canonicalとは、HTMLのタグの一つで、head内に記載して使用します。
canonicalタグは、Webサイト内に同じ内容のページが存在している場合、Googleに重複ページ(重複URL)として判断されてしまうのを避けるためのタグです。
canonicalの用途
canonicalタグは、主に以下のような用途で用いられます。
httpとhttpsの両方がインデックスされてしまっている場合の正規化
Webサイト内にお問い合わせページや商品の購入ページなど個人情報の入力が必要なページが存在する場合、そのページだけにSSLを適用させ、他のページには適用させていないというサイトは多いかと思います。
その場合、検索結果において以下のようなhttpとhttpsの両方のページがインデックスされてしまうことがあります。
例:
http://example.com
https://example.com
こういったページに対してcanonicalを使って正しい方のページを指し示してあげることで、正しいページをGoogleに認識させてあげることができるようになります。
wwwありとwwwなしの両方がインデックスされてしまっている場合の正規化
上記と同様のケースとして、www.ありとwww.なしの両方がインデックスされてしまうこともあります。
例:
https://www.example.com
https://example.com
この場合も、www.ありとwww.なしの正しい方をcanonicalタグで指し示してあげることで、正しいページをGoogleに伝えることができます。
広告運用などに用いられるパラメータURLの正規化
のバナーがクリックされたか等広告の運用にはパラメータが不可欠です。
ですが、パラメータ付きのURLでリンクしてしまうと、正規のURLとパラメータ付きのURLが両方検索結果に表示されることがあります。
例:
https://example.com
https://example.com?utm_source=news4&utm_medium=email&utm_campaign=spring-summer
この重複したURLが発生すること防ぐためにcanonicalタグを使って正規のURLを示す必要があります。
ECサイトの色違いやサイズ違いのページの正規化
商品を販売するECサイトでよく起こりがちなのが、サイズやカラーバリエーションなどによる重複ページです。
コンテンツがほぼ一緒で、サイズやカラーバリエーションのみが異なる場合、Googleからこれらのページが重複コンテンツであると認識されてしまうことがあります。
例:
http://example.com/shop/outerwear/?color=red
http://example.com/shop/outerwear/?color=blue
http://example.com/shop/outerwear/?color=yellow
この場合、SEOの評価が分散してしまう可能性があるので、canonicalタグを使って正規のページをGoogleに伝えてあげる必要があります。
端末にごとにサイトのURLが異なる場合の正規化
最近増えてきているのが、端末ごとにURLを分けてサイトを運営していて重複ページとして認識されてしまうパターンです。
例:
http://example.com/
http://example.com/sp/
レスポンシブに対応しているWebサイトであればわざわざURLを変更することはありませんが、レスポンシブへの対応が困難でやむなく端末ごとでサイトを分けているという方も多いかと思います。
しかしその場合、それぞれの端末向けページの中身が一緒だと、重複コンテンツとして認識されてしまいます。
そうなると当然SEOの評価も分散されてしまうことになるので、この場合もcanonicalタグで正規のページをGoogleに認識させてあげる必要出てきます。
このパターンの場合だと、PC向けサイトの方を正規のページとして認識させることがほとんどです。
canonicalの記述方法
canonicalタグの記述方法はとても簡単で、重複してしまっているページのheadタグ内に、以下の形で記述をおこなうだけです。
<link rel="canonical" href="http://〇〇.com/">
このとき、hrefのURLを正規化したいページのURLとして指定してあげます。
これで正規のURLをGoogleに認識させてあげることが可能になり、重複コンテンツやSEOの評価の分散を防ぐことができるようになります。
canonicalを利用する際の注意点
canonicalタグは記述が簡単なタグなので、ついつい気軽に考えて使用してしまいがちですが、使用するためには細心の注意を払わなくてはいけません。
というのも、canonicalタグでの正規化の効力はとても強く、正規のURLとして記述したURLはしっかりと正規のURLとして認識されます。
そのため、正規化するURLを誤ってしまうと、本来正しいページに向けるはずのSEO的な評価が誤ったページへと集約されてしまいます。
このときすぐに気付いてあげることができれば特に問題ありませんが、しばらく気付かずに放置してしまうと本来意図しないURLがインデックスされてしまったり、意図しないURLへSEOの評価を流してしまうことになります。
こういった事態を防ぐためにも、canonicalタグの記述方法はもちろん、重複ページの中で正規化したいページがどのページで、どのページのURLをcanonicalタグ内に記述するべきなのかをしっかりと確認してから記述をおこなうように注意しましょう。