- 司法書士との信頼関係が損なわれると辞任されることがある
- 闇金問題に強くない司法書士・弁護士に依頼した場合も辞任されることがある
- 辞任の原因が依頼者側にある場合、支払い済みの着手金は返してもらえない
- 闇金問題の解決は闇金に強い司法書士・弁護士のアドバイスに従うことが重要
闇金問題の解決を司法書士や弁護士に依頼したものの、途中で辞任されてお困りの方もいるようです。
まだ解決していないにもかかわらず専門家が辞任してしまうと、自分で闇金に対処しなければならないため、事態が悪化する可能性が非常に高いです。
そうなると闇金から身を守るためにも、改めて闇金に強い司法書士・弁護士に依頼することが重要となります。
この記事では、闇金問題で依頼した司法書士・弁護士に辞任される理由や、辞任された場合のリスク、さらには対処法まで解説します。
闇金問題で依頼した司法書士・弁護士に辞任される理由
闇金問題で依頼した司法書士・弁護士が辞任する場合、必ず何らかの理由があるはずです。よくある主な理由として、以下のものが挙げられます。
虚偽の内容を報告した
司法書士や弁護士への相談時や依頼時に虚偽の内容を報告し、それが後に発覚すると、辞任されることがあります。依頼者がよくやってしまう虚偽の申告には以下のようなものがあります。
- 闇金からの借入件数を実際より少なく報告した
- 闇金以外にも借金があることを隠した
- 自分の収入を実際よりも多く申告した
専門家が問題を解決するためには、依頼者による借り入れの全体像や生活状況を正確に把握しなければなりません。また、一緒に問題を解決するわけですので、専門家にとっては信頼関係が何よりも大切になります。
重要な事項について虚偽の報告をしたり、何度も嘘を繰り返したりすると、専門家はその依頼者の問題を解決することは難しいと判断し、辞任する可能性が高くなります。
連絡に応じない
借金問題を解決するために必要な手続きは司法書士・弁護士が代行しますが、そのためには適宜、依頼者と連絡を取り合い、現在の状況を確認したり、今後の方針を打ち合わせたりしなければなりません。
- 電話が何度かかってきても出ない
- 折り返し電話しない
- メールや手紙が届いても返信しない
このように専門家や事務所スタッフが連絡しても、それに応じなければ、事件処理を進めることができませんので、辞任されてしまいます。
アドバイスに従わない
闇金問題の解決を司法書士・弁護士に依頼した以上は、そのアドバイスに従うことが大切です。
- 闇金からの電話には出ないように指示されたのに、電話でやりとりをする
- 闇金には返済しないように指示されたのに、返済する
- 闇金から取り立てを受けたらすぐ報告するように指示されたのに、連絡しない
- 闇金から新たに借りてはいけないとアドバイスされたのに、借り入れをする
このような専門家からのアドバイスに従わなければ、闇金問題の解決が困難となる上に、信頼関係も破壊されてしまうため、辞任されてしまいます。
費用を支払わない
司法書士・弁護士に事件を処理してもらうためには、着手金を支払う必要があります。闇金問題などの借金問題については、着手金の分割払いに応じている事務所も多いですが、その支払いが滞ると辞任されてもやむを得ません。
1~2回の滞納なら待ってもらえることが多いですが、滞納が3ヶ月以上続くと信頼関係を保てないと判断され、辞任されてしまう可能性が高いです。
司法書士・弁護士に闇金への対応能力が不足している
中には、依頼者側に非がなくても、司法書士・弁護士に闇金への対応能力が不足していることが原因で、辞任されてしまうこともあります。
闇金問題を解決するためには、消費者金融などからの借金問題を解決する場合とは異なる知識やノウハウが要求されます。司法書士・弁護士といえども、闇金問題に特化した専門的な知識やノウハウを豊富に有する専門家は、多くないのが実情です。
そのため、闇金問題に強い司法書士・弁護士を選んで依頼しなければ、「当事務所は闇金事件は対応できません…」となって、途中で辞任されるケースも珍しくありません。
司法書士・弁護士に辞任された場合のリスク
闇金問題の解決を依頼した司法書士・弁護士に辞任されてしまうと、以下のようなリスクが生じることに注意が必要です。
闇金からの取り立てが再開する
基本的に、司法書士・弁護士が介入すると闇金からの取り立ては止まります。闇金は、司法書士や弁護士に依頼した借主からお金をむしり取るのは難しいことを知っているので、専門家が介入した場合には手を引き、別の借主へターゲットを移すからです。
しかし、依頼した専門家が辞任すれば借主はノーガードの状態となるため、闇金からの取り立てが再開されてしまいます。
電話による脅迫的な取り立てや、頻繁な電話やメール、家族や職場への取り立てなど、悪質かつ執拗な取り立てを再び受けることになるでしょう。
借金が増えるおそれがある
借主は司法書士・弁護士に守られていなければ、自分で闇金に対応しなければなりません。
闇金からの支払い要求に応じなければ、過酷な取り立てや悪質な嫌がらせによって精神的に追い込まれてしまうため、なんとしてもでもお金を用意しなければならないと考える人がほとんどです。
とはいえ、法外な利息を自力で支払うことはほぼ不可能なので、別の闇金から借りたり、親族や友人などから借りたりする人も多いです。
このようにして借金が増えて事態が悪化し、問題の解決が困難となってしまうおそれがあります。
なお、近年では、闇金に返済できないときには、銀行口座や携帯電話の譲渡、闇バイトなど犯罪の手伝いを強要されることも多いです。返済に窮したとしても、これらの違法行為に手を出すと警察に逮捕され、重く処罰される可能性が高いことに注意が必要です。
支払った着手金は返ってこない
司法書士・弁護士が辞任した原因が依頼者側にある場合、支払い済みの着手金は原則として返してもらえません。専門家との委任契約の内容によっては何割かを返してもらえることもありますが、全額は返ってこないと考えなければなりません。
別の司法書士・弁護士に依頼する場合には、別途、費用が必要になるため、経済的な負担が重くなってしまうでしょう。
なお、司法書士・弁護士に闇金への対応能力が不足している場合など、専門家側の都合で辞任された場合には、それまでの事件処理の進捗にもよりますが、基本的には着手金を返してもらえます。
司法書士・弁護士に辞任されたときの対処法
司法書士・弁護士に辞任された後に、闇金問題を解決するためには以下のように対処していく必要があります。
闇金からの取り立てには応じない
まずは、闇金からの取り立てを受けても応じず、返済はしないことが重要です。
法外な利息を要求する闇金から借りたお金は不法原因給付に該当するため、利息だけでなく元金も返済する必要はないことが、最高裁判所の判例で認められています。したがって、そもそも闇金には返済する必要がないのです。
「元金だけでも返済して解決しよう」と考える人も多いですが、真面目に返済しようとすると闇金からカモと認定されてしまいます。そうなると、さまざまな口実で次々にお金を要求され、さらに事態が悪化する可能性が高いことに注意しましょう。
警察に相談する
闇金への返済を拒絶すると、当然ながら過酷な取り立てや悪質な嫌がらせを受けてしまいます。放置すると身に危険が及ぶおそれもあるため、警察に相談するのもひとつの方法です。
暴行や脅迫、出資法に違反する高額な利息の支払い、その他にも違法な嫌がらせ行為などで実害が生じている場合には、警察が動いてくれる可能性があります。警察からの警告の電話によって、取り立てや悪質な嫌がらせがいったん止まることもよくあります。
しかし、警察はすぐに動いてくれるとは限りませんし、ほとぼりが冷めたころに取り立てを再開する闇金も多いので、根本的な解決にはつながらないことも多いです。
闇金に強い司法書士・弁護士に改めて相談する
闇金問題を解決するためには、司法書士・弁護士に対応を依頼することが最善の方法となります。ただし、闇金への対処法を熟知した司法書士・弁護士を選んで依頼することが重要です。
前回、闇金への対応能力が不足している司法書士・弁護士に依頼して辞任されてしまった場合は、今回、依頼する専門家を慎重に選ぶことが特に重要となります。
辞任された原因が依頼者側にある場合、新たに相談した専門家との信頼関係を築くためには、その原因を尋ねられたら正直に伝えて、二度と繰り返さないように誓約することも大切です。
闇金に強い司法書士・弁護士の選び方
闇金に強い司法書士・弁護士を選ぶためには、法律相談の利用前や相談時に、以下のポイントに注目しましょう。
闇金への対応経験が豊富にあるか
最も重要なポイントは、その専門家に、闇金への対応経験が豊富にあるかどうかです。
闇金問題への対処法には、消費者金融などからの借金問題とは異なる特有のポイントが数多くあります。専門家といえども、闇金問題に特有の専門知識やノウハウを身につけるためには、経験が要求されます。
債務整理の実績が豊富な司法書士・弁護士でも、闇金に強いとは限らないことに注意が必要です。
無料相談を実施しているか
闇金問題で専門家への相談を要するケースでは、すぐにはお金を用意できないことが多いでしょう。
闇金に強い司法書士・弁護士はそのことを熟知しているので、無料で相談に応じていることが多いものです。
したがって、無料相談を実施しているかどうかも、その専門家が闇金に強いかどうかを判断するための要素のひとつとなります。
説明が分かりやすく、話を聞いてくれるか
闇金問題で専門家に相談する方のほとんどは、過酷な取り立てや悪質な取り立てに悩まされ、精神的に追い詰められてしまっています。
闇金に強い司法書士・弁護士は、そんな相談者の心情も理解しているので、悩みをじっくりと聞き、分かりやすく説明することを心がけているものです。そんな専門家には、安心して依頼することができるでしょう。
たとえ高度な知識やスキルを有する専門家であっても、説明が分かりにくかったり、話を聞いてくれなかったりすると、依頼者にとってはストレスがたまります。意思疎通が不十分になると、満足できる解決を図れないおそれもあるので、ご注意ください。
すぐに動いてくれるか
闇金問題に対処するときは、とにかく取り立てや嫌がらせ行為を早急に止める必要があります。そのためには、依頼を受けた司法書士・弁護士がすぐに動いてくれるかどうかが極めて重要なポイントです。
闇金に強い司法書士・弁護士は依頼を受ける前に、いつ、どのように動くのか、その結果の見通しなども説明し、相談者の不安を取り除いてくれます。
このような見通しについての説明がない専門家に依頼するのは、考えものです。
費用の着手金なし・後払い・分割払いに応じているか
前回、司法書士・弁護士への依頼費用が支払えずに辞任されてしまった方は特に、新たな事務所での費用の支払い方法を慎重に確認しましょう。
闇金に強い司法書士・弁護士の事務所の中には、着手金なし・後払い報酬のみで依頼を受けているところも多いので、そういった事務所を探してみることをおすすめします。
着手金を要する事務所では、無理のないプランで分割払いに応じてくれるかを確認することが重要です。
依頼費用に関するトラブルを回避するためにも、新たな事務所で相談する際には前回の事務所におけるトラブルの内容を正直に伝えましょう。闇金に強い司法書士・弁護士なら、依頼費用の支払い方法を柔軟に検討して対応してくれることが多いものです。
闇金に強い司法書士・弁護士に依頼するメリット
闇金に強い司法書士・弁護士に依頼することで得られる主なメリットは、以下のとおりです。
- すぐに動いてもらえる
- 専門家と闇金との交渉により、取り立てや嫌がらせ行為が早期に止まる
- 闇金には1円も支払わずに解決できる
- 適切なアドバイスにより精神的にもサポートしてもらえる
- 闇金からの取り立てが再開した場合にも、アフターサービスとして対応してもらえる
- 闇金問題を根本的に解決できる
一度、司法書士・弁護士に辞任されると、もう専門家には頼れないと思い込み、一人で対応しようと考える方も多いですが、それでは闇金の餌食になってしまう可能性が非常に高いです。
闇金に強い司法書士・弁護士は、必ず闇金被害者の心強い味方になってくれますので、諦めずに相談しましょう。
まとめ
本記事では闇金問題で依頼した司法書士・弁護士に辞任される理由をご紹介しましたので、これから依頼を検討している方は、辞任されないための参考になさってください。
既に辞任された方は、その理由をご確認の上で新たな専門家を探し、今度は辞任されないよう適切に対応しましょう。
闇金問題は専門家の力を借りることで解決できますので、闇金に強い司法書士・弁護士へお気軽にご相談ください。