Googleのスピードアップデートとは、ランキングアルゴリズム(Googleの検索結果の順位付けを決定しているアルゴリズム)にモバイルページの表示速度が組み込まれたことを指します。
このアップデート後には、モバイルページのページ表示速度の違いにより順位に影響がでてくることになります。
ちなみに、アルゴリズム単体でよぶ場合は、ページスピードアルゴリズムとよぶのがよいでしょう。
スピードアップデートの導入時期と経緯
2018年7月9日、Googleは検索結果の順位のランキング付けをおこなうアルゴリズムにスピードアップデートを導入しました。
冒頭でも少し触れましたが、スピードアップデートはモバイル端末での検索向けにおこなわれたもので、モバイルの検索結果に影響をあたえるアップデートとなります。
ページスピードアルゴリズム自体新しいアルゴリズムではなく、すでに2010年にページの表示速度をPC向けのランキングシグナルとして取り入れていました。
(モバイル版のアルゴリズムはPC版をベースにモバイルページ向けに改良したものだとGoogleの技術者が話しています)
この時はまだスマホなどモバイル端末がそこまで普及しておらず、対応は後回しにされていました。
そのため、今回のスピードアップデートが導入される前までは、モバイルの検索結果においてもPC用ページの表示速度がランキングシグナル(その他のアルゴリズムも同様)に用いられていました。
しかし、スマホの普及率が高まりモバイル端末での検索が当たり前になってきたこともあって、モバイルページがより重要視されるようになった形になります。
さらにモバイルファーストインデックスが導入されたことも影響していると考えられます。
ただし、スピードアップデートにおいて影響を受けるのはごくわずかのWebサイトだけになります。
その理由については、次のスピードアップデートの特徴の項目で詳しく解説していきます。
スピードアップデートの特徴
Googleは、スピードアップデートで影響を受ける可能性のあるサイトについて、ユーザーに対してページの表示速度がものすごく遅いと感じさせるページが影響を受けると語っています。
つまり、サイトの表示速度が極端に遅くない限りは、影響を受ける可能性は少ないということになります。
そのため、スピードアップデートで影響を受けるのはごく一部のサイトだけになります。
しかし、ここで問題になってくるのが、サイトの表示速度が遅いと感じる基準はユーザーによって異なるという点です。
(実際にGoogleも何秒からが遅いサイトで影響を受けるということは公表していません)
一般的にサイトの表示においてユーザーが待てる限界は3秒ほどだと言われています。
ですが、これはあくまで平均的な数値であって、サイトが表示されるまでに待てる時間は人それぞれです。
また、サイトの環境次第ではどうやっても3秒以内にできないサイトは少なくありません。
なので、3秒以内に収まるようにするよりも、現在のページスピードよりも可能な範囲で速くする方が重要です。
そのため、サイトの表示速度の改善には常に取り組んでおく必要になってきます。
スピードアップデートの対策
では、実際にサイトの表示速度の改善に取り組む場合には、どういった施策をおこなっていけばいいのでしょうか?
ページの表示速度にはさまざまな要因が関係しています。
例えば、次のような箇所を見直します。
- サーバーの見直し
- 画像データの圧縮
- ブラウザのキャッシュへの対応
- ソースコードの最適化
- MSで使用するプラグインの制限
細かな部分をあげるとキリがありませんが、サイトの表示速度の改善にはこういった細かな部分の修正や対応が必要になります。
しかし、実際に表示速度の改善に取り組むのであれば、やみくもに修正をおこなうのではなく、一旦自分のサイトのどこが表示速度に影響をあたえているのかを理解した上で対策をおこなっていく必要があります。
そこで役に立つのが、PageSpeed InsightsやTest my siteなどのツールです。
PageSpeed Insights
PageSpeed InsightsはGoogleが提供しているサイトの表示速度を計測してくれるツールで、無料で利用することができます。
使い方はとても簡単で、PageSpeed Insightsのサイトにアクセスし、あなたのサイトのURLを入力して分析をおこなうだけです。
後は勝手にツールがあなたのサイトの内部構造などを分析し、その結果を100点満点中何点かという方式で表示してくれます。
また、点数を表示してくれるだけでなく、具体的にどこがサイトの表示速度に悪影響をあたえていて、どこを修正するべきなのかについてのアドバイスももらえるので、そのアドバイスを元にサイトを修正していけばあなたのサイトの表示速度は改善していきます。
Test my site
Test my siteもPageSpeed Insights同様、Googleが提供しているサイトの表示速度の計測ツールです。
Test my siteはモバイルサイトの表示速度を計測するツールなので、今回のスピードアップデートへの対応を考えるのであれば、Test my siteの結果の方が重要になってきます。
Test my siteの使い方はとても簡単で、PageSpeed Insights同様サイトのURLを入力してボタンをクリックするだけで自動で分析をおこなってくれます。
Test my siteサイトではより詳細な分析結果をレポートとしてメールアドレス宛てに送ってくれるので、後はそのレポートを元にサイトの修正をおこなっていけばいいわけです。
本当にスピードを改善する必要はあるの?
今回のスピードアップデートはユーザーに不快感を与えるほど表示速度が遅いページにしか影響しないと解説してきました。
そのため、「うちのサイトはそこまで遅くないから改善しなくてもいいかな?」とついつい考えてしまうものですが、先ほども言った通り表示速度の体感はユーザーによって異なります。
したがって、改善できる箇所があれば、どんどん改善をおこなっていくべきです。
また、表示速度が改善することでユーザービリティが向上しますし、CV率が向上する可能性もあります。
スピードアップデートではランキングシグナルのみに意識がいってしまいがちですが、表示速度の改善を常におこなっていくことで、その他の部分にも大きく影響してくるということです。