、金銭的に膨大な被害を受けることになります。
実家にピザ屋や葬儀屋を呼ばれた
次は、身近な人が闇金から借金をする際に個人情報を渡されてしまったため、闇金から悪質な嫌がらせを受けたという事例です。
姉の元旦那が闇金に手を出し、離婚しているのにもかかわらず、姉の住む実家の住所、電話番号、姉の勤務先まで闇金に教えたらしく、昨日から取り立ての嫌がらせが来ました。
実家に葬儀屋が二軒、ピザ屋、電話は引っ切り無し。姉の勤務先にも電話何件も、ピザ屋。
警察に相談しましたが、無視するしかないと。引用元:YAHOO!知恵袋
闇金が勝手に飲食物のデリバリーを注文したり、葬儀屋や救急車などを呼んだりする嫌がらせは、古くから行われています。
このケースのように、闇金による嫌がらせ行為は借主本人に対してだけでなく、第三者にも及ぶことがあります。
知らないうちに闇金へ個人情報を教えられた第三者は、とんだ迷惑を受けることになるのです。
闇金に個人情報を教えてしまった場合にしない方がよいこと
闇金に個人情報を教えてしまった場合に、被害を回避したり最小限に抑えたりするためには、早急に対処する必要があります。
ただし、以下の3つの対処方法は根本的な解決につながらないため、しない方がよいといえます。
- 無視する
- 電話番号を変える
- 引っ越しをする
無視する
まだお金を借りていない状態で、闇金から勧誘の電話がかかってくる場合には、無視するに限ります。しかし、既にお金を借りて滞納し、取り立てや嫌がらせ行為を受けている場合は、無視するだけでは解決できません。
闇金に対しては「無視するのが一番」と言われることも多いですが、その理由は、闇金から借りたお金を返済する必要がないからです。
出資法の上限金利を著しく上回る暴利を伴う貸し付けの契約は、公序良俗違反として無効です。借りたお金は不法原因給付に当たるため、闇金には法律上の返還請求権が認められません。
その結果、借主は利息だけでなく元金も返済する必要がないのです。したがって、理論上は無視すればよいということもできます。
しかしながら、闇金はそれを承知でお金を貸し付けています。借主本人が無視すると、職場や家族をはじめとする第三者に対する取り立てや嫌がらせを開始します。
周囲の人たち全員が闇金を無視すれば、やがて解決しますが、それは現実的ではないでしょう。
闇金を無視すれば、身の回りの多くの人たちに迷惑がかかることになるので、危険です。
電話番号を変える
闇金から借金をした後に電話番号を変えれば、滞納したとしても取り立ての電話はかかってきません。
しかし、住所を教えていれば、貼り紙やデリバリーピザの注文をされたり、SNSなどで個人情報を晒されたりするリスクは解消されません。
それ以前に、やはり職場や家族をはじめとする第三者に対する取り立てや嫌がらせが始まります。周囲の人たち全員が電話番号を変えることは不可能でしょう。
さまざまな個人情報を闇金に教えてしまった以上、自分の電話番号を変えるだけでは問題を根本的に解決することはできません。
引っ越しをする
闇金から逃れるために引っ越しを考える人もいますが、これまでご説明してきたことと同様、根本的な解決にはつながりません。
自分が闇金の取り立てや嫌がらせから逃れることができたとしても、周囲の人たちには多大な迷惑がかかってしまいます。これでは、何も解決したことにはならないでしょう。
闇金に個人情報を教えてしまったら、いち早く、次にご紹介する対処方法により根本的な解決を図る必要があります。
闇金に個人情報を教えてしまった場合の正しい対処方法
いったん闇金問題に巻き込まれると、一人で対処するのは危険です。解決するための正しい対処方法は、警察や弁護士・司法書士に相談することです。
警察に相談する
身の危険を感じるときは、警察に相談しましょう。警察が介入すると、闇金による取り立てや嫌がらせは、いったん止まることも多いです。
しかし、深刻な実害が生じていなければ警察は動いてくれず、「無視してください」とだけアドバイスされることも少なくありません。
動いてくれたとしても、近年の闇金は足がつかないように細心の注意を払っているため、検挙されるまでには長い期間を要することになりがちです。
闇金も、このような状況を把握しているため、ほとぼりが冷めた頃に取り立てや嫌がらせを再開するケースが多々あります。
そのため、警察だけでなく弁護士・司法書士という法律の専門家に相談することも必要となってきます。
弁護士・司法書士に相談する
闇金問題を解決するためには、弁護士または司法書士に相談するのが最も有効な対処方法です。
弁護士・司法書士は借主の代理人として闇金に連絡し、取り立てや嫌がらせを一切やめるように交渉してくれます。
やめなければ法的措置をとるという警告もしてくれるので、ほとんどの場合はこれで取り立てや嫌がらせが止まります。
中には止まらないケースもありますが、その場合には弁護士・司法書士が闇金の携帯電話や銀行口座の利用を停止する措置をとるなどして、営業できない状態に追い込んでくれます。
それでも取り立てや嫌がらせが続くことは、まずありません。弁護士・司法書士は警察とは異なり、被害者の味方としてすぐに動いてくれます。気軽に相談してみましょう。
まとめ
闇金に個人情報を教えてしまったら、お金を借りていなくても勧誘の電話がかかってきたり、押し貸しされたりすることがあります。
お金を借りると法外な利息を要求されますし、払えなければ個人情報を悪用した取り立てや嫌がらせを受けてしまいます。
闇金には手を出すべきではありませんが、もし、個人情報を教えてしまった場合は、早めに弁護士・司法書士へ相談することを強くおすすめします。
弁護士・司法書士の力を借りて、平穏な生活を取り戻しましょう。