- 女性の借金には女性特有の理由があることが多い
- 女性が借金を返済できなければ男性よりも苦境に追い込まれることがある
- 借金の返済が苦しくても闇金などの違法業者に手を出してはいけない
- 債務整理をすれば周囲の人に内緒で借金問題を解決できる可能性がある
男性・女性を問わず、多額の借金を抱えて返せなくなる人は少なくありません。
女性の場合、男性に比べて借金問題を重く受け止め、人に知られたくないという心理が強く働く傾向にあります。そのため、借金の悩みも深いものになるでしょう。
女性の借金には、特有の理由とリスクがあります。
この記事では、女性の借金の理由やリスクを踏まえて、できる限り周囲の人にバレない解決方法を紹介します。
女性が借金を抱えてしまう理由
借金の理由は人それぞれですが、女性が借金を抱えてしまう主な理由として、次のようなものが挙げられます。
- 生活費のため
- 子育てのため
- 美容にお金がかかるため
- 買い物をし過ぎるため
- 交際費や娯楽費を減らしにくいため
- ギャンブルのため
- ホストクラブ通いのため
- 医療費がかさむため
- 奨学金の返済が厳しいため
- うつ病のため
生活費のため
最も多い理由は、生活費が不足するというものです。
近年は女性の社会進出が進んでいるとはいえ、一般的に収入は女性の方が低いことが多いものです。そのため、特に贅沢などをしていなくても、生活費の不足が起こりがちです。
既婚者であっても、夫の収入が低いために借金で生活費を補い、そのことを夫に言い出せない女性が少なくありません。
子育てのため
子育てにはたくさんのお金が必要なので、借金をしてしまう女性が多くいます。
生活費にも事欠く状態であっても、子どもには他の子と同じように習い事をさせたり、学習塾に通わせたいと考える親は多いものです。
子ども自身が希望するのであれば、高校はもちろんのこと、大学にも進学させたいと考えることでしょう。
しかし、教育費や学費は高額ですので、十分な貯蓄ができていなければ借金せざるを得ないこともあります。
また、離婚した場合には女性が子どもを引き取るケースが多い上に、元夫から十分な養育費をもらえず、生活に困窮するというケースも多々あります。
美容にお金がかかるため
女性は男性とは異なり、化粧品の購入をはじめとする美容関連の出費が多くなりがちです。
美容への関心が高い女性の中には、借金をして高額のコスメや装身具などを購入したり、ローンを組んでエステに通う人も少なくありません。
それだけでもかなりの借金を抱えてしまいますが、返済が苦しくなって借入れを重ねてしまい、借金が膨れ上がってしまうケースが多々あります。
買い物をし過ぎるため
女性には男性よりも買い物が好きな人が多い傾向があります。買い物依存症という女性も少なくありません。
高額な洋服やバッグ、アクセサリーなどをクレジットカードで購入し、気がつくと限度額一杯までカードを利用していたというケースがよくあります。
クレジットカードの利用残高が大きくなり、リボ払いを利用していると、いつまで経っても元金がほとんど減らないことになりがちです。
返済が苦しいために他社のカードローンなども利用するようになると、あっという間に借金が膨れ上がってしまいます。
交際費や娯楽費を減らしにくいため
女性も男性と同じように、友人や知人との飲み会、旅行、その他の遊びなどのために借金を作ってしまう人が少なくありません。
女性の場合の特徴としては、人間関係に気を遣うあまりに、乗り気でなくても飲み会や旅行などに参加する人が多いということが挙げられます。
「他の人がみんな参加するから」「参加しなければ仲間はずれにされてしまう」といった気持ちから、お金がなくてもキャッシングなどで交際費や娯楽費を賄う人が少なくないのです。
その結果、返済しきれないほどの借金を抱えることにもなりかねません。
ギャンブルのため
女性でもギャンブルにハマってしまう人はたくさんいます。特にパチンコやスロットなどは女性ユーザーも多く、のめり込む人はたくさんいます。
ギャンブルは勝ったときの高揚感が忘れられず、ストレス発散にもなるため、時間を見つけては、その快感を求めて頻繁にホールに打ちに行ってしまいます。
当然ながらギャンブルで勝つ人はごくわずかです。行けば行くほど負けは積み重なり、挙句の果てには借金してまで通うようになります。
主婦のようにある程度時間がある人がパチンコにハマってしまい自己破産するといったケースもよく聞かれます。
ホストクラブ通いのため
キャバクラや風俗通いにハマる男性がいるのと同じように、ホストクラブ通いにハマる女性もいます。
ホストクラブには売掛というツケ払いのシステムがあるため、手持ちが無くても遊べます。何度も通ってしまい、金額が大きくなって支払いできなくなる人もいます。
その結果、ホストの厳しい取り立てに遭って、風俗で働いて返したり、借金をして売掛を支払うことになります。
医療費がかさむため
女性特有の病気のために医療費がかさみ、やむを得ず借金をする女性も少なくありません。
若い女性なら生理痛や生理不順、30代~40代になると不妊治療、さらに年齢が進むと更年期障害など、女性特有の病気には様々なものがあります。乳がんや子宮がんなども珍しい病気ではありません。
やむを得ない事情があるとはいえ、借金をしてしまうと返済の負担のために家計が悪化し、借金が増えていくケースが非常に多いです。
奨学金の返済が厳しいため
近年では大学などへ進学するために奨学金を借りる人が増えており、その返済が苦しいために別の借金をする女性も増えてきています。
大学などの学費は男女で差がないため、奨学金の借入額も男女差はほぼありません。
しかし、卒業して就職した後に得られる収入は、女性の方が低いことが多いため、奨学金の返済に苦しむ割合も女性の方が多いのです。
奨学金の返済の負担が生活費を圧迫すると、借金を作ってしまう原因となります。
うつ病のため
近年、うつ病を発症する人が増えています。うつ病になると、気分が塞ぎ込んでやる気が起きなくなり、仕事に悪影響がでたり、そもそも出勤できなくなる人もいます。
厚生労働省によると、うつ病は男女で比較した場合、女性のほうが2倍ほど高い傾向があるということです。そんな女性の中にはうつ病によって、仕事をやめて経済的に苦境に立たされ、借金生活に陥る人もたくさんいます。
女性が借金を返済できないときのリスク
女性の借金には、以下のようなリスクが生じます。借入額大きくなればなるほどリスクも大きくなるので、早めの対処が重要となります。
- 精神的負担が重くなる
- 結婚が難しくなる
- 離婚されるおそれがある
- 子育てに支障をきたす
- 給料などを差し押さえられる
精神的負担が重くなる
借金をした人のほとんどは、「借金していることを人に知られたくない」、「誰にも相談できない」という気持ちを持つものです。
男性よりも女性の方が、こういった気持ちを強く持つ傾向にあります。そのため、借金がある女性は問題をひとりで抱え込んでしまい、精神的負担が重くなってしまうことがよくあります。
また、借金を滞納すると貸金業者から電話や郵便で督促を受けるようになりますが、督促による精神的ストレスも男性よりは女性の方が強く受けてしまうでしょう。
結婚が難しくなる
女性が借金を抱えていると、結婚が難しくなるケースもあります。
現在の社会状況では、男性よりも女性の方が「借金している人とは結婚できない」という理由で結婚を拒否されることが多いと考えられます。
実際に相手から拒否されなくても、自分自身が「女性なのに借金を抱えていては結婚できない」と考え、恋愛や結婚に対して積極的になれないこともあるでしょう。
離婚されるおそれがある
既婚女性の借金が夫に発覚すると、夫から離婚を申し渡されるケースもあります。
借金をしたからといって必ずしも法律上の離婚原因に該当するわけではありませんが、「借金をするような妻とはやっていけない」という理由で離婚問題が発生するケースは少なくありません。
「女性が借金をすべきではない」という社会通念のようなものがあるためか、夫が借金をした場合よりも妻が借金をした場合の方が、離婚問題に発展する割合が高いようです。
子育てに支障をきたす
子育てにはたくさんのお金が必要です。母親が借金の返済に追われているような生活状況であれば、子どもに習い事をさせたり、学習塾に通わせたりすることが難しくなるでしょう。
私立の学校や大学に進学させるとなると高額の学費が必要となるため、母親の借金のために子どもの進路の選択肢が狭まってしまうことにもなりかねません。
子どもが奨学金を借りて大学に進学するとしても、親が借金を滞納していると連帯保証人になれないといった支障も出てきます。
給料などを差し押さえられる
借金の滞納を重ねてしまうと、やがて債権者から裁判を起こされ、給料や預貯金などの財産を差し押さえられることがあります。給料を差し押さえられた場合には、会社に借金のことがバレてしまいます。
このリスクは男女問わずありますが、職場の人に借金がバレることによる精神的負担は女性の方が強く感じることでしょう。周囲の人の目を気にして職場にいづらくなり、退職してしまうというリスクも女性の方が高いと考えられます。
借金苦の女性がやってはいけないこと
女性が借金をした場合には早めに対処すべきですが、対処法を誤ると、かえって深刻な事態に陥りかねません。返済が苦しくても、以下のような行為は控えましょう。
- 闇金から借りる
- 個人間融資やひととき融資で借りる
- クレジットカードの現金化や給与ファクタリングに手を出す
- 風俗など夜の仕事で稼ごうとする
- 借金を放置する
闇金から借りる
闇金から借金をすると、年利にして数百%から千%を超えるような暴利を要求されるため、返済することはほとんど不可能になってしまいます。
返済できなければ、家族や職場にまで催促の電話がかかってくるため、ほぼ確実に借金のことが周囲の人たちにバレてしまいます。
完済するまで執拗な取り立てや悪質な嫌がらせ行為が続くため、精神的にも追い込まれてしまうでしょう。
闇金は総量規制(年収の3分の1を超える借入れはできないこと)やブラックリストの影響で正規の貸金業者から借りられない人にもお金を貸してくれますが、決して手を出してはいけません。
個人間融資やひととき融資で借りる
SNSや掲示板サイトで勧誘している「個人間融資」や「ひととき融資」なら、闇金よりも安心と考えて利用する人もいます。
しかし、実態は個人を装った闇金であるケースが非常に多いので、絶対に手を出さないようにしましょう。
個人間融資やひととき融資に手を出してしまうと、闇金のケースと同様に暴利を要求されます。それだけでなく、返済できなければ肉体関係を強要されたり、ネットで個人情報を拡散されるなどの深刻な被害を受ける可能性が非常に高いです。
クレジットカードの現金化や給与ファクタリングに手を出す
ネットなどでお金の調達方法を検索していると、クレジットカードの現金化や給与ファクタリングの勧誘をしている業者も目につくことでしょう。
これらの業者も闇金と類似の違法業者であり、手を出すと闇金の暴利と同等の高額な手数料を要求されます。
違法業者を利用しても根本的な解決につながらないばかりか、経済状況が顕著に悪化してしまうことに注意が必要です。
風俗など夜の仕事で稼ごうとする
女性の中には、借金返済のために風俗や水商売などで働く人も少なくありません。違法な仕事でなければ夜の仕事で高額の収入を得るのも悪いこととは言い切れませんが、おすすめはできません。
夜の仕事で大金を稼ぐと金銭感覚が狂ってしまい、堅実な生活を営めなくなる人も多いようです。
また、夜の仕事に従事していれば結婚が難しくなることもあるでしょうし、既婚女性が家族に内緒で夜の仕事に従事した場合には、離婚問題に発展する可能性が高いでしょう。
借金を放置する
男女問わず、借金の返済が難しくても放置してはいけません。借金を放置すると、遅延損害金が加算されて返済額が膨れ上がってしまい、なおさら返済が難しくなります。
滞納を2~3ヶ月続けると一括返済を請求され、払えなければ裁判を経て給料などを差し押さえられるおそれがあります。
借金の返済義務は5年で時効にかかりますが(貸金業者からの借金の場合)、貸金業者も時効を阻止するための手続きをとってくるので、時効が成立するケースは少数です。
たとえ夜逃げをしても時効による解決はあまり期待できないので、夜逃げもおすすめできません。
女性の借金問題を正しく解決する方法
借金問題は、正しい方法で解決しなければなりません。女性が多額の借金を抱えた場合でも、早期に対処すれば周囲の人にバレずに解決することも可能となります。
- 家計の収支を見直す
- 高金利の借金から優先して返済する
- 低金利のローンへの借り換えやおまとめローンを利用する
- 親族などに援助を依頼する
- 債務整理を検討する
家計の収支を見直す
まずは、家計の収支を見直してみましょう。収入をすぐに増やすのは難しいかもしれませんが、無駄な出費を減らしたり、なくしたりすることはすぐにできるはずです。
外食を減らして自炊をして会社にも弁当を持参したり、利用頻度の低いサブスクを解約したりするなど、支出を削減できるポイントはいくつかあるはずです。
家賃や通信費、保険料、水道光熱費、自動車関連費用などの固定費の削減を検討すると、節約効果が高くなります。
家計の余裕を増やした上で、計画的に返済を進めるようにしましょう。
高金利の借金から優先して返済する
家計を見直した結果、余裕が生じた場合には、繰り上げ返済がおすすめです。
その際には、金利の高い借金から優先して返済することで、今後の利息を大きく減らせるので、返済の負担を軽減する効果が高まります。
一般的に、消費者金融やクレジットカードのキャッシングによる借金は、銀行カードローンやショッピングによる借金よりも金利が高いです。
繰り上げ返済をする際には、消費者金融やクレジットカードのキャッシングによる借金を優先させましょう。
低金利のローンへの借り換えやおまとめローンを利用する
利息の負担を減らすためには、低金利のローンへの借り換えやおまとめローンの利用も有効です。
消費者金融からの借金を銀行カードローンに借り換えるだけでも、金利が数%~5%ほど下がるので、毎月の返済額を少し減らせます。
すべての借金を低金利の業者に一本化する「おまとめローン」なら、毎月の返済額を大幅に減らせることもあります。
ただし、返済期間が長引くと、かえって利息の支払額が増えることもあるので注意が必要です。借り換えやおまとめローンの利用後は、なるべく早期の完済を目指すようにしましょう。
親族などに援助を依頼する
自力での返済が難しければ、親族などで頼れる人に援助を依頼してみるのもよいでしょう。誰にもバレずに解決することはできなくなりますが、一括で肩代わり返済してもらえれば、精神的負担は大きく軽減されるはずです。
後に親族に返済する必要があるとしても、通常は利息を負担する必要がないので、返済しやすくなるでしょう。
債務整理を検討する
借金問題は、債務整理で解決できます。返済しきれないほどの借金を抱えた場合には、債務整理による解決も視野に入れてみましょう。
債務整理には、次の3種類の手続きがあります。
- 任意整理…債権者との交渉で利息をカットしてもらい、残元金を3~5年の分割で返済する手続き
- 個人再生…裁判所の手続きによって借金総額を5分の1~10分の1程度に減縮し、残った借金を3~5年の分割で返済する手続き
- 自己破産…裁判所の手続きによって借金を全額免除してもらうことが可能な手続き
借金総額が比較的少ない場合や、保証人に迷惑をかけたくない場合などは任意整理に向いています。
多額の借金を抱えている場合は個人再生または自己破産が必要となりますが、残したい財産がある場合は個人再生の方が適しています。
借金を減らしても返済できるだけの収入がない場合でも、自己破産なら解決可能です。
債務整理は家族や知人にバレない?
債務整理をすると周囲の人に借金がバレてしまうと考える人は多いですが、バレずに手続きができる可能性も十分にあります。
任意整理の手続きは裁判所を利用しないため公表されないので、内緒で手続きできる可能性は高いといえます。
個人再生または自己破産をすると官報に掲載されますが、一般の人が官報を見ることはほとんどないので、バレるケースは少数です。
弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば、弁護士・司法書士の事務所がすべての連絡の窓口となるため、バレるリスクを極限にまで抑えることができます。
女性の借金問題をバレずに解決するためには、弁護士・司法書士への依頼が有効といえるでしょう。
女性の借金問題で弁護士・司法書士に依頼するメリット
女性の借金問題の解決を弁護士・司法書士に依頼すれば、「バレにくい」ということの他にも以下のメリットが得られます。
- 状況に応じて最適な解決方法が分かる
- 受任通知の送付により債権者からの督促が早期に止まる
- 債務整理手続きが終了するまで返済も止まる
- 複雑な手続きは弁護士・司法書士に一任できる
- 専門家が的確に手続きを進めるので、有利な結果が期待できる
弁護士・司法書士は守秘義務を負っているので、借金したことや相談・依頼したことが漏れる心配はありません。
また、女性専用債務整理相談窓口がある事務所もあります。安心して、まずは相談してみましょう。
まとめ
女性でも多額の借金を抱えている人は数多くいますので、必要以上に自分を責める必要はありません。それよりは、早期に借金問題の解決方法を考えることが重要です。
弁護士・司法書士に相談すれば、状況に応じて最適な解決方法をアドバイスしてもらえます。誰にも言えなかった悩みを聞いてもらえるだけでも気持ちが楽になることでしょう。
女性の借金問題はひとりで抱え込まず、早めに弁護士・司法書士の力を借りて解決してしまいましょう。