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パチンコで作った借金を返せない人の末路とは?解決する方法も解説

パチンコで作った借金を返せない人の末路とは?解決する方法も解説
この記事でわかること
  • 借金をしてまでパチンコをしてしまう人には共通した理由がある
  • パチンコによる借金を返せないと生活が破綻し、一家離散につながるおそれもある
  • ギャンブル依存症には医学的な治療が必要である
  • パチンコによる借金も債務整理で解決できる

パチンコにのめり込んで多額の借金を抱えてしまうケースは少なくありません。借金をしてまでパチンコをするようになると、「このままではいけない」と思ってもパチンコをやめることができなくなり、借金をどんどん増やしてしまう人が多いです。

借金問題は債務整理で解決できますが、パチンコで借金を作った場合は債務整理に支障をきたすこともあるので注意が必要です。

この記事では、パチンコで作った借金を返せない人の末路を紹介した上で、解決方法や債務整理をするときの注意点を解説します。

パチンコで借金してしまう理由

パチンコを小遣いの範囲内で健全に楽しんでいる人も多いですが、のめり込むと借金してしまいやすいことも否定できません。パチンコで借金してしまう理由として、以下のことが挙げられます。

  • 勝ったときの快感が忘れられないから
  • 金銭感覚が狂ってしまうから
  • 負けを取り戻そうとするから
  • 勝ったお金で借金を返そうとするから
  • 依存症になりパチンコをやめられなくなるから

勝ったときの快感が忘れられないから

ギャンブルでは勝つことも負けることもありますが、勝ったときの快感が忘れられず、パチンコにのめり込んでしまう人が少なくありません。

ギャンブルで勝ったようなときは、人間の脳内ではドーパミンという神経伝達物質が放出されています。これにより、幸福感や高揚感といった快感を味わうようになっているのです。

ドーパミンが何度も大量に放出されると、一般的な娯楽では快感が得られにくくなり、「またパチンコをして快感を味わいたい」と強く思うにようになってしまいます。

金銭感覚が狂ってしまうから

パチンコで勝てば、1日で数万円、ときには10万円以上のお金を手にすることがあります。普通の仕事では得られないような収入が遊んでいるだけで得られるのですから、人によっては金銭感覚が狂ってしまいます。

金銭感覚が狂ってしまうと、「仕事はほどほどにして、パチンコで一儲けしよう」と考えるようになるでしょう。そうして、パチンコにのめり込んでしまうのです。

負けを取り戻そうとするから

パチンコで一時的に勝つことがあっても、トータルで見れば負けていることがほとんどです。そもそもパチンコ店は利益を得るために運営されているので、全体的に見れば客側が損をするようになっています。

それは分かっていても、「損をしたままで終わりたくない」という心理が働き、パチンコを続けてしまう人は多いです。

しかし、勝つよりも負けることの方が多いシステムになっているのですから、ほとんどの場合はパチンコを続ければ続けるほど、損失が拡大してしまいます。

ほどほどの損失で打ち切ることができなければ、借金をしてパチンコにつぎ込むようになってしまうでしょう。

勝ったお金で借金を返そうとするから

カードローンなどでの借金は利息の負担が重いため、返済するのは簡単ではありません。パチンコにお金を使い続けていれば、なおさら返済は難しくなります。

そんなとき、パチンコにのめり込んでいる人は、パチンコで大勝ちして借金を返済しようと考えてしまいます。パチンコでの借金はパチンコで返そう、というわけです。

しかし、パチンコでは負ける確率の方が高いのですから、ほどほどのところでやめなければ余計に借金を増やしてしまいます。

依存症になりパチンコをやめられなくなるから

パチンコを続けてギャンブル依存症になると、自分の意思ではパチンコをやめられなくなってしまいます。

ギャンブル依存症は、アルコール依存症や薬物依存症と同じように、脳の仕組みに異常が生じている病気です。そのため、理性では「パチンコをやめて、地道に借金を返さないといけない」と考えても、パチンコをしたいという衝動を抑えられなくなるのです。

いくら負けてもパチンコをやめられなくなるのですから、借金は増える一方となります。

パチンコで作った借金を返せない人の末路

パチンコで作った借金を返せなければ、次のような流れで、最終的には生活そのものが破綻するという末路を迎えてしまいます。

  • 借金が膨れ上がって返済不能となる
  • 財産を差し押さえられる
  • 生活が破綻する
  • 離婚問題などに発展することもある
  • 闇金に手を出すリスクが高まる

借金が膨れ上がって返済不能となる

パチンコで借金をする人のほとんどが、最初はカードローンやキャッシングなどで数万円程度の少額を借りています。「これくらいなら、すぐに返せる」と思っていても、負けが込むと次に次に借り入れてはパチンコにつぎ込み、借金が増えていきます。

この状態を続けていると、すぐに限度額一杯まで借りてしまうでしょう。そうなると、他社から借入れをして、パチンコ代や生活費、返済に充てるようになります。

どこかのタイミングでパチンコをやめなければ、借入先も借入額も増え続け、気がつくと返済不能なほどに借金が膨れ上がっていた、ということになりがちです。

財産を差し押さえられる

借金返済の滞納が始まると、2~3ヶ月後にはブラックリストに登録され、債権者からは一括返済を請求されます。返済できないまま放置すると、やがて裁判を起こされます。

裁判も放置していると債権者勝訴の判決が下され、強制執行手続きにより財産を差し押さえられることがあります。差し押さえの対象となるのは主に給料や預貯金ですが、他にも生命保険や株などの有価証券、自動車などを差し押さえられる可能性もあります。

これらの財産を差し押さえられると、生活費にも事欠くようになるでしょう。裁判や差し押さえによって、家族に借金のことがバレてしまう可能性が高いことにも注意が必要です。

生活が破綻する

借金の返済が苦しくなると、差し押さえを受ける前でも生活が破綻していきます。

返済のための借入れができなくなると、生活費に手を出すようになるでしょう。そうなると、食費や水道光熱費、家賃などの支払いが厳しくなります。

それでも返済が間に合わなければ、子どもの学費や将来の蓄えにまで手を出すことになりがちです。その上に給料まで差し押さえられてしまうと、普通に生活することは難しくなってしまいます。

生活するためのお金がなくなるのですから、家族にも大きな迷惑をかけてしまうことになるでしょう。

離婚問題などに発展することもある

パチンコで借金を作ったために家族の生活が破綻したとなると、離婚問題に発展することも少なくありません。

生活のためのやむを得ない借金なら法律上の離婚原因にはなりませんが、ギャンブルによる借金は法律上の離婚原因となる可能性が高いです。そのため、配偶者から離婚を突きつけられると、基本的に拒否できません。

子どもたちもパチンコで借金をした親に愛想を尽かして離れ、一人だけ取り残されてしまうケースも多いです。

闇金に手を出すリスクが高まる

借金の返済に窮すると、闇金に手を出すリスクも高まります。

正規の貸金業者から借りられない状態になっても、闇金を利用すればすぐにお金を借りられます。パチンコにのめり込んでいると、闇金からの借入れによって急場をしのぎ、パチンコを続けようとしてしまうのです。

しかし、闇金に手を出すと法外な利息を要求されるため、経済状況はさらに悪化します。

返済できなければ本人だけでなく家族や親戚、職場にまで取り立ての電話がかかってくるため、あっという間に生活が破綻してしまう可能性が非常に高いです。

パチンコで借金を作ってしまったときの対処法

パチンコの借金の対処法

パチンコで借金を作ってしまったとしても、適切に対処すれば解決できます。できる限り早めに、以下の対処法をとるようにしましょう。

  • パチンコをやめる
  • 家計の収支を見直す
  • 親族等の協力を得て返済する
  • 債務整理を検討する

パチンコをやめる

まず、パチンコはやめるべきです。「できるだけ控えよう」と考えていても、いつの間にかのめり込んで借金を増やしてしまうおそれが強いので、きっぱりやめることをおすすめします。

少なくとも、借金問題を解決するまではパチンコに手を出さないようにしましょう。強制的にパチンコをやめるためには、「貸付自粛制度」の利用が役立ちます。

貸付自粛制度とは、日本貸金業協会や全国銀行個人信用情報センターに申し出て、信用情報に貸付自粛の情報を登録してもらうことにより、借入れができなくなる制度のことです。

借入れでパチンコ代を捻出できなくなれば、パチンコをしたいという衝動にかられても思いとどまりやすくなるでしょう。ただし、闇金は貸付自粛制度の効果がありませんので、手を出さないように注意が必要です。

家計の収支を見直す

借金の増加を食い止めたら、少しずつでも返済を進めていきましょう。

そのためには、まず家計の収支を見直すべきです。外食や無駄な買い物、その他の浪費は控えて、少しでも返済に回せるお金を増やしましょう。

家賃や保険、スマホ代などの通信費、各種サブスク料金などの固定費を見直すと節約効果が高まるのでおすすめです。

親族等の協力を得て返済する

親族等で頼れる人がいれば、協力を得て借金を一括で返済してしまう方が望ましいです。

貸金業者からの借金には利息がつくため、自力で返済するためには長期間にわたる地道な努力が必要です。

その点、親族等に一括で返済してもらえれば、後でその人にお金を返すとしても通常は利息がかかりません。そのため、返済の負担が軽くなります。

債務整理を検討する

以上の方法でも返済が間に合わない場合は、債務整理を検討した方がよいでしょう。債務整理とは、国が定めた法律に則って借金を減免してもらうことが可能な救済制度のことです。

具体的な方法として任意整理、個人再生、自己破産という3種類の手続きがありますが、状況に合った手続きを選んで行うことで、借金問題は解決できます。

パチンコで勝ったお金や、他社から借入れたお金で借金を返済しようとせず、債務整理という正当な手段で借金問題を根本的に解決するのがおすすめです。

パチンコによる借金で債務整理をするときの注意点

債務整理の3種類の手続きは、それぞれ特徴が異なります。借金問題をスムーズに解決するためには、状況に合った手続きを選ぶことが重要です。

パチンコによる借金で債務整理をするときは、以下の点に注意して手続きを選ぶようにしましょう。

  • 任意整理は借金総額が大きいと難しい
  • 個人再生では安定収入が必要
  • 自己破産では免責が許可されないことも

任意整理は借金総額が大きいと難しい

任意整理とは、債権者と直接交渉して借金の返済額や返済方法を決め直す手続きのことです。一般的には将来利息がカットされ、残った借金を3~5年の分割で返済していくことになります。

原則として元金は減額できないため、借金総額が大きい場合には任意整理は向いていません。一般的な会社員の収入であれば、借金総額が300~400万円に上ると任意整理で解決することは難しくなります。

ただし、本人の収入だけでは返済しきれないほどの借金総額でも、家族や親族が返済に協力してくれるのなら、任意整理による解決も見込めます。

個人再生では安定収入が必要

個人再生とは、裁判所の手続きを利用して借金総額を大幅に減額できる手続きのことです。原則的に借金総額を5分の1~10分の1にまで減らすことが可能です。

ただし、減額後の借金を3~5年の分割で返済できる程度の安定収入が見込めなければ、個人再生を利用することはできません。

また、すべての借金を手続きの対象とする必要があるため、個人再生をするとローン返済中の商品を引き揚げられたり、保証人に迷惑がかかったりすることもあります。

以上の点に問題がなければ、個人再生は非常にメリットが大きい解決方法といえます。

自己破産では免責が許可されないことも

自己破産とは、裁判所の手続きを利用して借金の返済義務をすべて免除してもらうことが可能な手続きのことです。返済する必要が一切なくなるので、3種類の債務整理の中で最もメリットが大きい手続きといえます。

ただし、パチンコなどのギャンブルで借金を作った場合は「免責不許可事由」に該当するため、自己破産をしても原則として返済義務が免除されないことに注意が必要です。

しかし、免責不許可事由に該当する場合でも、事情によっては裁判所の裁量によって免責が許可される可能性があります。このことを「裁量免責」といいます。

裁量免責を得ることは簡単ではないので、パチンコによる借金で自己破産をする場合は弁護士に相談した方がよいでしょう。破産手続きの経験が豊富な弁護士に事情を話せば、裁量免責が可能かどうかの見通しが分かります。

裁量免責が見込まれる場合は、自己破産手続きを弁護士に依頼して任せることで、裁量免責の可能性をより高めることができます。

パチンコを自力でやめられないときの対処法

自力でパチンコをやめられない場合は、ギャンブル依存症に陥っている可能性が高いです。ギャンブル依存症はれっきとした病気なので、精神医学的な手当が必要です。

逆にいえば、適切な手当を受ければ、ギャンブル依存症から脱却することは可能です。お近くの医療機関の精神科や心療内科などのクリニックで、依存症外来があれば受診してみましょう。

専門的な機関に心当たりがなければ、「一般財団法人ギャンブル依存症予防回復支援センター」に相談してみるのがおすすめです。臨床心理士などの資格を持ったカウンセラーが相談に乗ってくれますし、必要に応じて医療機関を紹介してもらうことも可能です。

自分の意思だけで依存症を克服することは非常に難しいので、早めに専門の機関に相談しましょう。

パチンコで借金したら早めの対処が肝心!弁護士・司法書士に相談を

パチンコで借金したら、早めの対処が望まれます。

借金が膨らんでしまった後では個人再生または自己破産をする必要性が出てきますが、自己破産ではギャンブルによる免責不許可の問題があります。その点、早めに対処すれば任意整理での解決を図りやすくなります。

依存症の問題についても、早めに対処した方が克服しやすくなるでしょう。

そのため、パチンコで借金をした場合には早めに弁護士または司法書士に相談することをおすすめします。

弁護士・司法書士は最善の解決方法を提案してくれますが、相談の時期が早ければ早いほど、解決方法の選択肢が広がります。

債務整理をすることに決めた場合は、弁護士・司法書士に依頼すれば債権者宛に受任通知が送付されます。これにより、督促や返済がすぐに止まります。

具体的な債務整理の手続きは弁護士・司法書士が代行して的確に進めてくれるので、納得のいく結果が期待できます。

また、弁護士・司法書士によっては、信頼できる精神科医やカウンセラーを紹介してくれることもあります。

まとめ

パチンコで借金をし始めると負のループから抜け出せなくなり、多額の借金を抱えて生活が破綻してしまうことにもなりかねません。

借金が膨らんでしまうと、自力で抜け出すことは非常に困難となります。しかし、借金については債務整理、ギャンブル依存症についてはカウンセリングや精神科での医療など、解決方法はあります。

パチンコをやめられない、借金を返せない、といった問題で困ったら一人で抱え込まず、まずは弁護士・司法書士に相談することを強くおすすめします。

どのようなケースでも、法律の専門家に相談することで解決の糸口が見つかるはずです。

メインの執筆者かつ9312

元弁護士。関西大学法学部卒。15年にわたり、債務整理、交通事故、相続をはじめとして、オールジャンルの法律問題を取り扱う。
債務整理では、任意整理、個人再生、自己破産の代行から過払い金返還請求、闇金への対応、個人再生委員、破産管財人、法人の破産まで数多くの事案を担当経験する。

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