- 闇金から借金をすると口座が凍結される原因
- 口座が凍結された場合の注意点
- 凍結された銀行口座の解除方法
お金に困って闇金からお金を借りてしまい、その後しばらくしたら自分の銀行口座が凍結されてしまったというケースが報告されています。
「なぜ闇金を利用しただけで自分の口座が凍結されてしまうの?」という疑問をお持ちの方は多いと思います。その原因はシンプルです。それは、あなたの銀行口座が闇金に不正利用されている可能性があるためです。
この記事では闇金から借金をすると銀行口座が凍結されてしまう原因、口座が凍結された場合の注意点、口座凍結の解除方法を解説します。闇金問題を解決し、普通の生活を取り戻しましょう。
※現在、当サイトで紹介する弁護士・司法書士は「口座凍結」の相談は受けていません。まずは該当の銀行に相談されることをおすすめします。
銀行口座は「犯罪利用」によって凍結される
そもそも、銀行が口座を凍結する理由としては、利用者が債務整理を行った場合や相続手続きの一時的な凍結など、さまざまなケースがあります。
そして、それらの凍結理由の中には、闇金問題などの「犯罪行為に口座が不正利用された場合に口座が凍結される」というケースが存在します。
闇金によってあなたの口座が不正利用されていることを、警察や弁護士会などの捜査機関が確認した場合、その口座は「犯罪利用預金口座」と認識されます。
犯罪利用預金口座として認識され、捜査機関が銀行にその旨を通知すると、「振り込め詐欺救済法」という法律に基づき、銀行はその口座の凍結手続きを行います。それは犯罪利用されている口座を凍結することで、闇金被害を増やさないようにするためです。
【参考】『振り込め詐欺救済法における口座凍結手続きについて』(全国銀行協会)
闇金から借金をしたら口座が凍結される原因
「口座が不正利用されると凍結されることは理解できたけれど、私はなにも悪いことはしてない!」とお考えのはずです。
それもそのはずで、闇金はわざわざ利用者に対して「あなたの口座を不正利用します」などとお伺いを立てるはずもないからです。そして、利用者は知らずしらずの間に、口座の不正利用に巻き込まれてしまうのです。
その不正利用とは、闇金の用いる「客振り」という手口と大きく関係しています。客振りのしくみを次で確認しましょう。
凍結原因である「客振り」のしくみ
口座が凍結される理由として、もっとも多く考えられるケースは「客振り」という闇金の手口に、あなたの口座が利用されてしまっている場合です。
「客振り」とは、闇金が利用者に貸付金を入金する際に、闇金が所有している口座から直接あなたに振り込むのではなく、他の利用者からあなたに対してお金を振込ませる手口のことです。少しわかりにくいので、客振りのしくみを順に確認しましょう。
通常、闇金からの貸付金は、以下の図のように闇金の口座からあなたの口座に対して直接振込まれます。そのしくみは、いたってシンプルです。
一方で「客振り」の場合にはこれと異なり、闇金が直接あなたの口座に振り込むのではなく、他の利用者があなたの口座に「返済金」を振り込むように仕向けるのです。
他の利用者に対して、「この口座に返済してください」とあなたの口座を教えることで、闇金は自分の口座情報を汚すことなく、借入金の回収と新規の貸付を同時に行うことができるのです。
客振りに巻き込まれた場合、あなたが借入れをしたお金は、他の利用者の返済金です。つまり、あなたの口座に対してなんの疑いも無く振り込みを行った他の利用者からすれば、あなたの口座は闇金の口座と思われてしまうわけです。
そして、他の利用者が闇金被害を警察や弁護士に相談すると、あなたの口座を闇金の口座として報告しますから、「犯罪利用口座」として認識され、凍結されてしまうのです。
口座が凍結された場合の注意点
「口座が凍結されたけど、とりあえず他行の口座もあるから放置で良いよね」とお考えの方は要注意です。なぜなら、そのまま凍結口座を放置してしまうと生活にさまざまな支障をきたすことになるためです。
口座が犯罪利用によって凍結されてしまった場合の注意点を解説します。
同一名義の口座まで凍結される
振り込め詐欺救済法の措置により口座が凍結されると、同一名義の銀行口座まで凍結される場合があります。そのため、「他の銀行口座が残っているから別に問題ないよね」という考えは危険です。
しかるべき処置を行わなければ、銀行口座を持たずに生活を送るという大変不便な状態に陥ることになります。
新規口座が開設できなくなる
犯罪行為などの不正利用が原因で口座が凍結されると、新規の口座が開設できなくなる可能性が高くなります。
犯罪に利用された疑いのある口座を、金融機関は「預金保険機構」という機関に公告を依頼する必要があります。この公告は、他の金融機関と広く共有されますから、口座の新規契約などを断られる場合が出てくるのです。
警察に闇金の共犯者だと思われる
凍結された口座をそのままにしておくことで、警察に闇金の共犯者と疑われてしまう可能性があります。それもそのはずで、警察はあなたの口座を闇金の口座だと思い凍結したわけですから、その反証がなされないということは、闇金、もしくは闇金の共犯者としてあなたをマークすることは自然なことです。
闇金の被害者であるにも関わらず、共犯者だと思われ余計なトラブルに巻き込まれてしまってはあまりにも面倒です。場合によっては共犯者として「取り調べ」がなされる場合もありますから、凍結口座の放置はおすすめできません。早めの対処が肝心です。
口座の凍結を防止する方法
口座の凍結を防止する方法としては、まず闇金からは絶対に借りていけないのは当然のことながら、借りてしまった場合には使用した口座を解約することで凍結を防止することが可能です。
当該口座を解約してしまえば、他の口座と連結してすべての口座が凍結されるような事態は避けられる可能性が高まりますから、闇金と繋がりのある口座は気づいた時点で解約しましょう。
口座凍結を解除する方法
不正利用を理由として口座が凍結されてしまった場合、お金を引き落とすこともできませんし、解約することもできなくなってしまいます。また、他銀行で新規口座を作ることも不可能になってしまいます。
そのような場合には、以下の方法で口座の凍結を解除することが可能です。
口座凍結解除を依頼する
1つ目の方法は、口座凍結解除を自分で直接依頼する方法です。
まずは、凍結された口座を契約している銀行で「どこの誰から口座の凍結が要請されたのか」を問い合わせてください。問い合わせをすると、凍結の要請を行った警察署、もしくは弁護士事務所を教えてくれることが一般的ですから、直接赴き口座凍結の解除を依頼してください。
警察署や法律事務所へ赴く際には、闇金業者との取引を証明できる「振り込み履歴」や「闇金とのやり取り」を証拠として持参すると、話がスムーズです。相手方に納得してもらえれば、口座の凍結を解除してもらうことができます。
弁護士・司法書士の対応について
一般的な弁護士・司法書士の闇金対応は、「取立ての停止」や「和解交渉」です。そのため、闇金から借入れがあるケースならば対応してくれますが、口座凍結解除は別な業務内容となるため対応はしていません。
そのため、前述のように銀行や警察に相談の上、「口座凍結」を専門に取り扱う弁護士を紹介してもらうことをおすすめします。
口座の凍結解除後にすべきこと
先述したように、闇金と関係をもった口座は解約することが大切です。口座を解約しないで闇金との関係が続くと、ある日突然闇金からの「押し貸し」などのトラブルに巻き込まれる可能性があります。
したがって口座の凍結が解除された後に、預金を引き出したうえで当該口座は解約するようにしましょう。「せっかく解除されたのに解約するの?」と思われる方もいらっしゃると思います。しかし、闇金問題を解決するためには、キッパリと関係を断つことが肝心です。
まとめ
闇金から借金をすると口座が凍結される原因は、利用者が知らずしらずのうちに「客振り」などの不正利用に巻き込まれてしまうためです。口座が凍結されると日常的に不便なだけではなく、闇金の仲間と警察に思われてしまう可能性もあるため、放置せずに凍結解除の依頼を行いましょう。
その場合、まずは該当する銀行に相談されることをおすすめします。そして、闇金絡みのトラブルを解決し、安定した生活を取り戻しましょう。