運送業はその特性から売上が安定しない業種といわれています。
また車両の故障や突発の事故等で緊急性の高い支出が発生することもあります。
売上の不安定さや急な出費から資金繰りに悩まされている運送業者も少なくありません。
では運送業が資金繰りを安定させ改善するにはどのような方法があるのでしょうか?
おすすめの資金調達方法がファクタリングです。
運送業に売掛金があれば利用できるのがファクタリングで、資金繰りの安定が期待できるとともに、買取りを依頼できる業者も多くあります。
ただしそのためには運送業の特徴を理解して、売掛金の買取りに前向きに応じてくれるファクタリング会社を選ぶことが必要です。
本記事では、運送業におすすめのファクタリング会社を3社選び紹介します。
あわせて運送業にファクタリングの相性が良い理由や利用上のメリットデメリットなども解説しますので選定時の参考にして下さい。
運送業に強いファクタリング業者3社
まずは運送業に強みを持つ健全なファクタリング業者3社を紹介します。
いずれの業者も申込みから審査を経て最短2時間~翌営業日までには資金調達が可能です。
買取り可能額も無制限から億円を越える金額が設定されており、利用先も買取額を気にすることなく活用できます。
PMG
基礎情報(PMG)
審査・入金スピード | 最短20分・最短2時間 | オンライン完結 | ○ |
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手数料 | 2%~ | 必要書類 |
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利用対象者 | 法人のみ | 営業時間 | 平日8:30~18:00 |
調達可能額 | 50万円~2億円 | 土日祝日対応 | なし |
取引形態 | 2社間/3社間 | その他 | - |
PMGのおすすめポイント
PMGはピーエムジー株式会社が運営している法人専用のファクタリング会社です。
毎月の買取り件数は1,500件を越える実績があり、安心して買取り依頼ができます。
他社からの乗り換え率は98%、顧客からのリピート率も96%と高く、多くの法人から支持を得ていることがうかがえます。
運送業者が法人なら、買取り実績も豊富で顧客からの信頼も厚いPMGの利用をおすすめします。
QuQuMo online
基礎情報(QuQuMo online)
審査・入金スピード | 最短40分・最短2時間 | オンライン完結 | ○ |
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手数料 | 1%~ | 必要書類 |
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利用対象者 |
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営業時間 | 平日9:00~19:00 |
調達可能額 | 無制限 | 土日祝日対応 | なし |
取引形態 | 2社間 | その他 |
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QuQuMo onlineのおすすめポイント
QuQuMo onlineは株式会社アクティブサポートが運営している法人及び個人事業主に対応しているファクタリング会社です。
オンライン完結にも対応している上に、弁護士ドットコム監修の「クラウドサイン」を使いオンライン上で契約完結できて、情報が外部に漏れる心配がありません。
売掛金があれば、法人はもとより個人事業主からでも買取り可能であり、運送業者も安心して依頼申込できます。
ビートレーディング
基礎情報(ビートレーディング)
審査・入金スピード | 最短30分(審査)
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オンライン完結 | ○ |
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手数料 |
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必要書類 |
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利用対象者 |
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営業時間 | 平日9:30~18:00 |
調達可能額 | 無制限 | 土日祝日対応 | なし |
取引形態 | 2社間/3社間 | その他 | - |
ビートレーディングのおすすめポイント
ビートレーディングは株式会社ビートレーディングが運営しているファクタリング会社です。
ファクタリング業界のパイオニアとして、東京を中心に全国5か所に拠点を持ち、5.8万社以上の顧客と、累計の買取額も1,300億円以上など、安定した取引を行っています。
また専任の女性オペレーター制度も導入しており、利用先の経営者が男性でなく女性であっても気兼ねなく相談しやすい環境が整っています。
さらに売掛先が法人の売掛金を持っていれば、どのような業種でも利用可能であり、法人だけでなく個人事業主にも対応しているので、運送業者でも安心して依頼できます。
加えて請求書ファクタリングだけでなく、発注書ファクタリングにも対応しているので利便性は高いです。
運送業が資金調達面でファクタリングと相性が良い理由
運送業に資金調達方法としてファクタリングが良い理由を3つ、以下で詳しく解説します。
国内の運送業は中小企業が全体の8割以上であり、うち、トラック運送事業が物流事業売上の6割以上(中小企業比率はほぼ100%)を占めています。
参照先:国土交通省|物流を取り巻く動向について|物流事業の概況について(2)
運送業は、収入及び支出の管理が難しく、資金繰りが常に厳しい状態になりやすいという特徴を持っています。
それだけに運送業として、いかに安定的に資金繰りを確保するかは喫緊の課題といえるでしょう。
売上の動向が景気や取引先等の動きに左右されやすいから
ファクタリングが運送業の資金繰りに良い理由の1点目は、運送業の売上が安定しにくいという点です。
運送業は国内外の物流を一手に引き受け支えていますが、一方で景気の動向や取引先の経営方針に左右されやすいという特徴があります。
全体の景気が上向きで物流も盛んであったり、運送業者が大手企業から安定して依頼を受けたりしていると売上も安定していますが、中小企業が圧倒的多数を占める運送業では安定した発注元を確保している運送業者は少ないのが実態です。
さらに運送業は繁忙期や閑散期の差も大きく、一年を通して安定した売上げを確保できている先は少数でしょう。
このように運送業は売上の動向が景気や取引先等の動きに左右されやすいので、資金繰り管理が難しく、その点でファクタリングの利用は資金繰りの安定に役立ちます。
想定外の支出があるほか慢性的に人手不足の業界であるため
ファクタリングが運送業の資金繰りに良い理由の2点目は、運送業では想定外の支出が頻繁に発生するとか、常に人手不足になりやすい業界だからです。
想定外の支出が発生するのは、例えば運送中のトラックに事故が起こったり故障が発生したりした時などです。
その対応のたびに一度に大きな金額の支出が発生します。
予期しないタイミングでまとまった金額の費用の支払いが発生するので資金繰りに大きく影響してきます。
運送業が常に慢性的な人手不足にある業界であることも資金繰りに大きく影響してきます。
社会の生産及び消費動向が大きく変化する中、運送に対する需要はさらに高まっていますが、それを支える業界の人手不足は深刻です。
業界を支えているドライバーの高齢化や、依然として解消しない低賃金・長時間労働の実態が若者から嫌われて新しい人材が供給されません。
一方で利益率の低い業界だけに、簡単には人件費を上げるわけにもいかず、それがまた人手不足に拍車を掛けてしまうというジレンマに陥っています。
さらに運送業の利益率が低いことを理由に、主要な資金調達手段のひとつである銀行融資もなかなか審査に通りにくく、これも当てにできません。
このように想定外の支出や人手不足も運送業の資金繰りを不安定化させる要因であり、ファクタリングの利用は資金繰りの安定に役立ちます。
多額の固定費が必要で業務の効率化も難しい業界であるため
ファクタリングが運送業の資金繰りに良い理由の3点目は、運送業の運営には多額の固定費が必要であり、かつ業務の効率化が難しい業界であるためだからです。
運送事業を継続させるためには、様々な法改正や法規制の強化などに迅速に対応していくため多額の固定費が必要です。
法律や各種の規制に迅速に対応していかないと運送業が不安定な状態に陥ります。
さらに運送業には欠かせない大型トラック等の設備が壊れたり、修理や代替の必要があったりした場合などには、一度に高額の費用が掛かり、これも資金繰りを悪化させます。
また運送業は業務の効率化が難しい業界でもあります。
荷物の配送には再配達が常で、これへの対応にも余計な時間と手間やコストが掛かるし、車を動かす燃料代の高騰も業務の効率化を阻害して資金繰りを悪化させる原因です。
このような2つの要因に対しても、ファクタリングは資金繰りの安定に役立ちます。
運送業がファクタリングを利用するメリット
運送業が持つ独自の特徴とファクタリングの相性が良いことが分かった上で、では利用することでファクタリングがどのように運送業にメリットをもたらすか、3つの点から解説します。
急な出費でも弾力的かつ早めに資金調達できる
ファクタリングは売掛金を売却し早めに資金調達して資金繰りを安定させる便利な方法ですが、運送業の場合はとりわけメリットがあります。
運送業が予期しないタイミングでまとまった金額の費用の支払いがよく発生する業界であることは説明したとおりです。
そんな時でも一定の金額の売掛金さえ持っていれば、ファクタリング会社に譲渡することで早めに資金調達して急な支払いにも対応できます。
加えて運送業の売掛金は回収サイトが他の業界の売掛金より長いことが多く、その分、手元の資金が不足がちになるという特徴があります。
2024年11月に下請法が改正されて(※)、運送業界でも売掛金が入金されるまでの期間は最長で60日にはなりましたが、それでも現状は規制ギリギリの期日に設定されていることも多いです。
業界特有の慣行で未だ決済方法が手形の先もあり、回収サイトが100日を超える手形もあることから、さらに資金回収まで時間が掛かっています。
そういう点では、ファクタリングが利用できることは、早めに資金調達できるのでメリットが大きい業界といえるでしょう。
(※)参照先:公正取引委員会|ポイント解説下請法|親事業者の禁止行為|下請代金の支払い遅延
売掛先にばれずに資金調達できる
運送業の場合、売掛先にばれずに資金調達できる点もファクタリングを利用する上で大きなメリットです。
ファクタリングには、取引の当事者の数の違いで2社間取引と3社間取引があります。
3社間ファクタリングを利用すると、売掛金の譲渡前に売掛先にサービス利用の承認を求めなければならないので、債権譲渡の事実を売掛先に知られてしまいます。
しかしファクタリングの事実を売掛先に知られることで、利用先の信用に疑いを持たれ、最悪の場合、取引を停止されるリスクもあるので、売掛先にばれずに利用できることは大きなメリットです。
特に運送業の下請け業者の場合、発注先の企業が1社だけということも多く、3社間ファクタリングを使いにくいことも多いでしょう。
その点、2社間ファクタリングを利用して、売掛先にばれずに資金調達できれば、利用先にとってメリットも多いと考えられます。
運送業者が個人事業主でも利用できる業者もいる
運送業者が法人でなくて個人事業主の場合でも、ファクタリングを利用できる業者がいることは、運送業者にとって大きなメリットです。
特に運送業者が個人事業主の場合、売掛金の額も小さく、売却しても小口取引になるので、効率経営をめざして買取りをしている業者とは利益が相反する関係になりがちです。
しかし小口取引でも、それを理解して少額からでも買取りしてくれるファクタリング会社があることは、運送業者にとって資金調達の面からも極めて心強い存在になります。
ただしそのようなファクタリング会社は数が少ないので、運送業者が地方で営業しているなら、安全かつオンライン完結で資金調達できる業者を見つける必要があります。
運送業がファクタリングを利用するデメリット
一方、運送業がファクタリングを利用したときのデメリットは主に以下の2つです。
売掛金の回収サイトが長め
運送業の場合、売掛金は他業種と比較して、回収サイトが長めになる傾向があります。
改正後の下請法によって、支払期間は最長でも60日と定められましたが、運送業ではその期限一杯の支払期限を設定する先が依然として多いです。
売掛金の回収サイトが長めになると、回収リスクも上がってくるので、ファクタリング会社としても買取りを渋ったり、掛け目を低くしたりして回収リスクを下げようとしてきます。
それでは運送業が期待した現金が得られず資金繰りも改善しないので、利用先にとってデメリットになってしまいます。
運送業では、支払いサイトが長いと現金を手にするまで時間が掛かる一方、毎月の人件費や燃料費等の固定費は確実に出ていくので、うまく工面をしないと手元資金がすぐに枯渇してしまいます。
放置しておくと、やがて黒字倒産の可能性さえあるので、運送業としても何とか資金繰りを確保する必要があるのです。
支払いサイトを反映して手数料が高めになりがち
ファクタリングでは、業者が支払いサイトの長い売掛金を買取りすると、サイトが短めの売掛金と比較して手数料が高めになりがちです。
これは売掛金の支払いサイトが、他業種比較で長めになりがちな運送業者にとっては、買取りサービスを利用する際の大きなデメリットといえます。
それでなくとも運送業は利益の幅が少ない業界なので、手数料を多めに支払うと利益が少なくなるだけでなく、手にできる資金額を通じて資金繰りの悪化にも繋がってきます。
対策のひとつとして、2社間取引より3社間取引を利用する方が支払手数料を少なくできデメリットの幅を減らせられるのですが、3社間取引自体にもデメリットがあるので、必ずしも得策とはいえません。
そこで手数料を少しでも押えたいのなら、2社間取引かつオンライン完結型のファクタリングを利用して、業者の手続きに掛かる手間を減らすという方法もあります。
まとめ
運送業は、回収サイトの長期化、売上の不安定さ、多額の設備費用や急な出費等から資金繰りが悪化しやすい傾向がある業種です。
また利益率も他業種比で低く、それを理由に銀行からの融資が断られることもよくあります。
その点、ファクタリングは審査も比較的易しく、業者に売掛金さえあればそれを使って資金調達できます。
緊急度の高い支払いが起きた場合などでも、ファクタリングならすぐに現金化ができるので、運送業の事業経営や資金繰り対策にファクタリングは大いに役立つでしょう。
ただしファクタリング会社によって手数料や審査・入金スピードも異なるので、申込の前には個々の業者の特徴や買取り実績をきちんと調べて確認しておくことは重要です。
本記事も参考に、ファクタリングをうまく活用して、運送業ならではの資金繰りに役立てて下さい。