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メンズコンカフェの売掛金を払えない!支払い義務と解決方法について解説

メンズコンカフェの売掛金を払えない!支払い義務と解決方法について解説
この記事でわかること
  • メンズコンカフェではホストと同様の手口で売掛を勧められる
  • 違法な営業をしているメンズコンカフェも多い
  • メンズコンカフェの売掛金は支払い義務がないケースもある
  • メンズコンカフェの売掛金の支払いを迫られたときは弁護士への相談がおすすめ

近年、ホストクラブでの悪質な売掛金による営業が社会問題化していますが、メンズコンカフェでも同じように多額の売掛金を作り、払えなくなる女性が増加しています。

警察によるホストクラブへの取り締まりは強化されたせいもあって、ホストクラブからメンズコンカフェに業態を変えて健全な店であるかのように装いながら、違法な営業をしている店が増えています。

色恋営業や売掛の手口は、ホストもメンコンもどちらも非常によく似ています。

この記事では、メンズコンカフェにおける売掛の手口や、売掛金の支払い義務はあるのか、売掛金を支払えないときの対処法などについて、わかりやすく解説します。

メンズコンカフェ(メンコン)とは?

まずは、メンズコンカフェとは何か、ホストクラブとはどう違うのかを確認しておきましょう。

コンカフェとは

「コンカフェ」とは、「コンセプトカフェ」の略称です。コンセプトカフェとは、特定のテーマ(コンセプト)を採り入れて前面に押し出すことで、他の店との差別化を図っているカフェのことです。

「コンセプト」の例としては、アイドル系やファンタジー系、アニマル系など多種多様なものがあります。店内の装飾から従業員の衣装、接客に至るまで、そのコンセプトの世界観を表現したものとなっています。

女性キャストがメイドの衣装を着用して接客する「メイドカフェ」も、コンセプトカフェの一種です。

このようなコンセプトカフェのうち、男性キャストがコスプレをして接客する店のことを「メンズコンカフェ」(略して「メンコン」)といいます。

メンズコンカフェとホストクラブの違い

メンズコンカフェはホストクラブと似ていますが、違いもあります。

ホストクラブは必ず風俗営業の許可を得ているのに対して、メンズコンカフェには次の3つのパターンがあります。

  • ①飲食店営業の許可のみを得ている店(喫茶店と同じ)
  • ②深夜酒類提供飲食店営業の届出をしている店(バーと同じ)
  • ③風俗営業の許可を得ている店(ホストクラブと同じ)

③に該当するメンズコンカフェは、実質的にホストクラブと同じものといえます。

しかし、①または②に該当するメンズコンカフェとホストクラブには、次のような違いがあります。

メンズコンカフェ ホストクラブ
営業時間 24時間営業 6時~24時
地域によっては25時まで
料金 比較的リーズナブル
(ワンドリンク500円~1,000円程度)
高額
(初回を除き、数万円~数十万円)
接客方法 カウンター越しに接客する
(接待は不可)
ボックス席で客の横に座って接待が可能
指名制度 なし あり
客引き 午前0時~午前6時を除いて可能 禁止
店内の雰囲気 カジュアル シック
未成年の入店
(②の場合は午後10時以降、未成年は入店不可)
不可
男性客の入店 単独での入店は不可の場合が多い

このような違いから、メンズコンカフェの方がホストクラブよりも気軽に利用できる店という事が言えます。

メンズコンカフェは、料金の比較的安いせいもあって、未成年者を含む若い女性客や昼職の仕事に従事する女性客が多いのが特徴です。

メンズコンカフェの集客方法

メンズコンカフェも客商売なので、多くの店が集客方法に工夫を凝らしています。

メンズコンカフェは集客方法でもホストクラブと非常によく似ていて、主に用いられている集客方法を挙げると以下のとおりです。

  • ホームページによる宣伝
  • SNSやネット上の広告
  • 路上での呼び込み
  • 既存の顧客には、個別にメールやLINEで来店を促す

ただし、路上での「呼び込み」の程度を越えて、違法な「客引き」が行われているケースも多いことに注意が必要です。

風俗営業の許可を得ている店が客引きをすることや、深夜酒類提供飲食店営業の届出をしている店が午前0時以降に客引きをすることは、風営法で禁止されています。

店舗の付近で、不特定多数の通行人に対して来店を呼びかけることは合法な「呼び込み」ですが、特定の人を勧誘して店舗まで連れて行く行為は違法な「客引き」に当たる可能性があります。

飲食店営業の許可のみを得ているタイプのメンズコンカフェでは、客引きも禁止されているわけではありません。

それでも、相手の衣服をつかんで体を引っ張ったり、進路に立ちふさがったり、つきまとったりする行為は各都道府県の迷惑防止条例違反に該当する可能性があります。

実際、違法な手段で勧誘されて入店し、高額の売掛を持ちかけられるケースは後を絶ちません。執拗に勧誘されても、望まないのであれば入店しないようにしましょう。

メンズコンカフェにおける売掛の手口

メンズコンカフェのキャスト(従業員)は、時給の他に歩合給でお金を稼げるようになっています。

客からドリンクやチェキ撮影(インスタントカメラでの撮影)のオーダーを受けると、売上げの10~50%程度が歩合給として支払われる店が多いです。

そのため、メンズコンカフェのキャストもたくさんのお金を稼ごうとして、ホストと同様の手口で客に売掛を勧めてきます。主な手口として、次のようなものが挙げられます。

恋愛感情に訴えかけて注文させる

メンズコンカフェに来店する女性客のほとんどは、容姿端麗な男性キャストとの会話を楽しむことを主な目的としています。

メンコンのキャストはその心理を逆手にとり、恋愛感情を抱かせて断りにくい状態にして注文を勧めるというのが常套手段です。

店内で甘い言葉をささやくだけでなく、日頃から親密な内容のメールやLINEを送信したり、同伴やアフターに付き合ったりして女性客の気を惹くこともあります。

女性客の側でも、推しの(気に入っている)男性キャストに気に入られるためには、お金を使うのが手っ取り早いと考え、注文の勧誘に応じてしまうようです。

それがエスカレートすると、払えないほど高額の売掛金を作ってしまうことになります。

料金を明示せず高額のドリンクを勧める

ホストクラブでもそうですが、メンズコンカフェでも、料金を明示せず高額のドリンクを勧めるという手口がよく使われます。

理性が働いているうちは高額の注文などしない女性客でも、お酒によって判断力が鈍るとキャストからの勧誘に乗ってしまい、価格を十分に確認せず注文してしまうことがあります。

メンコンのキャストは、それを目論んでいます。女性客をおだてるなどして次々にお酒を飲ませて、泥酔したところで言葉巧みに高額のドリンクを勧めるのです。

高額のグッズを売りつけることも

メンズコンカフェのキャストの中には、ホストとは異なり、グッズを販売している人が少なくありません。

チェキで撮影した写真もグッズの一種ですが、その他にもブロマイドや顔写真入りのバッジなどを製作して販売しているケースが多いです。

価格は1,000円~3,000円程度のものが多いですが、キャストに対して恋愛感情を抱いた女性客に対しては高額のグッズや大量のグッズを売りつけるようなこともあります。

推しのキャストの気を惹きたいと考えている客は積極的にグッズを購入する傾向にあり、店内でグッズを購入する場合に売掛を持ちかけられるケースも少なくありません。

売掛金を支払えなくなると借金や売春を勧める

メンズコンカフェのキャストは店に雇われている従業員ですが、売掛をした場合の回収はキャストの責任とされている店が多いです。

キャストは売掛金を回収しなければ歩合給をもらえないこともあるので、未払いの女性客に対しては厳しく取り立ててきます。

売掛金の支払いが厳しい女性客に対しては、まず、消費者金融や銀行のカードローンなどで借金をして支払うように勧めてきます。

それでも支払えない女性客に対しては、キャバクラや風俗店で働いたり、あるいはパパ活や「立ちんぼ」などの売春をして支払うように要求してきます。

女性客が拒否すると、「それなら今すぐ、ツケを全額支払え」と迫られてしまいます。

そのため、やむを得ず売春行為に手を染めてしまう女性が後を絶ちません。昨今、このことが社会問題化しています。

メンズコンカフェで作った売掛金を支払う義務がないケース

メンズコンカフェで作った売掛金を支払えなくなった場合、まずは法律上の支払い義務があるのかを確認すべきです。

売掛金とは、後払いで契約した商品やサービスの代金のことです。契約が有効であれば、当然ながら売掛金の支払い義務が生じます。しかし、メンズコンカフェで作った売掛金については、契約が無効であったり、取消しが可能であったりして、支払い義務がないケースも散見されます。

次のようなケースでは、売掛金を支払う義務はありません。

騙されたり脅されたりして注文した場合

キャストから騙されたり脅されたりして注文した場合は、民法上の「詐欺」や「強迫」を理由として契約を取り消せます。取り消した契約はなかったことになるので、売掛金を支払う必要はありません。

例えば、1本数十万円のボトルを数千円だと騙されて注文した場合や、「ボトルを入れなければ帰さない」などと脅されて注文した場合は、その契約を取り消せる可能性が高いです。

未成年者が注文した場合

未成年者が親など法定代理人の同意を得ずにした契約は、取り消すことができます。

したがって、未成年の客が親に無断でメンズコンカフェに入店して注文した場合は、その契約を取り消せば支払い義務がなくなります。

ただし、未成年者自身が成人であると偽って入店・注文した場合は、契約を取り消せないことに注意が必要です。

なお、未成年者とは、2022年3月31日以前は「20歳未満の者」、同年4月1日以降は「18歳未満の者」のことを指します。

違法な恋愛商法に該当する場合

メンズコンカフェのキャストが、女性客の恋愛感情に訴えかけて注文を勧誘するのは常套手段ですが、この手口が違法な恋愛商法に該当する場合は、消費者契約法に基づき契約を取り消せます。

違法な恋愛商法に該当するのは、女性客がキャストに対して恋愛感情など好意の感情を抱き、かつ、女性客自身もキャストから好意を持たれていると誤信しており、キャストがこの状況に乗じて、注文しなければ2人の関係が破綻する旨を告げて注文を勧めた場合です。

合法な営業トークと違法な恋愛商法との線引きは明確ではないので、恋愛感情を利用されたと感じる場合は、弁護士に相談して確認した方がよいでしょう。

身に覚えがない(ぼったくり)場合

悪質なメンズコンカフェでは、身に覚えがない代金を請求されることもあります。

女性客が泥酔したことに乗じて、注文していない高額なドリンクが提供されたり、提供されてもいないサービスの代金が伝票に計上されていたりするような場合です。「ぼったくり」といってもよいでしょう。

このように、身に覚えがない代金を請求された場合、その代金を支払う義務はありません。なぜなら、注文していなければ契約が成立していないからです。

ただし、泥酔していたのであれば、注文したのかどうかを客の側で覚えていないこともあるでしょう。実際には注文したのに、そのことを忘れている場合は支払い義務があります。

消滅時効が成立している場合

売掛の契約が有効に成立し、取り消せる理由がない場合でも、消滅時効が成立した場合は支払い義務がなくなります。

メンズコンカフェにおける売掛金の消滅時効期間は、以下のとおりです。

  • 2020年3月31日以前に注文した場合…注文したときから1年
  • 2020年4月1日以降に注文した場合…注文したときから5年

ただし、時効成立前にキャストに対して売掛金の支払いを約束したり、一部でも支払ったり、裁判を起こされたりした場合は時効が更新されてしまいます。

その場合、上記の期間が経過しても消滅時効は成立しないことにご注意ください。

メンズコンカフェの売掛金を払えないときの解決方法

メンズコンカフェの売掛金を支払えない場合には、以下の解決方法を検討しましょう。

支払い義務がない場合は支払いを拒否する

支払い義務がない場合には、明確に支払いを拒否してください。

支払う姿勢を見せたりすると、取り消せる契約も取り消せなくなったり、消滅時効期間が更新されたりして、支払いを拒否できなくなるおそれがあります。

そのため、きっぱりと支払いを拒否することが大切です。

支払い義務がある場合は支払い方法について話し合う

支払い義務があるけれど、すぐには支払えない場合は、キャストに事情を伝えて支払い方法を話し合いましょう。

必ず支払う旨を約束して話し合えば、キャストも手荒なことはしないものです。

ご自身に可能な範囲内で支払期限の延期や分割払いを提案して、交渉してみましょう。誠実に交渉すれば、減額にも応じてもらえるかもしれません。

債務整理を検討する

売掛金の額が到底支払えないほどに膨らんでしまった場合は、債務整理も視野に入れた方がよいでしょう。

債務整理とは、法律に則った手段で借金などの債務の減額や免除を求めることが可能な救済制度のことです。

メンズコンカフェでの売掛金も債務整理の対象となります。売掛金の他に借金もある場合は、まとめて債務整理による解決を図るのもおすすめです。

債務整理には、主に次の3種類の手続きがあります。

  • 任意整理…債権者と直接話し合って債務の減額や支払期限の延期を認めてもらう手続き
  • 個人再生…裁判所の手続きを利用して、債務の大幅な減額が可能となる手続き
  • 自己破産…裁判所の手続きを利用して、債務の全額免除が可能となる手続き

ただし、メンズコンカフェでの売掛金は、破産法でいう「浪費」に当たるため、自己破産では解決できない可能性があります。最善の解決方法を見つけるためには、弁護士への相談がおすすめです。

売掛金の支払いを迫られてもやってはいけないこと

ご自身の収入だけでは売掛金を支払えない場合、以下のようなことを考える人もいますが、決しておすすめできません。

借金をして支払う

消費者金融や銀行カードローン、クレジットカードのキャッシングなどで借金をして売掛金を支払うことは、控えた方がよいです。

なぜなら、これらの借金は金利が高いため、借りてしまうと返せなくなる可能性が極めて高いからです。

利息や遅延損害金が加算されて債務が膨らんでしまうと、債務整理をするとしても解決方法の選択肢が絞られてしまいます。債務が膨らむ前に解決を図るべきです。

売春をして支払う

売春をして得たお金で売掛金を支払うことも、やめておいた方がよいです。

対価を得て性行為をすると精神的に大きなダメージを負ってしまいますし、身体に対する危険性もあります。売春したことを知人などに知られると、人間関係にも支障をきたしてしまうでしょう。

キャバクラや風俗店での勤務は違法ではありませんが、心身にかかる負担は大きいでしょうし、金銭感覚が狂うおそれも強いので、おすすめできません。

売春などしなくても、売掛金問題を解決することは可能です。

闇バイトをして支払う

昨今は、SNSなどでさかんに闇バイトの募集が行われいます。女性でも、特殊詐欺の出し子や受け子、違法薬物の運び屋などを初めとして、闇バイトに手を染めている人は少なくないようです。

しかし、闇バイトには絶対に手を出してはいけません。闇バイトに応募すると、ほとんどの場合は犯罪行為を強要されます。

断り切れずに実行した場合でも、警察に発覚すると実行犯がまず検挙され、処罰の対象となります。

闇バイトなどしなくても売掛金問題を解決する方法はあるので、犯罪行為に手を染めて一生を棒に振るようなことは避けてください。

キャストから売掛金の支払いを迫られたときの相談先

メンズコンカフェのキャストから売掛金の支払いを迫られて困ったときは、警察や弁護士に相談しましょう。

警察

身の危険を感じるような取り立てを受けたときの緊急的な相談先としては、警察がおすすめです。

暴力や脅迫を伴う取り立てを受けた場合や、売春を強要された場合には、被害届を提出すれば警察が対応してくれる可能性が高いです。

しかし、このような実害が生じていない場合、売掛金の問題は基本的に民事の問題なので、警察では対応してもらえないこともあります。

弁護士

メンズコンカフェの売掛金問題を根本的に解決するためには、弁護士へのご相談をおすすめします。

弁護士なら、支払い義務の有無を的確に判断した上で、状況に応じて最善の解決方法を提案してくれます。

支払い義務がないのに取り立てを受けている場合は、弁護士に依頼すれば間に入ってもらえます。弁護士からキャストに対して、支払い義務がないことを論理的に説明し、取り立てをやめるように交渉してくれるので、ほとんどの場合はこれで解決できます。

支払い義務がある場合も、弁護士に依頼すればキャストとの交渉を代行してもらえます。債務整理が必要な場合も、複雑な手続きは弁護士に一任できます。

弁護士は警察とは異なり、相談者・依頼者の味方としてすぐに動いてくれます。弁護士のアドバイスに従って対応するとこで、納得のいく解決を図ることができるでしょう。

まとめ

近年では、ホストクラブやメンズコンカフェにおける悪質な売掛の手口が社会問題化しています。ただ、客の側でも、支払えないような高額のツケはしないように気を付ける必要があるといえます。

もし、高額の売掛金を作ってしまい、払えなくなったときは早めに弁護士へご相談ください。法律の専門家の力を借りて、売掛金問題を適切に解決していきましょう。

メインの執筆者かつ9312

元弁護士。関西大学法学部卒。15年にわたり、債務整理、交通事故、相続をはじめとして、オールジャンルの法律問題を取り扱う。
債務整理では、任意整理、個人再生、自己破産の代行から過払い金返還請求、闇金への対応、個人再生委員、破産管財人、法人の破産まで数多くの事案を担当経験する。

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